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2007年12月13日 (木)

今週の「かぶく者」 誰かさんと誰かさんがナシバタケ

   ってここへ来ていきなり。ちょっと遠回り注意報ぐらいで。

   モーニングでやっている「かぶく者」、歌舞伎の世界を梨園っていうそうですが(その昔玄宗皇帝が宮殿のお庭に梨を植えて、その辺でお芝居をさせたって故事にちなんでいるそうで。わたしも知りませんでした。皆さん、ここで覚えて帰ってください。間違って「海老様って梨農家のお坊ちゃまなんだって~」なんて言うと後々までネタにされます)その梨畑のお話。もう主役をやるようなひとは代々この仕事に就いてきたナントカ家の御曹司、千秋やのだめがピアノを始めたような頃から日舞やら仕込まれて、幼稚園の頃にはもう子役で初舞台を踏んでるようなエリートなんだそうで。そのへんのサラリーマンの子どもが高校出て門を叩いても、簡単に舞台に載せてはくれないんだそうな。
   まあ、閉鎖的ね!

   そのインシューの世界に飛び込んだ主人公市坂新九郎は、親友の某君(ゴメン!)とストリート歌舞伎をやって腕を磨いておりました。歌舞伎の一場面を、ちゃんと衣装を着けて、ふつうの路上で通行人に演じてみせてたんですよ。そりゃ、無理があるだろうよ、と思いはしましたが、なかなか作中のギャルたちには受けてました。台詞とか、分かんないなりに「なんか、妬いてるっぽい」「色っぽくね?」「あたしもこうされたいかも」って。
   で、ライヴァルキャラが逆にナントカ家の御曹司の仲村宗太郎。スパルタな親父に仕込まれて、努力でその地位をキープしてきたガラスの仮面でいうところの「姫川亜弓」ね。それが、ちょっとアイドルとの三角関係未満のトラブルがあってライヴァル関係になります。

   このへんがなんだか乗り切れず人気が低迷して、実はこの新九郎が江戸時代のあの「絵島生島事件」の、大奥のキャリア系お女中絵島ちゃんをたぶらかして門限破りをさせたという伝説の美男俳優生島ナントカの子孫? とタイムスリップまでしててこ入れを図ったと。

   ところが意味不明であえなく失敗。インシューのナシバタケに無名の天才が挑む話だったのに、結局伝説の俳優の子孫じゃだめじゃんって突っ込まれてましたよ。でまた現代に戻ってきて。

   さらに板東玉三郎をイメージしたと思われる天才女形芳沢恋四郎が新九郎に目をつけて抜擢するというコクーン歌舞伎篇に突入しておるのであります。今ここ。

   コクーン篇に入ってからは結構面白いです。恋四郎は解説キャラで、二人の演技のここのところがダメ、ここがこうできるから天才、と細かくモノローグで説明してくれる上、今まで「こいつ、スゴイ」と言われるばっかりだった新九郎を遠慮なく「それじゃダメ」と鞭をびしばしふるったり「天才過ぎて稽古が足りないからだめよ」とばかり斬り捨てたりするので小気味いいのです。

   で、同様に正式の相手役(振られて逆上する主役の方、新九郎はヒロインの彼である悪? 役)である宗太郎はもうちょっと苦労してねとばかりコケにされて千尋の谷に蹴落とされております。可哀相だけど、ここを乗り切ると一段階成長できそうよ。

   前置き終わり。で、珍しく、外の世界から入って今や大物の女形、「恋さま」といって女性客が熱狂するようなスタアとなった恋四郎さん、本番、初日の舞台で仕掛けてくるのです。宗太郎さんには「そのメーキャップやめてよ。わたしの相手役なのにブ男はイヤ!」とわがまま。あのーこれ、ブサメンが切れるところが見せ場の話なんじゃ? でも、「ご見物(観客)の気はわたしに向けたまま」とかいって、注目を引きつけて、宗太郎さんの見せ場のシーンの邪魔をする、する。宗太郎さんはもう再起不能直前

   宗太郎が八つ当たりで新九郎をぶん殴り、本番直前に顔に傷がついたり、その付き人が新九郎の衣装をずたずたにするという古典的嫌がらせに出ても、新九郎は涼しい顔して「じゃ、こう変えよう」とばかりに乗り越えちゃう。舞台の上で、アドリブで渡り合ったり。大物です。

   さて今週。その恋四郎さんとの絡みのシーンで、またしても「主役はわたし」な試練を課してくる恋四郎さんに、しぜ~んにその恋四郎さんに惚れてるオーラを出し、ご見物と同じ気持ちを向けた新九郎さん。受ける恋四郎さんとしては、

   

ぶちゅぅーっと。

   ディープなキスを交わして見せたわけだ。

   ご見物の熱狂することと言ったら。

   わたしは引きましたけれども。あんたらヤロー同士でしょうが。

   その昔の、タカラヅカを想定した女子演劇学校での女の子のスターへの出世物語の漫画がありまして(「ライジング」原作は氷室冴子)、その中で女性だけのミュージカル劇団において、「ヒーローとヒロインは本当にキスしてるの?」という読者からの質問があって
   「! してませんです。角度でそう見せてるだけ」って原作者の回答があったんですが。

   歌舞伎もそんなんしないだろうがよ。
   ま、ハプニングだったんでしょう。リアルに見た人だけのお土産。そんで、話題提供。そこまで考えての恋四郎さんのばくちですかね。したたかです。ここで新九郎の「天才」を認めて以後引き立ててくれるのでしょうか、そううまくいくかな?

   ホント、上手く持ち直して、毎回楽しみな作品になってきましたことよ。

   「○○のおじさん」「×之助兄さん」と呼び合う血の濃い世界観といい、「ご見物」とか「拵え」というテクニカルタームといい、知らない世界をかいま見ることが出来るのがいいです。

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コメント

バガボンドのほうが好きだな~
かぶく者つまんない、バカボンドのぱくりみたい ごめんなさいね別に悪気はないのよ!

投稿: sasaki | 2007年12月13日 (木) 23時29分

確かに恋四郎さんがでてきてから、おもしろくなってきたかも。
「かぶく者」ってタイトルなってるんだし、口吸いぐらいやってもらわないと。


投稿: とむ影 | 2007年12月14日 (金) 17時51分

 と、とむ影さんそんなさらっと(^_^;)
 そういえば、ストリート時代も相方の京助(今週名前出てましたわ)とそこまでやってたかもとふと思い至りました。
 体張ってるな、かぶき役者。

投稿: まいね | 2007年12月16日 (日) 11時27分

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