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2008年4月17日 (木)

「よいちのひめ」連載よみものはどこへ

   新学期が始まって一週間経って。うちの虎美は早々と熱を出して欠席1。昨年度の通知表を貰った時にはどっちが学校をよく休んでるかで喧嘩をしたというのに。お兄ちゃんは先に土日にのたうち回ったのでまだ欠席は付いてません。一歩リードね。

   新学期というと、いろんな学年雑誌を購読の皆さんは、新しい学年の雑誌になって、もう新学年号がお手元にあるかと思います。興味をそそられるページはありましたでしょうか?

   ン年前の小学4年生、れんさいよみもののページがあって、「よいちのひめ」というタイトルでした。でも、お姫様は出て来なくって……。

   新学期最初の日、4年1組のみんなを見回して、担任の先生(調べたところによると神成先生だそうな)は、「しょくんら4年生は、5,6年生と1,2年生にはさまれたサンドイッチのぐのようなもんだ」とのたまった。で、「どんなサンドイッチがあるかな?」とみんなに挙手させたと。「カツサンド!」「タマゴサンド!」「ハムサンド!」ううむ、つかみはオッケー。なかなかいい先生です。一通り意見が出たところで、ヒロインのもと子ちゃん(これも情報による)が、
   「ジャムをはさんだジャムサンド!」と一声。
   「え~っ!?」意外や、その意見は却下されるのです。
   「ジャムサンドなんか、サンドイッチのうちに入るかよ!」と、タケシ君(仮名)。体も大きく、おうちが寿司屋でスポーツが得意で、ガキ大将まで行かないけど子分を従えて、ジャイアンぽいから仮名でタケシ君ね。
   「どうして? パンで何かをはさめばみんなサンドイッチだよ? ジャムでもいいし、マグロのおさしみだって、ノリのつくだにもおいしいよ
   「え~~~っ!?」教室内はどん引き(違和感を感じて醒めてしまう様子) 。
   えーっと、神成先生、どうやってその場を収拾したんだったかなあ。
   とりあえず、もと子ちゃんの意見は斬新だと言うことで否定はされなかったと思うの。
   それだけにタケシ君は面白くない。学校の帰りに子分をつかってもと子ちゃんを捕まえて、
   「おまえ、いいかげんなこというなよ、ノリのつくだにのサンドイッチなんか、食べられるもんか」と迫るわけです。
   「いいかげんじゃないよ、ほんとうだよ」もと子ちゃんはユニークな感性を持っていますね。そして、孤立を恐れない芯の強さを持っています。
   「じゃあ、食べてみろ」タケシ君も実証主義ですか。おうちからサンドイッチ用の食パンに、ノリの佃煮からマグロの切り身まで持ち出してきます。
   もと子ちゃんもさるもの、別にいいけど、とノリの佃煮をパンに延ばして挟み、美味しそうに平らげます。うちでよくやるんだ、なんて言いながら。
   「おさしみは、なまはちょっといやだから」と、お醤油をつけて焼き網であぶって、2,3きれもパンの上に並べて、食べちゃった。
   もう、乱暴者の男の子達の圧倒される事ったら。
   タケシ君(仮名)ももと子ちゃんに一目置くことになるのでした。

   もう、心臓バクバクで読みましたね。

   今でこそ、炊飯器にホットケーキの種を流し込んでスイッチオンすればケーキが焼けますとか、プリンに醤油を掛けるとウニの味、なんて恐ろしい食べ方が紹介されてますけど、昭和40年代はまだまだ食についてはチャレンジャーが少なかったと思います。その時に、マグロのあぶりをサンドイッチにする子がいるなんて! 

   なんて革命的なヒロインだろうと思いましたよ。

   で、革命的なもと子ちゃんは、毎月、なんでも一番が最高と思ってるクラスの女の子に困らせられたり、飼育係の6年生のお兄さんになんだかきゅうっとなる気持ちを抱いたり(またそれを本人より先に感づいたタケシ君がもう大車輪なのだ)と山あり谷ありの4年生生活を送るのでした。

   で、タイトルは結局3月号で、もと子ちゃんとなにかにつけ張り合う女の子が喧嘩になって神成先生に「先生はどっちが好きですか!?」と詰め寄ったときに「先生はよいちのひめがすきだよ」と言われちゃうのです。よいちのひめって誰のこと? それは、ねんいちくみの女子のこと、だからみんなだよ、というオチだったのでした(男子はいいのか?)。

   出だしの斬新な登場といい、オチの爽やかな決まりっぷりといい、いつまでも心に残ってる作品なわけですが、もう絶版のようですね(理論社から出てたという本の復刊リクエストというものが検索の最上位に引っかかった。先生やヒロインの名前もそこの紹介文から)。虎ちゃんに読んで欲しかったのになあ。学校図書館にはあるでしょうか。

   小学生のチャレンジ(進研ゼミの教材)にはまだ毎月読み物が載ってるでしょうか(最近見せて貰ってない)。今時のお子さんは、学年雑誌なんか購読なさらないかしら。このお話の続きはどうなるの、とわくわくしながら次号を待つ気持ちは、もう過去のものになってしまったのでしょうか(ト、新聞の連載小説を未だに楽しみにしてるおかあさんでした。読売の朝刊の小説が、思いも寄らぬ泥沼に入りそうで毎日楽しみで)

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コメント

実は私、モーニングの連載小説「モダンタイムス」にはまっております。毎週、先が楽しみでなりません。おかげで「魔王」も買ってしまいました。

投稿: とむ影 | 2008年4月17日 (木) 16時52分

 そうそう。イサカコウタロー、わたくしもあれで初めて読んでみました。よく脱落しますが、時々また読んでみて、これはスゴイ世界だななんて唸ったりして。あんなおとろしい嫁でも守る辺り主人公は偉いなあとか。
 でも、やっぱりモーニングに小説は要らないと思ってますけどね。

投稿: まいね | 2008年4月18日 (金) 22時10分

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