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2008年3月11日 (火)

「篤姫」 10 薩摩1号 出発!?

   嗚呼、今週もまた初っぱなから意味不明なお姫様教育です。

   お椀に浮かせた大豆をお箸で摘むんですって。
   そんなことさせられるおかつちゃん改め篤姫のお箸使いって、そんなにヘンだったわけ? でも、食べ終わった篤姫ちゃんのお箸をチェックして、「最低でも3センチ、できれば1.5センチしか濡らさないのが目標」って、そういえば、「美味しんぼ」でも、お箸使いの理想として話題に上ってましたが、そんなことできる人、いたんですね。
   お芋とか、南瓜の煮付けをね、こう、食べやすいようお箸でバッキリ割ったらそれだけで、お芋の直径分汚れませんか? そういう、大きなお芋が出ない階級の人限定じゃないかな? ま、篤姫さまはこれからそういう階級になるんですが。

   で、篤姫御台所化計画を明かされ、進捗のほどを問われた幾島、「本人に自覚がないから腰が据わってない」箸にも棒にも、と言っちゃうわけです。「姫さまは赤子!」のくだりなんか、わたしだったらぶん殴ってますね、このワガママ娘。
   「この際、御台所になるんだよって言っちゃえば?」と。でも、それは一応却下されました。

   お習字の稽古の時も、受けを狙ったのかまた目蓋に目を書いて見せて。
   そ れ が 1 8 に も な っ た 姫 君 の す る こ と か。黙殺した幾島の気持ちも分かります。

   お琴をやらせても適当、鼓を打たせても、へろい音しか出せない。あんたは今和泉でなにを習ってきたんですか。なんか、あの立派なママ上のことを心中幾島が軽蔑したんじゃないかと人ごとながら切なくなりましたです。ただ書物が好きなだけの猿じゃん。もっと、なんでもできるご立派な姫君だと思ってました。ちょっと開明的なだけで。

   

篤姫さまの偉大さがわたくしのなかでどんどん減衰していきますです。

   旦那様は「娯楽なんだから、楽しまなくちゃ」と仰せですが。
   楽しめないよう。これは大河なんですもん。 「新選組!」だって外してましたが、大切な筋は外してなかったと思うなあ(いや、それはどうだろう?)。

   業を煮やした幾島の直訴で、高橋パパが直々に篤姫のもとを訪れ、御台所化計画について伝えることになりますが。

   ここんとこまた要チェック!

   篤姫自室では、あるじは篤姫なので、床の間の前のいい席は篤姫が座ります。当然。ここへパパ上がいらっしゃると、パパ上の方が目上なので、篤姫は座を滑り(さっと立ってよける意味)、パパ上を上座に座らせるんじゃなかったかなあ?

   

上座に座ったまま、膝詰めでパパ上の話をのんびり聞く姿にすごく違和感を感じました。そういう、時代を感じさせる所作が抜けてるような。これは現代劇じゃないのよ、身分とか、生まれとかがとっても大切な世界なの、という約束事を抜かされると、正しく味わえないような。

   ま、例によって余計な突っ込みなんでしょう。なんか最近わたしも腰砕けかも。笛吹けけど踊らずっていうか。2ちゃんの大河スレッドで史実に厳しい人がいちいち怒ってるのを「そこまで言うなら見るなよ」と苦々しく思ってたのが、自分がそう思われる立場になってると思い至るともうどうしていいんだか。やっぱり見ないのが正しいのかな。

   で、「徳川総家に嫁ぐ」って言われても、感じがつかめない篤姫。「徳川将軍家のことだよ」などと説明されて、やっと腑に落ちた様子。
   歴史が好きなら、
   「将軍家の御台所なら宮家か公卿の姫しかなれないはずではございませんか!」ぐらい言ってほしかったけど、11代将軍のご正室(御台所)に既に島津の茂姫が入った実績があったそうで(わたしも知りませんでした。全く不明を恥じます)。じゃあさ、篤姫が養女に入った時点で
   「これは茂姫様のことがありますから、将軍家に嫁ぐことだってあり得ます!」ぐらい伏線張っておいてくれなくちゃ。ホントに、今の今まで、ただ愛玩用に貰われていった感じで、政略結婚の可能性すら全然出してなかったですから。
   おかしいよ。

   尚五郎ちゃんサイドで、「手の届かない女性になる」ぐらいのことは言ってましたけどね。

   でも、「やった! わたし将軍様の奥方になれるのね!」ととたんにご機嫌になったりしなくってよかった。とりあえず、そういう玉の輿願望の姫ではないもんな。「日本一の男」というキーワードをまた出してこなかったのはちょっと不満だけど。なんのためのサブタイトルだったんだろう? おかつ(当時)としてはその場の勢いで、尚五郎ちゃんの心にだけ残った台詞ってことだったんでしょうか。あんまりだ、おかつ(当時)。

   しかし、徳川300年で、変則にしても、御台所を出すだけの財力と家格と勢力を保ち得た外様が島津だけってのは寂しいな。前田家とか伊達家とかはどうしてたんだろう? お家騒動はお互い経験したのに。やっぱり琉球があって細々とでも外の世界を知っていて、財政基盤がしっかりしてたのが良かったのかな。

   で、おかしいついでに、話の大きさに虚脱して「母上に逢いたい」とか言い出してまた怒られる篤姫にがっかり。ま、とまどうのも無理はないとか言われてましたが、夜にお城を抜け出そうとするなんて、おばかすぎるでしょう。お城はあんたんちと違います。抜け出せたって、いくらなんでも、夜にご城下を徘徊できるわけもなく(あ、治安は良かったんだっけ)。
   ここで、「親子固めの杯を干したからにはあなたのおかあさんは江戸の英姫」と出ました。そうそう、藩主の正室は江戸で人質になってるのが常識でした。こんなことも忘れてるなんて! 対面ができるわけないんだった。わたしもこの番組プロデューサーのこと言えないわ。お恥ずかしい。

   またしても沈む篤姫、
   「お父上にわたくしと碁を打っていただきたい」って。今度は碁を口実に尚五郎ちゃんを呼びだして愚痴る気かと一瞬とっても心配しました。
   碁にことよせて二人きりになりたいということかと思えば、
   「ウソを仰せになれば打ち筋が乱れます」ってことで、ウソ発見器代わりということでした。なぜ自分が大奥にはいるのか、将軍はどういうひとなのかイロイロ尋ねてました。
   「篤姫を御台所にすることによってご政道に加わりたい」とか本音を言ってましたね。
   幕藩体制は、石高の低い譜代大名による集団指導体制。旧敵である外様大名は、権威と財力はあっても政治にタッチできないことになってました。国の一大事に、それをひっくり返し、真に国を憂えていて時代の分かる自分が幕府を切り回したい、それは恐るべき野望とも言えますし、英邁な改革とも言えます……。

   さて、駒としてでなく、自ら望んで御台所となる決意をした篤姫、とうとう上り特急薩摩一号、鶴丸城駅を発車です……?

   それがさ、ゴールで迎えるダーリンが、
   「黒船に乗り込んでクルーと酒盛りして寝入ったところを皆殺し」なんて案を「名案じゃ」なんて言ってるバカとのなんだなあ。

   

前途多難

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コメント

日本一の男という言葉はこの先ドラマの中で
尚五郎の口からまたでてきますので
ご安心を・・・
この脚本にまんまとはまって心を
動かされているようにお見受けしますが・・
最初から共感できるだけの主人公がお望みなのでしょうか?
なんでもでき、なんでも知っている生まれつき立派な人が立派に生きるだけではお話にはならないような気もします。

投稿: ゆう | 2008年3月11日 (火) 09時55分

箸で豆のつまめない姫ってちょっと想像できないです.タイガじゃなくてマンガだと思って見ていれば,それなりに楽しめます.

投稿: 三ねんせい | 2008年3月11日 (火) 10時30分

 ううむ、脚本家の掌の上でころころ転がされておるのですかしら。
 先週申しましたとおり、ここでのお姫様教育は、再調整、左側通行を右側通行に直す程度のものであるとわたしは認識したのです。今週で言うなら、お箸を1.5センチしか濡らさないレヴェルを目指すとかね。その辺を、姫様はこの先レヴェルの高い嫁ぎ先を想定していますから云々と、そこまで言わないまでも、いじめじゃないのよ、目的あってのことで、こういう筋の再教育と言ってくれれば、アタマのいい人なら納得してその修正ポイントを飲み込んで努力してくれるものと思い、そういう見せ方ならこっちも納得すると思います。そしたら、篤姫の今和泉での教育に疑念を抱かれることもないのでは?
 しかしひとつひとつの挙措をあげつらわれて直されると、今までの自分が否定されるような悲しさ、おぼつかなさが身に迫ってもらえると思うんですけど。
 じっさい篤姫の感じたのはそういう辛さであったとわたしは思います。

 それが、ある程度躾けも固まった年頃の姫様にアタマっからビシビシやるなんて、ハートマン軍曹じゃあるまいし、個人というものをすりつぶすための特訓のように思われます。だから篤姫も反発してたんじゃないの? 反発するのは解りますが、それは「お姫様」教育じゃないと思うなあ。
 
 篤姫という方はご立派なしっかりした方であったでしょうし、それでも激動の時代で思わぬご苦労をなさったことでしょう。生涯のうちで少しも成長がなかったということもありますまい。しかしながら、それを物語にしていくにあたって、大きく成長したということをお見せするために出発点を低く設定するというのもどうでしょう?
 また、その苦難の描き方があまりにも下世話なんじゃないかなということです。
 この先の和宮ご降嫁の前後の大奥の争いについても「嫁姑バトル」とか書いているところもあって、あんまりにも物事をカンタンに下品にしすぎと哀しくなります。
 「パパ上」なんて書いてる人間の言うことじゃないですけど。

投稿: まいね | 2008年3月11日 (火) 12時34分

みんな、あっちゃんをそんなにいじめちゃだめだ!(^_^;) まいねさんなんか、コメント欄でも長く書きやがって。
『じっさい篤姫の感じたのはそういう辛さであったとわたしは思います。』
『大きく成長したということをお見せするために出発点を低く設定するというのもどうでしょう?』
なんだ、わかってるじゃない。これエントリ本文に書いてくださいよ。
一種、精神的に追いつめられた発露だと思います、特に『瞼に墨目』は。
昔は今の同年代よりよっぽど大人だなんて言われますが、みんな、結婚して、夫や妻の場を与えられて成長していくんだと思いますよ。それにしても十代後半の良家の子女だったらもう少し品性があるだろう、とも思わないわけではないですが。それは、先進的な女性の裏返し、そこを島津のお殿様は認めたわけだし、で、今和泉パパは、あの娘を嫁にもらってくれるとこなどあるのだろうか、と悩んでいたわけです。
出発点が低い、というのは同感です。それを書こうと思っていた( ̄▽ ̄;)。

投稿: アマサイ@科学の星 | 2008年3月12日 (水) 16時22分

 アマサイちゃんそんなに怒っちゃやーよ。
 でも、おかげさまで、そうじゃないぞ、わたしの言いたいのはこうだ、いやしかし……とぐるぐる考えて、よりドラマの理解が深まった気がします。うん。ホントおかげさまです。
 わたくしもおかつちゃんと一緒に1年激動の時代を経験して進化できそう。

投稿: まいね | 2008年3月13日 (木) 02時17分

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