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2008年3月 3日 (月)

「ぼんたん!!」 流行りもの

   近頃都に流行るは「萌え化」なるもの。あの戦国武将が女だったら!? とやや無理な設定を史実にくっつけてイロイロ思いを巡らせて楽しむ趣向。まーホラ噺として楽しいから、悪くはないと思いますよ。

   ちょっと前、毎日新聞でやってました「女信長」、歴史マニアの間では結構な信憑性を言われている上杉謙信。男装の麗人はやっぱりみんなのあこがれですからして。スーパー歌舞伎の三国志ものは、劉備が女の子で関羽とらぶらぶなんでしょう? オタクの専売特許だなんて言わせませんよ♪

   やっぱり男前な肖像画が残ってる人だけでしょ? と思うと甘い甘い。三国志演義の有名武将、あの片眼のかこーとん(夏侯惇)さまでさえ「(主君の)曹操の寝室への出入りも許されていた」とか、「敗戦の責任を感じる余り、自らを縛って鞭も添えて曹操の前に赴いた」とか、「片眼なのがコンプレックスで、鏡に映った自分の姿を見ては鏡をたたき壊していた(当時銅鏡ですけど。怖いわ)」とかの史実ネタから気性の激しい武闘派のお姉様を想像して楽しんでいるひともおられます。いやそんな、その方も信じて毎日を送ってるんじゃなくて、話のネタとしてそういう話題てもりあがってたのを目撃しただけですが。

   で、知名度としては夏侯惇さまに勝る片眼の武将、伊達政宗を女の子と見るとどうかというと……。「姫武将政宗伝 ぼんたん」阿部川キネコ。

   

可愛かったです。

   奥州米沢は伊達家の(美)萩姫は、見目麗しく才長けて~♪ な腕白姫。おっとり親バカなパパ上と、美人で剛胆なママ上、同じく美人で大物な傅役の喜多ちゃんに囲まれてのびのび育っておりました。ところが、史実どおり、姫の5才の時、当時(今もだよ)致死率の高い天然痘に罹患、命は取り留めますが毒が目に入り、右目を失明。

   ここで娘かわいさの余り輝宗パパ錯乱、「この子を男子として育てる!」と宣言。
   「体が弱いので鬼から隠すため女子として育てていた」、けど男の子のシンボルは「疱瘡の毒でもげた」ことにして嫡男梵天丸として披露、以後、イトコの時宗丸を遊び相手、喜多の異父弟小十郎を傅役、虎哉禅師を師として鉄壁の布陣でたくましく育てることにしたのでした。
   その辺をいけしゃあしゃあと実家の最上家で語る母義姫がもう大胆ステキ。そして、子どもだからそれなりにごまかされてその通り(その言い訳で彼は梵天丸を男子と思ってる)最上から派遣されたおこちゃまくのいちに語っちゃう時宗丸もかあいいっ!

   れーせーに突っ込めば、ホントの梵天丸は頭はいいものの、神経質で扱いにくい子だったんじゃなかったかしら。そんな、書き下ろし4コマで「萩姫を男子として育てる」との宣言に、裾をからげてどたどた駆け回り、つまみ食いなんかもやっちゃうやんちゃ姫ぶりを思いだした喜多が「ありがたいお話です」と真顔で断言しちゃったりするようなことはありえない! んだけど。ま、女の身で片眼を失って(って、この人の場合ただ見えなくなったのではなく、見る人がビビルような様になっちゃってたらしいし)、嘆いて暮らすより男子としてその知性や統率力を活かして自由に育て、という考え方はまあ悪くはないか。これが神経質でひ弱でままごと好きの女の子だったらいくらパパでもそんなこと思いも寄らないでしょう。適性よね。でも、パパ上、大名の子として、「結婚して跡継ぎを残す」ことについては何も考えてないでしょ~~~~っ!

   さらに細かいことを言えば、これだけ考証して美麗に描いてくれてるのに、なんで女性のお着物がおはしょり取ってお太鼓帯なんだよう!? そんなぶっとい帯、戦国時代は締めてないって!

   それ以外については、男である歴史上の人物を女の子とする設定、また、その女の子が男装せざるをえない事情、その男装の麗人ヒロインが巻き起こす事件、どれも史実(実在の人)のからめ具合といい、考証他時代の雰囲気の描き方といい、非常に良くできた時代コミックと見ました。

   キャラがそれぞれ堪りません。岩下志麻をホーフツとさせるママ上といい、往年の名大河ドラマ「独眼竜政宗」のネタもさりげに入っていて(虎哉和尚の寺で不動明王を見た後「梵天丸もかくありたい」と往年の名台詞を言ってみるとか)大きいおともだちが読んでも楽しめます。
   まじめ一方で時にからかわれてしまう小十郎もよし、「梵天に勝ったら切腹させられる!」と怯えつつ相手をする時宗丸(のちの伊達成実)もかわいいし、「虎哉和尚のお寺でお泊まり会!(笑)」の時に対諜報戦要員として増員された左馬助(8才!)は女たらし(だがデキル!)だし。

   これはほんとお勧めだわ!

   それで輝宗どの(いやさ作者)、嫁取りはどうするのよ?
   この政宗で、このパパで、人取橋はどうするの!?(パパが誘拐される)
   いやあ、楽しみ。

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コメント

なにこの上から目線な感想。
これが厨婦ってやつか。

投稿: aaa | 2008年3月 4日 (火) 21時35分

 う~ん、厨婦ってなんでしょう???
 いろんな言葉が流行るなあ。

投稿: まいね | 2008年3月 4日 (火) 23時08分

初めまして!
自分もぼんたん大好きです。
着物の話など読んでて若干感じた違和感は帯の太さなのですね~その知識も含めて楽しく読ませていただきました。
書かれている感想には私もかなり同意です。
嫁とりは今後の展開においてやっぱり一番気になるところですよね。続きがとても楽しみです。

投稿: 那雪 | 2008年3月20日 (木) 21時35分

 那雪さんいらっしゃい。もうわたし、2巻の発売を指折り数えて待っちゃってます。
 どうかしら、当分はおこちゃまくのいちがヒロインで、嫁取りまでは行かないかしら? それとも、史実通り超豪華おままごとセットで可愛い夫婦になるのでしょうか。産まれたばっかの時からめんこいからめご(愛)姫って、もう楽しみで楽しみで。

投稿: まいね | 2008年3月21日 (金) 11時45分

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