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2008年10月31日 (金)

平和なご近所生活のために

   それは秋の雨そぼ降る午後、猫科の人たちはそろってお休みで、そろそろ午後の部の診療受付に並ぼうかと言っていた頃でした。電話に出ると、お隣のマデノコージさん。
   「ねえ、裏のキタジマさんちに、男の人が来てて、もう20分ほどもドアを叩いてるの」
   「はぁ?」
   「なんか大声を出して中に声を掛けながら、ドアを叩いてるのよ」
   「……そりゃキモチワルイね」
   「そっちから見えないかしら?」
   裏のキタジマさんちは、ちょっと引っ込んでいて、道路に出るにはうちの玄関脇を通るんです。
   「じゃ、お兄ちゃんの部屋から見てみる」と、子機を持って豹太の部屋へ直行、ベッドから病人を蹴落としておいて出窓へ身を乗り出すと……います。
   「いるわ」
   「ねえ、奥さん今出かけてるみたいなのよ。そろそろあそこの下の子帰ってくるわよね。……危なくない?」
   その声に促されるように、ちょっと玄関から出て、声を掛けてみました。
   「あの~どうかされました?」
   背の高い男性、普段着姿で。なんか顔赤くて。ふらふらしてるってのはマデノコージさんの主観かな?
   「あ、大丈夫です。大丈夫ですから」って、ナニが大丈夫なんだよ、そんなこというなんて酔っぱらい認定しますよ?
   「なんかわかんないけど、大丈夫大丈夫って言ってるよ」と、持ったままの子機からマデノコージさんに報告。
   「やだ、なんだろ」
   通行人さんも、いぶかしげに玄関の方をうかがってて、それが解ったのか、身をすくませて、通りから見えないようにしたのがまたあやしい。
   「解った、こっちから警察に電話掛けてみる」
   おかあさんおっちょこちょいだから。
   切るなり、ネットでリンネルベルク警察の代表を調べて、掛けちゃった。さすがに110番はしませんて。
   「なんだかうちの裏のおうちの玄関をずっと叩いてるひとがいるんですぅ」
   うちのところ番地と名前、電話番号にキタジマさんの名前を出してパトロールをお願いしました。

   しばらくしたら、マデノコージさんからまた電話。
   「ちょっとぉ、なんにも言ってくれないで警察帰っちゃったわよ」
   「え? もう来たの? うちに一言もなかったよ」
   心配で庭先に出ていたマデノコージさんの方と少し話をしただけで、不審者本人には突撃してくれなかったそうです。

   そして、人の気配が玄関ドアの向こうに!
   恐怖に震える目の前で、そーっとポストからナニかがうちに入れられました!!
   わななくわななく手に取るとそれは!!

   お休みした虎美に届けられたプリントでした。

   マデノコージ君、ご苦労だけどチャイムぐらい鳴らして行きなさいよ(あ~心臓に悪かった!!)。

   その後、睡魔に勝てずおかあさんお昼寝にはいったところ、インターホンが鳴り……
   「おかーさんキタジマさん来た!」
   そのまま意識は水面下に沈んでいったのでした。
   スッキリ目覚めると、娘から、
   「あれキタジマさんちのパパだったんだって! なんかご迷惑お掛けしましたって言ってたよ」と報告。
   あちゃ~。パパさんだったのか。ママさんには面識あったけど、パパさんの方は解かんなかったよ。やっぱり閉め出されただけだったのか(一応その可能性はマデノコージさんも指摘してたんだけどね)。警察はちゃんとキタジマ氏だと判ったんですね。

   それ以来、ゴミ出しなんかで会う度にお互い汗かいてたんですけど。

   本日、旦那様早いお帰りで。
   「うちの前にバットを持った若い連中が屯(たむろ)していた
   「ああ、はい、豹太たちゴルドベルク中野球部が最近素振りの自主トレをやってるんですよ。今日もやってたんですね」
   「うちの前で?」
   「ええ」
   「……車がないからスペースがあるというわけか」
   「まあまあ」
   一応駐車スペース付なんですけど、うち、車持ってないから。
   「豹太いませんでしたか?」
   「俺の顔を見たらイヤそうな顔をして黙って解散した」
   そんな、イヤそうなって、それは考えすぎ。

   「あんなに凶器を持った少年が集まっていたのでは通報されるぞ」
   「大丈夫ですよ、みんなカワイイ顔してるから。イーヴィヒベルクは平和だし」
   「イヤ解らない」
   「キタジマさんが仕返しに? 『うちの前に凶器を持った少年達が集まっているんです!』って?」笑、笑、笑。
   ……ええと、ご近所の治安のために、不安な点があったらこまめにお互いお声がけをするのは良いことだと思います……。

   「でもこれでこの辺はナニがあっても心配ないわね」ってキタジマさんのママさんが仰ったのは、皮肉じゃないですよね……?

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コメント

まいねさん良く声を掛けることが出来ましたね~。

2,3年前になりますか、隣のおうちの話なんですが。
夜何時頃かなあ、怒声と玄関を激しく叩く音。玄関の戸のガラスが割れる音。しばらく後、警察もきました。その後静かになりましたが、30分ぐらいしてまた怒声と玄関を激しく叩く音が始まりました。また警察がきて、その後静かになりました。
夜中だし、ガラスの割れる音がしてからは、恐くて、どんな人がそんなことをしていたのか覗くことも出来ませんでした。別れたダンナさんではなかったようでしたが。
次の日の朝、顔を合わせた時に、昨日はお騒がせしました、って言われましたけど、、何があったんです?っって、訊きたかったけれどとても訊けなかったですよ。

投稿: とむ影 | 2008年11月 4日 (火) 18時10分

 それは恐かったでしょうね。
 そのくらい大げさなことになったのなら公式見解(必ずしも100%真実でなくても良い)ぐらい出して欲しいとこですねえ。町内会長さんのとこにだけでも。余計なお世話かなあ。またそれで尾鰭が付いてもイヤだし。でも、ある程度のこと教えといてくれればまた何かあったときお役に立てるかもじゃないですか。
 それで、キタジマさんちにナニがあったのかは、豹太も虎美も子供経由でも聞こえてこないそうです。

投稿: まいね | 2008年11月 4日 (火) 20時22分

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