« 月がとっても青いから | トップページ | 本日の一発ネタ やや不謹慎 »

2008年9月 8日 (月)

出でよ正岡子規!

   じゃあまた文学史的な方から攻めてみようか。

   

正岡子規の業績と言えば、アララギ派を興して短歌や俳句を改革したこと、漱石夏目金之助に散文を書かせたこと、それから、野球の創世期において用語を日本語訳して定着に貢献したことでしょう。ちゃんと2002年に野球殿堂入りしてるそうです。あ、「野球」という言葉を最初に作って使ったのは子規ですが(幼名の升:ノボルにひっかけてあったらしい)、それを baseball の訳語と定めたのは中馬庚だそうです。ガセビア(ガセネタであるところのトリヴィア)注意。

   「久方のアメリカ人のはじめにし
       ベースボールは見れど飽かぬかも           子規」

   わたしはこの歌好きですねえ。
   「久方の」とちゃんと枕詞を使ってる辺りがやっぱり彼も若かったってところでしょうか。それがちゃんと「アメ」にかかってるところが茶目っ気。こういう、野球を詠んだ歌も少しはあるとか。

   ちょっと考えてみましょうよ。

   今でこそ、和製英語多いとか言われてますけど、あの野球の全ての用語が全部英語のママだったら、ああ、判りにくい。今だって、女性で野球のルールをイマイチ理解できてないかたがおられるそうじゃないですか。「直球」を「投手」が投げて、「捕手」が受けて、「打者」が打つ。「打者」が打てないような外れ玉を4つも投げれば「四球」で、「打者」は一塁に進める。ホラ、ゲームが見えてきた。
   ショートストップを遊撃手と訳したところが秀逸。たしかに、発生から言っても、各塁に付いてる他の内野手とは違って、「遊撃」的存在でありますな。

   こう言うのは、単に訳すべき外国語に通じておるだけでなく、日本語をも広く知っていないとできないことですね。
   こういうもう感じ入るしかできない名訳というのは、野球用語、子規だけじゃなく、各分野において明治の偉人達がもう綺羅星の如くに創りだしてくれているのであります。

   尊敬。

   何でいきなりこんなことを言い出したかというと、またしても「アイシールド21」。
   魅力的な登場人物達とよく練られたストーリーに釣られて喜んで読んでおりますけれど、やっぱり肝腎なアメフトのルールがよく解っていませんのさ。
   ポジションが、とくに。
   物語の冒頭は、主人公のセナ君はじめ読者も初心者であることを勘案してか、「QB」は「投手」と大胆に書いてありました。セナ君は「ボールを持って逃げる役目」=「ランナー」って、言ってたかな、そのうち、ちゃんと公式なポジション名である「ランニングバック」って言うようになって。親友モンタ君は「キャッチの名人」=「レシーバー」と、これは耳慣れた言葉だからすぐに使われてたかな。でも公式には「ワイドレシーバー」だそうで。
   守備の方のひとが、「ディフェンス」だったり、「ライン」だったりしますが、その細かい違いについては明確に語られずにどんどん仲間が増えて、わたくし未だにその本来の意味と役割を理解してないと思います(ごめん、栗田君たち)。
   そういえば、仲間が増える度にポジションが説明されてたと思うけど、みんなカタカナだし、たとえば「タイトエンド」って、もとの英単語だけの意味からも類推しづらくって、試合中何やってるのかイマイチ判りません。いや、そのポジションの彼があんまり活躍してないのもあるけどさ。二人して熟読しているうちの猫科のひとたちは、みんなちゃんと理解してるらしいんだけど。

   その他、ルールの名前も、作戦も、細かい技術も、みんなカタカナ。

   

漢字にしてよう。

   アメフトが日本に入ってきたのはいつなのよう?
   (大正年間。意外に早かった。公式戦は昭和9年)
   やっぱり熱狂する文化人が初期に出なかったのがいけなかったのかしら?
   こういうのは、某世界的ファンタジーの翻訳について噂になっております通り、仲立ちをする翻訳がイマイチさんだった場合、もとのイメージを翻訳するときにぽろぽろその本質が零れてしまって、必ずしも正しくないものができあがってしまう危険性があるんですけど。それくらいなら、ふつうに学校で6年もやってる筈の英語の原語のママ読み下しとけって気持ちもわかるんですけど。
   みんながみんな基本英単語を習熟して大人になってるんじゃないんだし。
   やっぱ「日本語」にしようよ、一応。

   もう70年も過ぎて、今更という感じも致しますが、じゃ、もっと、今時の新しいスポーツの普及のために。
   出でよ平成の正岡子規!

   そろそろ糸瓜忌でございます。

 

|

« 月がとっても青いから | トップページ | 本日の一発ネタ やや不謹慎 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/42415565

この記事へのトラックバック一覧です: 出でよ正岡子規!:

« 月がとっても青いから | トップページ | 本日の一発ネタ やや不謹慎 »