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2008年7月 3日 (木)

アロマにはまる?

   それは5月の半ば、加賀能登の物産展をやっているというので町田の小田急百貨店に赴けば。
   目当ての松井サブレはなく(物産展入り口で大きな松井秀喜選手のポスターはお出迎えしていたものの)、朝ドラ人気を当て込んで、
   「おかーさん、焼きサバ寿司だって! へしこ寿しもあるんだって!」と、虎美が見事に捕まっておりました。
   「……それは小浜だろう!」」越前なら隣の国だが若狭小浜はさらに向こう!! 喜んで朝ドラを見ていたのにそんなことも知らなかったのか! 東京や神奈川にお住まいの人々なら騙せると思ったのか。なんかもやもやといたしましたです。

   さて、結局焼きサバ寿司を買わされ、ついでに目の保養をしておこうとリビングのフロアに下りますと、なにやら良い香り。ハーブやアロマを取り扱っておるお店でした。体によいハーブティーの試飲なども行っておる様子、花粉はさすがに落ち着いてきたものの、気管支炎で喉の痛みに呻吟しておったおかあさん、なんとなく引き寄せられて。

   「ついでに不眠に効くハーブでも見立ててもらったらどうだ」軽い気持ちで娘を差し出したら、
   子供だなんて思ったら♪ 大間違いよ 女の子♪

   

興味津々で。

   おかあさん多少はかじりましたから、(ま、ふつーラヴェンダー出してくるだろな)ということは予想できたのですが、もう、虎ちゃんたら目を輝かせて、いろんなエッセンスを嗅がせてもらったり、ボトルを触らせてもらったり。
   「これはチョクにつけちゃいけないんですよね? 油でのばすか、ポットで揮発させるか」おかあさんも、こっちだって素人じゃないんだぞ~子供にええ加減なもん売りつけるなよ~というオーラを出します。
   「ええ、一番簡単なのは、こういうふうにティッシュに含ませてもらって」わたし、この「~してもらって」という表現がキライなんですよね。その言葉が出ると、扱ってるものが一気にうさんくさく思えちゃう。あと、お化粧関係にありがちな「……してあげて」。ひとの肌にまで敬語使わなくていいです。

   母がヤマアラシのように心の針を尖らせているというのに、虎ちゃんはもう目を爛々とさせてラヴェンダーのボトルを握りしめているのであります。間の悪いことに、最近彼女は資本主義世界のひとになったので、「じゃあ、あたしのお年玉で払えるから」となんでも自腹を切りたがるのです。
   散財して泣けばいいのよ。
   貧乏な幼少期を送ったおかあさんは心の底で思っておるのですが、さすがに親としては口には出せず。

   そこへ商品陳列棚に、「ただいま2000円以上お買い上げの方に扇子プレゼント!」のPOPが……。
   ここでおかあさんの忍耐が切れました。
   「じゃあ、それ、買います」
   嗚呼、なんでわざわざ町田にまで出てラヴェンダーのエッセンスなんぞを買ったんでしょう? ノイエ・リリエンベルク駅前オシャレビルにもハーブのお店ぐらいあったのに。
   しかしながら、わたくしの、若い頃に友達にもらった白檀の扇子を去年から虎ちゃんが狙っておって、何かと言えば触りたがって心を脅かしておったので。いいえ、幼稚園の頃じゃあるまいし、両脇からがばっと引っ張ってぶっこわすという恐れはないんですけど(お茶のお扇子は豹太によってその手順で一本だめにされました。猿は扇子を開けないと言うけど……お茶を習ってる方にこの話をしたら、どこも小さいお子さんに一度はやられるそうです)。

   案の定、喜ぶこと。
   「これで黎深さまのまねができる~♪」
   嗚呼。
   虎美のはまっておるライトノヴェルのシリーズの登場人物で、いつも扇を手にしていて、それをぱちりぱちりやるのがくせの貴人がおるのです。そのひとのまねにあこがれていたのか。
   しかしながら、一応これはチャイナ(風)・ファンタジーでして。
   木の骨に紙を張って折りたためるようにした扇子は日本独自のものなんじゃないかなとわたくしはかねてより気になってたんですが、そんなこと突っ込んじゃダメか。このシリーズは登場人物が風呂敷に荷物をからげて歩いてたりするから。……ファンタジーは一つ丸ごと世界を作り上げるので総合的に学問に通じてないとキツイですね。田中芳樹は100万の軍勢を動員するだけの人口を養う主食作物を想定して、その時代、その場所に無いはずのジャガイモをあることにしてしまったとか言ってました。いや、そんなとこ突っ込むなよ、あんたも。

   脱線したな。

   というわけで、そのプレゼントの扇子にさっそくラヴェンダーを1,2滴どころかだぶだぶ染みになるほども振りかけてもらって、さらにお客様カードまで作ってもらって虎ちゃんご機嫌だったのですが。

   お中元を出しに行くのにわざわざ新宿の小田急まで行くことはないのでは、と、ダメ元で町田に出てみた今週、またしても虎美は
   「あのお店に行きたい! 今度はアロマポットが欲しいの」って。この前おばあちゃんが来ていて、また軍資金をせしめたようで。
   おかあさんはそれより、お勘定を待っている間に飲ませてもらったジンジャージュースが喉の炎症を劇的に抑えてくれたのが忘れられなくって、あわよくばもう一度飲ませてもらうつもりでお店に行きました。
   現品限りの猫の模様のランプをゲットしました。壁のコンセントに直に挿して、常夜灯の代わりにもなるとういう品。展示品で、ちょっと薄汚れてたんですが、虎ちゃん全然気にしてなくって(気にしろよ)。おかあさんはもっとお高いけどアラブ風の透かし彫りがきれいな陶器のランプの方が良かったな(でも、自分でお金を出す気はない)。
   ご機嫌な虎ちゃんが包んでもらっている間、おかあさんは図々しく本題を切り出します。
   「この前飲ませていただいたジンジャージュース、あれはおいくらなの?」あのときも一応聞いたんだけど、結構したんでした。
   「3900円です」ポンジュースぐらいの量なのに! さすがにストレートでは飲まず、6~10倍に希釈して飲むんですけどね。
   「これは本当にいいお品なんですよ~」
   マレーシアの農園でオオバコの露を吸って育ったこの4、6のショウガをすりおろして、柳の枝で3、7、21日とろ~りとろりと煮詰めて作ったこの……なんだっけ? 
   製法に誤解がちょっとはいってたかもですが、そういう厳選素材で作ったショウガジュースですので、風邪とかに良く効くそうです。ものがショウガなので、ちょっとピリピリしますが、わたくし金沢銘菓柴舟(ジンジャーシュガー風味のせんべい)で育っておりますので、ショウガには強いです。娘は一口飲んでギブアップしましたけれども。
   「レシピをお付けいたします」って、紅茶や牛乳に入れるぐらいならまだしも、パンに塗ったりヨーグルトやアイスクリームに掛けたり。いや、そこまでしなくても、単純にお湯で割って飲めばいいじゃんとおかあさんは大きく引いていました。

   カルペパーというところの「ジンジャー・シロップ」。自然食品やハーブのお店で取り扱いがあるかも知れません。寒くなってきたら(冷房病対策にも)、お試しになってもいいかも。イヤそれ以前にスーパーでショウガ買ってきてすり下ろせば?

   でもこれ本当にショウガの味だから!

   そして、帰宅した虎ちゃんはご機嫌でアロマランプをお部屋に取り付け。

   今日も良い香りが漂ってきているのでした。いい夢見ろよ。

   そして、おかあさんが買ったはいいけど飽きて放り出したイランイランとローズゼラニウムのエッセンスは無事成仏させてもらえそう(洗面所の未整理段ボールから発掘させて譲渡)。めでたし、めでたし。

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