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2008年6月20日 (金)

「図書館戦争」 #10

    心が通じ合った予感を見せながら、とうとう原作3巻(4冊の原作のタイトルの順番がどうしても覚えられない。内乱は3冊目でいいんだっけ?)最大の事件に到達しました。
    茨城県の美術展に入選した作品は、良化委員会を批判するメッセージ性がアリアリ。これを展示する予定の展覧会に良化委員会の検閲や、賛同団体のイヤガラセが行われることを防ぐため、関東図書隊に助っ人の要請があります。色めき立つ図書隊タスクフォースの皆さん。一人泡を食ってるのは郁。

    茨城は郁の故郷なのです。

    故郷に錦は飾れ……ません!!

    観光バスと見まごう大型ハイデッカーを連ねて移動するタスクフォースの皆さん。……すいません、金網を張った機動隊の灰色のバスを想定して読んでました。郁の無知による間違った処置で手塚がつぶされてしまうエピソードはやっぱりカット、普通にシートに座ってました。横で何事かつぶやいている郁に苦言を呈すると、郁はカバンに入り込んで(ソレ無理だから)、
    「お願いこのまま宅配便で送り返して」と任務を全身で拒否しておるのです。

    ギャグシーンに野暮だとは思うけど、毎度仕事/任務に対する態度があまっちょろすぎるんだよなあ。

    手塚もむっとしておりますが、そこへ携帯に着信。

    

麻子様だ♪

    「茨城はすごいことになってるわよ」と、情報をくれます。その情報収集能力に舌を巻きながら、
    「俺も、兄貴からの情報は全部お前に回すから」とまだまだ仕事仲間の線を逸脱できない手塚。くれぐれも気をつけて、と重ねて言うのに、自分の心構えを試されたようでいらつくようなもの言いで返して切っちゃって。
    「無事に帰ってきなさいってことじゃない」と、携帯をしまいつつ不満げな麻子様、これは脈有りでありましょうか。

   茨城の県立図書館(&附属美術館)にたどり着きますと、プラカードを持った市民の皆さんがお出迎え。そのひとたちは……
   「暴力はなにも生み出さない。図書隊はまず話し合いで解決しろ」って。暴力を先に振るってくるのって、良化隊なんですけど? 良化隊には同じことを言ってるんでしょうね? その辺を玄田隊長も突っ込んだんだけど、はかばかしい返事はなく。
   「茨城県立図書館がヒドイ」というのは、良化隊の影響化にある市民団体が非暴力とかもっともらしいことを掲げて図書隊の活動を掣肘しておるということでした。
   原作だとこの辺、図書館長が県のお役人としての出世をイロイロ考えておって、そこを市民団体(良化隊)につけ込まれて、「在任中に武力衝突を起こさなければそれは業績」と後ろ向きな方策を採ってしまったことによる、などなどお役人事情も描いてくれてたんですが。図書館を単なる出世の途中の通過点としか考えてない人で、使命感とかは全くない「お役人」。今までの「行政側」ともちょっと違うかな。かくして図書隊は骨抜きにされ、県立図書館は良化隊のいいようにされてしまっておったわけです。敵に勝つのって、正面からの武力行使だけじゃないんだなあ。
   そんなこと、我らが玄田隊長が許すわけもなく。
   次回予告にあった怒号はこのシーンのものでした。
   ネットでは「脳内お花畑」とかよく揶揄されてますね。「話せば解る」式の、暴力を嫌う考え方の人たち。わたしも、自分が殺されたくないから自分も人を殺さないという論理は解るし、正しいと思ってきたんですけれど。でも、じっさいそこを踏み越えて、殺す気で詰め寄ってくる人に対するにはどうしたらよいか。自分も身を鎧うことが必要になるという考え方、やっと解ってきたところです。現実には、誰をも殺さず殺されないのがいいに決まってますが。
   茨城の図書隊長の方は、そういう図書館長に押され気味で、ここまでの弱体化を許してしまったことを玄田隊長に責められてましたが、
   「何度も中央に文書を書いたのですが、館長に握りつぶされました」って、今まであれだけ風通しの良い雰囲気だったのにいきなりここだけバリバリにお役所だし。頭越しにSOS出すことってできないの!? あんたはアホですか?  紙に書いて上司がはんこ押したことじゃないと受け入れて貰えないってどこの山羊の世界ですか? 104で稲嶺指令のおうちの電話番号聞けば?(公開してないだろう、さすがに)
   図書館長が仏像パーマで白毫ぼくろもあるおばさんというキャラクター造形はやり過ぎを感じましたが。かえってやり手っぽい年増美人でもよかったぐらい。原作では女性だったとしか覚えてませんが。

   お荷物(武器類)を降ろす手伝いもしてもらえないとかいう細かいネタはカットで(地味に、自分たちで荷下ろしをしているカットと、武器は自分で管理した方がいいですよという弱腰な助言と……こっそり弾薬を水浸しにされたりとかするんだろうか?)。

   実際の隊員達が受ける冷遇はそんなもんじゃなかったのでした。

   女の子で一人だけ寮に仮住まいさせてもらう郁のことを堂上教官は気遣ってくれましたが。
   入るといきなり化粧の濃いきゃぴきゃぴの業務部(麻子様のような制服の、図書館サーヴィスを担当する方の職員)のおねえさんたちがお出迎え。笠原さんは女性初めてのタスクフォース配属の期待の星ですからお荷物お持ちしますって、おや、好待遇じゃないですか……って、
   「きゃー重ぉい!」と、わざとらしく階段の上から荷物を放り出す。
   「ちょっとぉ、ゴミ放置しないでよ」と、それをあからさまに足蹴にする。

   ベタな展開になって参りました。

   この辺は気持ち悪くて、細かく書き記すのもイヤです。

   あわてて飛び出てきた野々宮ちゃん(原作でも郁のお世話に付いたメガネっこちゃん。麻子様の出番が少ない分のコラボメガネの担当も兼ねる?)たちが、非常に済まなそうに自分たち図書隊の人間は寮では冷遇されてるのだと語るのでした。食堂に並ぶのも後、お風呂も洗濯も後って。
   これが逆ならまだ解るけど。体張ってるのはあたしたちよって感覚。じっさいそういうことされたら怒りますけど。でも、肉体労働して汗もいっぱいかくのは図書隊の方だよね。先に入りたいでしょう。そこを、だからあたし達が先に入っちゃお風呂が汚れるでしょう、という乙女らしい遠慮ならゆかしいと思えたのに。
   上の人間が図書隊を冷遇して、もしかしてふつうの市民の感覚さえ、ドンパチの好きなおかしな人たち、無駄飯食いとか、そういうふうに思うようになってるからこういう扱いになるのでしょうか。
   そこまで行かなくて、単に、この人達は弱い立場の人、だからこういうこともしちゃいましょうというじつに志の低い感覚の表れと見ました。郁に対する程度の低いイヤガラセを、かろやかに笑いながら行う姿は心の底から恐ろしく、また気持ち悪かったです。

   この辺は、この回の脚本家さんは女性だろうなと思うと確かにそうで。
   情けないけどうまかった。

   郁の洗濯物が濡らされるという事件は、「何かあったら俺の携帯を鳴らせ」という堂上教官に頼るところ、そして、その郁を連れて二人っきりで車でコインランドリーへ行くところ(そりゃ異性と2人きりはやばかろうとは思いましたが)、改変されてました。

   怒り、屈辱、悲しさに押しつぶされそうなときに、この人を頼ろうと電話を掛ける原作のシーンもよかったのですが、1人で洗濯物を抱えて歩く郁に教官が気づいてくれるアニメの演出もこれはこれで良かったかと。

   さらに、郁の弱点、図書隊勤務を秘密にしている両親のことを聞き出され、密告されてしまうのでした。

   嗚呼、陰湿。

   いきなり乗り込んできた郁ママ、「帰りましょう。こんな仕事やめなさい」って。仕事をなんだと思ってるんですか。ああ、うちの母もです。わたしの帰りが遅いと言って会社に文句を付けた過去を思いだして胃が痛くなりました。
   ママ、郁をひっぱたくし。
   それが驚いたことに、郁もママをひっぱたき返すし。
   「あんた」なんて親のことを呼ぶし!

   ……ちょっとさすがにどうかと思いましたが。
   堂上教官はこの対処も素早かったです。別室にママを引っ張っていって、郁にはパパへ連絡させます。
   「お父さんなら解っていらっしゃる」この前の両親訪問のとき、お願いされてましたもんね、男同士は通じ合っていたみたい。

   駆けつけたパパを前に、衝撃の事実が告げられます。
   「あなたはそうやってまた郁を死なせるつもり!?」

   小さいころ、パパのうっかりで崖から落ちた郁は……
   「ハゲを作ってしまって! 女の子なのに! 3針も縫って!」いや、今は表面何ともなく見えますが。
   そのために、それからママは郁に女の子らしく、女の子らしくとうるさく言うようになったのでした。……兄貴3人というネタは封印された模様。ま、今は描いてられないか。

   やっと両親と和解する糸口をつかめた郁でした。

   寮の業務部のイヤガラセにも
   「あたしが中央に帰る人間だってこと忘れないようにね」といやな笑顔で圧力を掛けます。「茨城の業務部の非協力的行為については報告させてもらうから!」って。この辺、野々宮ちゃんの開眼と、針が逆に振れない健全な関係正常化宣言は胸がすっとしました。

   さて、実際の戦闘は来週。
   あと2回? 3回? これで着地点はどのへんになるのでしょうか?

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