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2008年10月23日 (木)

人のふり見て

   秋の夜長にウェブ読書。最近は、行きつけの小説サイトの管理人さんがお忙しいのか、更新がないので新しいところを開拓してみたりして。

   偶然「初恋のイトコであるところのイケメン・ヤングエグゼクティヴ(死語?)が帰国、彼はなんの取り柄もないわたしを想ってくれていた!」という趣向の話を別々のサイトで拾って読みました。
   片や、日本の同族経営の会社の話。ヒロインはホントな~んもせず、もう過去は忘れて幼い頃の憧れのひとと割り切っていたのに、彼の積極的アプローチに混乱してうれしがるだけの話、全編モデラートで山もなければエロもない話。地の文は達者だったんだけど、読み終わってう~~~~んと頭を抱えてしまって。
   もう一方は、こういうのハーレクイン風っていうんでしょうか、アメリカとおぼしき国、主人公はホテル王の一人娘、初恋のイトコは大学ではアメフトの花形選手。学生時代まではややデブっていて冴えなかったヒロインはワンマンで封建的なパパの「女は家にいて男に護ってもらえ」主義に逆らえず、成績優秀なのに認めてもらえず腐ってました。学生時代に付き合ってた彼に致命的な裏切りをされてからは一念発起、パパにつぶされないよう細心の注意で自分とキャリアを磨いておったのですが、ある日イトコの帰国とともに、「彼を後継者にする、結婚しなさい」との至上命令。ヒロインは自分の自由とプライドを取り戻すための戦いを開始するはずが、当の結婚相手はパパに洗脳されておって(ヒロインが美しく知的に成長していたのもあり)、「キミ、俺と結婚できて嬉しいんじゃないの? 俺は嬉しいよ」とボケボケなのでした。
   こちらはもう山あり谷あり、はじまりはマエストーソ(荘重に)、いきなりドラマティコ(劇的に)、パーティーシーンはブリランテ(華麗に)。結婚式にわざわざ現れる元彼の鬼畜っぷりにモレンド(絶え入りそうに)。

   これよ、こういうのが読みたかったのよ!!

   けっこうな大河小説を夜を徹して読んでしまいました(旦那様ゴメンナサイ)。
   ヒロインはたくましいし、ヒーローは美形ながら体育会系で一点突破型でややうざかったのが、ヒロインに離婚を持ちかけられてからは悩みながら引くことも覚えようとしたり、総じて登場人物がみな(燃え尽きたパパを除いて)成長しようとするところが素晴らしい。また脇役が皆ルックスのみならず魅力的で。中盤、とんでもねえ泥沼に陥りながらみんな貞節というものを守っておるし(ややその辺拍子抜け感もあるにせよ。そこはせっかくお声を掛けてくれた美形の海軍エースパイロットと1回ぐらい浮気しておくところだろう!)。

   ナルホド、人様に読んで楽しんでもらうためにはこれぐらい話に振れ幅がないといけませんな。わたくしもヒロインと一緒になって手に汗握り、「そこは素直になって結婚しとけ」とか、「なぜそこで真偽を確かめんのだ弱虫!」とかやっておりました。

   アドレスご紹介しても良いけど、ただ、アメリカだと思って読んでたのに、爵位持ちの人間が同じ国内で社交界を形成してるってのはどういうことかな~とそこだけ残念なので。ご照会あればメイルででもこっそりお教えします。

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コメント

初めまして。
ハーレクインな小説サイトさんの読者なのですが、
あのお話はアメリカが舞台なのではなくて、
架空の国が舞台なのですよ~。
そちらのサイトさんのファンなので黙っていられず、
ついついコメントしてしまいました。
不愉快な気分になられたら申し訳ございません。
失礼します。

投稿: | 2008年10月23日 (木) 20時46分

 おや、あれだけで解ってしまうのか。
 失礼しました、架空の国だったのか。たしかに具体的な地名とか習俗とかはなかったなあ。じゃ、これですっきり浸れます。良かった。
 こちらこそ、ケチを付けたようでゴメンナサイ。
 ハーレクインではないにせよ、翻訳物の、アメリカ女性が因習やら襲い来る天変地異やらと戦って幸せになる話は、余りにも彼女たちがガンコすぎて鼻白むこともあるんですが、この作品は、頑張り加減も傷つき加減も許容範囲でじつに良かったです。やっぱ、その辺が国民性の違いだったら翻訳物の限界なんですかねえ? 

投稿: まいね | 2008年10月24日 (金) 00時28分

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