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2008年10月20日 (月)

泣けてくる話

   ええと、わたくしは散らかす方ではありますが、基本、ものは大切に使い、長持ちさせる方です、ええ。捨てるのがキライ。

   ところがうちの猫科のひとたちは、ものの扱いが乱暴で、大切にしない。しつけかとも思うんですが、親のわたしがそんな覚えがない(旦那様はもちろん丁寧、丁寧)のに、いったいこの事態はなんであろうかと。

   上の豹太がお座りをして、なにかおもちゃが必要であろうと言う頃、実家の母が発掘してきたのは、なつかしい赤いピアノ。これは、カワイが出していた本物と同じアクションで同じ音が出るというような高度なものじゃなくって、2オクターヴほどのヴェニアのうっすい鍵盤が(もちろん黒鍵はなし)、布でピアノ線に貼り付けられていて、安っぽいピンピンとした音が鳴るだけというじつにお手軽な品物でした。しかしながら、幼稚園あたりまで大切に使っていて、それを大事にしまっておいて20年ぶりに日の目を見たという品だったのですが。
   楽しく遊んでいたのはほんの数分。馬鹿力の豹太が安っぽいその鍵盤を下から上に押し上げて。
   べり、ばき、めきっと剥がしてしまったのです。

   嗚呼、破壊というものはおさない子供にとってなんと魅力的な行動であるのでしょう!

   20年ものの母の思い出のピアノはあっという間に粗大ゴミになってしまっていました。

   いやそんなお高いものじゃなかったんだけどさ。ハア。

   次はもう少し大きくなってから。
   今でも同じ原理のゲームがゲームセンターにありますが、コインを並べた盤上を、機械仕掛けのレヴァーが移動していて、今にも取れそうなところまで掻き寄せている、それに、タイミングを合わせてコインを落として、その重さや1枚分の大きさでさらにコインを取り出し口まで動くようにして、コインを手に入れるというゲーム。これを電池式で卓上でできるようにしたゲームが、当時発売のTVの名にひっかけたCMを大々的にやっていて、クリスマスに買ってもらったんでした。
   「クイントリックス!? まいちゃんはテレビがほしいのかい!?」伯父のたまげる声がまだ耳に残ってます。コイントリックスだってば。
   結構はまって、弟たちと休みの度にやってました。
   それを父が出してきて、「できるかな?」とやらせてみたんですが。
   わたしたちはやりこんでいて、結構「攻略法」も飲み込んでいて、レヴァーが向こうを向いていて、空間が最大限空いているときにコインを入れると、その分大きく動いて、コインが押し出され、自分の領地に入る、と解ってるのですが、子供達はそうではない。あせってコインをどんどん入れても、全然レヴァーに引っかからなくてコインは盤上にたまるだけ、返ってこない。手持ちがなくなってゲームセット、ということが続いて。
   かんしゃくを起こして盤をひっくり返して叩きつけたそうで(わたしは見てなかった)。

   幼少時代(といっても小学校高学年でしたが)とても楽しく遊んだ思い出のゲームを、またしても燃えないゴミにされてしまったのでした。
   大事に使ってたのになあ。
   父も言葉が出なかったですね。わたしたち姉弟は、負けて悔しくてゲーム盤をひっくり返すなんてことはしたことなかったですから(二人して優等生のおりこうちゃんだった)。

   さて昨日、お寝坊をした虎美に着替えを促しますと、なにやら珍妙な格好をして参りまして。クリーム色の七分袖Tシャツに、白いひらひらしたものが膝まで垂れておって、その下にはデニム地のショートパンツ。
   「なんだその白いのは」
   「おかあさんがくれたスカート。ちょっと穿いてみようと思って」
   虎美は寒い仙台の育ちで、おまけに登校が自由服の公立で、それで近頃のカジュアル革命で、近年は動きやすいパンツ姿が基本になって、今では、
   「スカート一枚も持ってない」。この夏に、チュニック様のワンピースを買い与えてみても、
   「なんだかすーすーしてイヤ」って、ずっとそのショートパンツと合わせて着ていて。
   女の子が夏にワンピースが寒いってどんな冷え性!?
   女装させられた男の子の感想か!?

   「中学になったら毎日スカートなんて信じられない!」なんていう情けないことを言っておったので、この前、押し入れを整理してたら出てきたスコート(テニス用の、短いアレね)を与えたのでした。

   これが、未使用

   学生時代、一度サークルの先輩方から、
   「ちょっとみんなでテニスをするから、よかったらまいちゃんも来ないかい」なんて誘われて、いそいそ出かけたんだけど、悲しいかな、わたくしテニスは素振りとゴム紐&重りを使ったひとりプレイが中心で、すてきなテニスウエアは持ってなくて、おねえさま達がすてきなウエアーでかろやかにコートを駆けるのに、ひとり安物のTシャツとジョギングパンツかなにかでどてどて球を追ったのでした。嗚呼、憧れの先輩がいらしたのに! 悔しい、今度そんな時があったらのために、すてきなスコート(とふりふりのアンダースコート)をすぐさま買いに行ったのですが……二度とお呼びは掛からなかったのでした。

   ……という切ない青春の結晶のようなスコートを、ただ単にスカートを穿く練習のためにうちで着てですね……昨日の夕食の「完熟トマトのハヤシライス」をよそ見しながら食べていてこぼして染みを付けたんですよ、たった1回で。トマトの染みは(おまけに油も混ざってる!)落ちないんですよ!!
   今日、洗濯を終えて染みが落ちてないのを確認して、ため息を吐いてこの文を打ってます(そんなに言うならその場ですぐ引っぱがして洗えば良かったんだよ) 。

   嗚呼、泣けてくる

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コメント

しつけとか、本人の資質の問題は、無いとは言わないけれど、本質ではないと思っています。現代はものが有りすぎるのよ……
ものがない時代になれば、否が応でも大切にするようになるでしょうか?

さてクリーム色のスカートだと、漂白も難しいよね……(-人-)

投稿: とむ影 | 2008年10月20日 (月) 17時22分

 はあ。また旦那様のおうちの方には、「おもちゃのピアノはおもちゃであってそれ以上のものではない、大切な子供達に比べたら、かたちあるものが壊れることは当然なのであってそんなことで気に病む必要はない」とか言われそうだな。自分がお皿を割ったときにはそれでかばってもらっといてぶーぶー言うのは大人げないかもですね。
 そのうちにものに込められた人の心を大切にできる人間になってもらいたいものです。
 そう、スコートなんてのは要はテニスをするときに穿く運動着であってそれ以上ではないので、多少染みが残ろうが、本来の機能に影響が出ないのであれば、うちで普段ばきにしている分には何ら問題がないのです、そうだ、そうなんだはははははは。
 え~んHせんぱい~~~~~っ。

投稿: まいね | 2008年10月21日 (火) 11時50分

 で、しみじみとその憧れのH先輩のお姿を思いだしておったのですが、なにやら某国の元大統領閣下の姿に重なって。
 ……ああ、だからわたしプーチンさんのことが気になるんだ……。

投稿: まいね | 2008年10月23日 (木) 00時31分

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