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2008年9月 4日 (木)

新都は未だ事ゆかず

   「旧都をば既にうかれぬ」でしたっけ? なんか記憶と違うよ、「平家物語」。

   今さっきまで「そのとき歴史が動いた」が終戦の話をやっていて、戦犯になった方が陛下を想って詠んだ歌なんかを紹介してましたが、ほんの60年前までは、上に立つものはこういう韻文にして思いの丈を残すという事ができたんですよね。

   この前ちょっと赤坂まで出て、
   「こちらを行くと乃木坂に出ますよ、ちょっと歩いてみたら」なんて言われて、のこのこ歩いて(もしや、この辺があの「誰も寝てはならぬ」の舞台か?)と中程まで来たところで気がついてとたんにキョロキョロしたりしてまたその自分に苦笑したり。
   そして、やっと目指す「地下鉄千代田線乃木坂駅」の入り口が見えてきたところで、神社に遭遇。
   乃木坂って、乃木神社の坂だったんだ!?(そりゃそうだろ!)

   せっかくなので詣でました。

   静かで。

   ついでに記念館(?)、乃木大将ゆかりの品のある展示室のようなところも見ました。ステッセルとの会見の写真やら、使ってた馬具やら、期待したより遺品は少なかったですね。どこかの新聞でやってた乃木大将の伝記で読んだ、「幼い頃継母が取り落とした蚊帳の吊り手で眼を怪我したのだが、その継母がとがめられるのに配慮して特に手当をせずにいて片眼が不自由になった、そのため双眼鏡を使うことができず、分割して片眼だけのものにして使用していた」というネタが披露され、そのドイツ製の高級双眼鏡の自分用に改造した証拠の品が陳列されていたのは感心しました。実話だったんだ。

   実は「軍神」というほど有能であったわけではないという説なんかも読んで知っておって、あんまり好きじゃなかったんですが、この話はしみじみしました。

   脱線終わり。

   そこに、れいの明治天皇への殉死の際の辞世の歌があったわけで。ご本人のより、「今度ばかりはお供のできない旅行(死出の旅)をなさることだ」というような内容の奥方の歌の方が気に入りましたけど。

   昔はみんな教養あったなあ。

   漢詩をものした政治家も(押韻は本式ではなかったにせよ)結構いたそうですし。

   今のエライひとで、ついこの前、国の代表の地位を投げちゃったひといましたけど、例えばそういう人たちは、心中をトロしちゃって皆をしみじみさせる和歌を詠んだりできるんでしょうか。

   わたくしは、時折ご覧に入れている程度の腰折れで良ければ、死ぬ前ぐらいにはひねって見せますけど、やっぱ、少数派な趣味ですかねえ?

   だからといって、今時の表現法ならどうかというと、口語散文詩はなんだかありがたみがないし。英語で完全に意思疎通できる宰相……あのひとはできるんだったかな、クィーンズ・イングリッシュで。じゃあ、ブログを助っ人なしで運用とか? ギターを片手にオリジナルソングで歌っちゃう? 朝ドラヒロインみたいにヒップホップダンスでなら表現できる? 太郎ちゃんは漫画に造詣が深いとはいえ、自分でペンを持って描くというまでのレヴェルではないと思うし。

   なんだかそっちもあやしい感じ。

   何だったらできるのよ?

   これは、平家物語のアレよ「旧都をば既にうかれぬ、新都は未だ事ゆかず」、旧体制は粉々にされてしまったのに、新しい規範はまだできてない。何を規範にしたものか、民心は混乱しております、といったところだったと思うけど。

   昔ながらの教養というものが死に絶えて、いったい日本人はどうなってしまうのよう?

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コメント

そういえば父が海軍に召集されていたとき,家によこす便りのハガキは和歌が多かった.西洋かぶれの父が歌を詠むとはそれまで思いもしなかったので意外だった.復員してきてから聞いたら,韻文の方が検閲を通りやすいようだと言ってました.

投稿: 三ねんせい | 2008年9月 4日 (木) 09時16分

 おお、これは面白いネタを頂きました。……読む方も頭使うから面倒になるのかな?

 それより、読売の編集手帳とネタがかぶっちゃった。まあなんて恐れ多い。向こうは首相退陣についての話で使ってましたが。
 出典は「方丈記」の方だって。おや、そうだっけ? 昨日一応調べたときも、「方丈記」と出典が書いてありはしたんですけど。いけませんな、もう脳が古びてきて。判断力さえ失われたのか。
 それでかんじんの平家の「福原遷都」ではどういう言い回しだったんだろう? 

投稿: まいね | 2008年9月 4日 (木) 11時47分

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