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2008年2月 5日 (火)

「篤姫」 5 日本一!

   藩主様とのご対面を済ませてご機嫌なおかつちゃんですが。

   もう年も17だし、結構可愛いので、早速縁談が参ります。これがまた痛し痒し。
   えーと、家格としては同じぐらい。同じ島津の分家、れいのお由羅が産んだ忠教様が分家の重富家に養子にやられたところで作った息子の右近殿だそうです。簡単に言うと、高橋斉彬様の甥だな。なんだ、こんな大きな息子のいるオッサンだったのか。
   この辺がお殿様の家系図の難しいところで。公式の、ここんちの正式な跡取りはコレ、これの息子はコレ、という図と、ここんちの側室に産ませた3番目の息子が遠縁のナントカ家に婿入りしていて……という図がもう別もので、名字も違うナントカさんちの若様とうちの殿とが血のつながりで言うと実は3親等……なんてことがざらにあるんだ。れいの、寛政の改革の白河藩主、松平定信なんてどこの馬のボーンかと思ってたら由緒正しい(?)暴れん坊将軍の孫だったりします。

   藩主の甥の嫁なんて玉の輿! って喜ぶべきかって言うと、あに図らんやそうではなくて。忠教様のうちに嫁に出すってことは、お由羅派に近寄ったってことにも見えるんですね。嫁取りは好いたはれたではなくて高度な政治的行為なので、中間管理職なパパ上は悩みます。
   おかつちゃんも、斉彬様に日本碍子貰って喜んでる場合じゃありません。ガイシ(電柱とかについてる絶縁用の磁器パーツ)貰ってどうする。外史です。頼山陽著の歴史書。「歴史書読んでるんです」なんて言っちゃったから、プレゼント。やっぱ、明君はプレゼントも気が利いてる。女性だから花贈っとけみたいなのじゃダメですよ。そのひとのホントに喜ぶものをピンポイントであげなくちゃ。これからプレゼントシーズンですから、お心に留めておかれてね(またお節介な)。

   噂は薩摩を駆けめぐる♪
   おかつちゃんが尚五郎ちゃんとデートしていた茶屋で、今日はもやしにいちゃんと尚五郎ちゃんが密談です。おかつちゃんに縁談という情報に、惑乱の尚五郎ちゃん。もやしにいちゃんは解ってません(まあそんなもんだ)。誰に相談したものか、大久保くんちに行ってみると、西郷くんが嫁取りをすると言って下々の彼たちは盛り上がってます。
   「おかつ殿にも縁談が……」と漏らしてしまって、おかつちゃんに惚れてることを認めさせられる尚五郎ちゃん。おかつファンの彼らに焚きつけられて、尚五郎ちゃんはどんどん盛り上がっていきます……けど、ヘタレだからまだ行動には出ません。分家といえども島津家のおかつちゃんと一所持ちという上級藩士の尚五郎ちゃんは、ま、一階層ぶんとはいえ「身分が違う」のだそうです。一階層ぐらい、情熱とか根回しとかで越えろよ、ヘタレ
   一緒に囲碁を打ってても上の空。「そこでいいの?」と聞かれれば「あ、やめます」と訂正(それってアリなワケ?)、また「そういうコトするからだめなんでしょアンタは!」と、容赦なく突っ込まれる。おかつ、お前その性格直せよ……。尚五郎ちゃんが可哀相。なんでこんなのがいいんだよ。
   まあ、でも、刷り込みだな。こんな、他にいない強烈な姫様に見込まれていろいろ付き合わされたら、他の女人は目に入らないでしょう、確かに。

   で、丁度ジョン万次郎が来ているというので話を聞いてみると、アメリカじゃ女性は大切にされて、結婚も親とか家の意向じゃなく、本人の意志でできるらしい(いや、今はもうそんなんじゃないですから。昔だって、プレジデントを出すようなうちはやっぱり親がいろいろ差配してたと思うよ、アメリカもそんな理想の国じゃないって)。それを聞いて若い二人はイロイロ考えるんだけど……。

   で、噂は本人の耳にも届いてて。
   「本人ちょっと見に行くからあんたついてきて」おかつ! こら! この無神経女!
   イロイロ抵抗しながら結局泣きそうな気持ちでやっぱりついてく尚五郎ちゃんでした。そして、弓の稽古をしている噂の右近殿を透き見して(立場が逆だろうがよ)、「いいカンジ。あの人なら、ま、好きになれそう」とご機嫌に見えるおかつ。尚五郎の傷心いかばかりか……。ここでおかあさんの妄想お女中小菊ちゃんに「姫様のひとでなし!」とか突っ込んで欲しいけど、まあ、脳内だけにしときましょう。
   別れ間際、意を決して尚五郎は尋ねます。いったいどういうひとがタイプなわけ? それに対する答えが今週のサブタイトル「日本一の男がいい!」、それでも、「わたしがそう思えれば」と、主観的なものだと断ってる辺りがまたずるいかも。日本一の男になれるか? 尚五郎ちゃんの悩みはいよいよ深くなります。おかつもさ、自分がその日本一の男の妻としてふさわしい女であるかは自省しないんでしょうか? それとも、その辺が奢りの春(与謝野晶子が黒髪がどうとか言ってた、ある程度才能ある年頃の女の子の自己愛)のゆえんなんでしょうか。

   これもまたくさい伏線だよな。権威で言ったら将軍様は日本一だよ、そりゃ。間接的にはかなう訳よね、この望み。あまりにも実のない日本一だけど。わたしはイヤです。将軍家御台所、つまりファーストレディでも、薩摩藩が実家として金に糸目を付けないバックアップをしてくれても、ダーリンがあんなヘタレじゃ(堺雅人さんという要素は考えないことにして)。

   個々人がそれぞれに悩む今和泉島津家ですが、とうとうお殿様から呼び出しがありました。正式に婚儀の話が出ると武者震いのパパ上、そこへ腹をくくった尚五郎ちゃんが来訪!
   「おかつ殿を妻にください!」ちゃんと言えました。偉いぞ。日本一の男になれるか、イロイロ考えたけど、無理っぽいけど、とりあえず、なると心に誓って努力する、それが大事だと悟ることができたので来ましたって、ヘタレなりに向上心ありますね、尚五郎ちゃんは。なんでも、先頭を切ってできる頭の良さ、器用さだけが男の器量じゃない。負けて、何度も踏みつけられつつもそれを見つめて自分を成長させられる、そういうタイプの優秀な人間というのはいるんですね。そして、もしかしたらそういうタイプの方が、大きな物事を成し遂げるのかも。わたくし、尚五郎ちゃんが大きくなってどんな偉人になるのか存じません。楽しみに見させて貰うことにします。

   それを喜色満面で受けるパパ上。あのおかつをそこまで見込んでくれるひとがいた! という父としての喜びじゃなくて、厄介な縁談を断る口実ができたという政治家としての安堵であったのでした。パパ上、男の風下1万マイル決定。

   で、ご機嫌で高橋斉彬様の前に出て、せっかくのお言葉を遮って「縁談なら辞退します」って。こらこら、目上のひとの話を遮るんじゃありません。
   「縁談と言えば縁談だけど……解ってて言ってる?」
   「だから重富島津家の右近殿との縁組みでしょ?」
   「違う! わしの養女にもらいたいの!」

   歴史書スキーがここまで効いたとは。

   おかつちゃん女の道ここで特急列車に乗り換えです。藩主の姫となると縁組みは一所持ち(尚五郎ちゃんち)レヴェルどころか、公家、大名家、御家老衆のレヴェルに上がります。新横浜や小田原にはもう止まりません。もう、東京出たら次は名古屋、新大阪(のぞみかよ!)。本人が知らないうちにおかつちゃんの人生は大きく変っていくのでした。

   待て! 次週!

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コメント

「8時からおかあさんは『おかつ』見るから」
「ナニソレ?」
「『篤姫』。おかつちゃんは出世プリンセスだから順々に名前が変わる。今はおかつで、お殿様のうちに貰われていってナントカ姫になって、お公家さんちの子になってナントカ子になって、将軍様のお嫁さんになって篤姫になって、未亡人になってテンショーインになって上がり」
「……それはハマチがブリになる出世魚の『出世』?」
「そういうことよ」

投稿: まいね | 2008年2月 5日 (火) 00時34分

「尚五郎のプロポーズ」、「殿の側室でもいいのではないかというおとっつあんの戯れ言」、「日本一の男に嫁ぐとの姫の決意」うまくリンクして「儂の養女にじゃ」に帰結するんですねえ。どこまでが史実が知りませぬが、ドラマティックな話が満載で、益々『篤姫』を好きになったですhappy01。尚五郎くんは、おかつ様にふさわしい男になるというのが人生の目的となるんですなあ。いじらしい。

さてさて次回はいかに。まいねレポートにも期待しておりますhappy02

投稿: アマサイ@科学の星 | 2008年2月 7日 (木) 09時59分

 アマサイちゃん恐れ入ります。そうそう。「この際殿の側室に」なんてパパ上のボーゲンがありましたね。でもママ上は、「家格は下でも正室として嫁がせてやりたい」って言ってて、しみじみと愛情を感じました。末っ子だし、一応一人っきりの女の子だし。
 ま、どうせ政略結婚なら、ふつーの奥方になるよりおかつちゃんの利発さや知的好奇心が発揮できる筋へ、戸籍上の身分がどうあろうと採用して貰った方がいい気もしますが。今の感覚で言うと、え~正妻じゃなきゃ可哀相! とか、子ども産めないの? とか思っちゃうけど。たとえば大奥のキャリア系お女中ね。
 大奥はキャリア系とからだで勝負系にハッキリ分かれておって、キャリア系はもう外の男どころか将軍様もお触り禁止、一生キレイなマンマ奥の采配をとって出世して行くらしいです。上の方だともう老中クラスの収入があったとか。それはそれでいいかも知れん。下世話な妄想の入る余地なし。
 ……ああ、実質そんなもんか(ネタバレ)。

投稿: まいね | 2008年2月 7日 (木) 12時37分

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