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2007年12月20日 (木)

「風林火山」兵どもが夢のあと

   終わっちゃいましたね。いや、近年まれに見る骨太で腹黒い大でした。途中、ついて行けなくなったり。でも、なんとか最後まで見る気力が続いたな。

   

平蔵があんなに最後まで絡むと思いませんでした。
   でも、おヒサちゃんと所帯を持ったあたりから、これは最後まで武田に滅ぼされる側の目線として残すつもりかなという気もしてきたんですけど。なんか、長野の方じゃあるんですって? 「今年武田信玄が大河だから盛り上がってるでしょう?」と水を向けると「うちは攻め滅ぼされた側なんで、たいして」って地方が。やっぱ、時代が複雑になってきてますから、主役エライ! 地元の偉人! って視線だけじゃやっていけないみたいよ。

   地元がやっているHPで、第4次川中島の合戦の実際の進行を地図上で動画で再現(人物の顔とかはなく、旗指物が動く様子で軍の移動、展開を表現)してくれるところが2ちゃんねるで紹介されてました。早速行って予習しておいたのですが、これが良かったかな。戦いの進行がよく解りました。キツツキの法って、あれだ、トコロテン式。サイジョ山に立てこもる謙信を後ろから追い立てて、出口に殺到させ、そこに前もって配しておいた兵で討ち取るってやつ。ところが、謙信はその突き棒部隊が来る前にその作戦を察して先にお山を降りちゃった。準備が整わない待ち伏せ部隊をぶっちぎって謙信軍は川中島へ突入。折悪しくそこには霧が立ちこめていて、もう大混乱の中渦巻き陣形(車懸かりの陣だって)にまとめた上杉軍と鶴翼の陣(頼むからカクヨクの陣ぐらい変換して>ATOK:鳥が翼を広げたような陣形。王道です)の武田軍がなんとぶつかってしまった! というまれに見る大規模戦闘なんだそうで。もう、どっちも死にまくり。
   常識的なうさちゃんは、謙信には「そろそろ撤退を考えて」と進言、出会った勘助にも「無駄な戦死者を出すな。ここはもう停戦にしよう」と言うんだけど、どっちも聞かない。あっちもこっちも斬り合いで。ま、もったいないと言えばもったいないな。
   事前でどっかから「クライマックスの一騎打ちシーンは、普通カットを分けて撮影するところをずっとカットなしの1場面として撮る『長回し』というものでやった」というのを聞いてまして。それぐらいGacktさんが気合いが入ってたというのと、スタッフと市川亀治郎丈がそれに応えようと思ってくれたというのもなかなかいい話と思いました。

   で、噂の一騎打ちシーンを待ってたわけですが。
   意外に早かったな。
   残り5分ぐらいに来るかと思った。って、水戸黄門じゃあるまいし。
   意外にさあっと流れてました。もっと、なんというか丁々発止があるかと思ってた。がつん、がつん、がつん、と3度ばかり切りかかって、終わり。後ろから迫った武田勢の放った矢が謙信のお馬さんのお尻(?)に刺さって、お馬さんが驚いて駆けだしておしまい。
   なんだ、こんだけか。

   そんで主役の勘助ちゃんはふつーに戦場で切り結んでおったのでした。そこで出会うのが平蔵。で、もはや死を悟った勘助、例の摩利支天の掛け守りをかざし、
   「俺の首を取れ!」と呼びかけます。ああ、初期の実家のにーちゃんも、同じような台詞を言ってたような気がします。と、こっちがそういう回想に入ってるのを待つかのように、二人、戦場で固まって。やっぱり、ぬるい平蔵のことだから「やっぱりできねえだ!」となるかと思えば、後ろからの流れ矢で平蔵の方が倒れちゃいました。あ~あ。やっぱり、戦に出る前にいろいろ家族と名残を惜しむシーンがあったから、戦死するという伏線だったのかなあ。
   なんだかんだあって、とうとう勘助ちゃんも討たれ、これで終わりかと思えば、伝兵衛が勘助ちゃんを探しに来て、泣きながら亡骸を負ぶって帰れば、「旦那様の首を取り返しました!」と男泣きで寄ってくる従者有り。おや、引っ張りますね。お館をはじめ、武田勢が本陣を飛び出して出迎えに行き、「首と胴くっつけてやれよ」って、そんなシーンをお茶の間に流すか!? って、映しませんでしたけど。そうなってる状態の遺骸を見下ろしてる武田勢だけを撮ってます。
   「勝ちどきを上げるぞ」って、味方の軍師の死体を見下ろして「えいえいおう」って、なんか死んでうれしいみたいじゃないの。ここんとこもちょっと何とかならなかったでしょうか。

   そして、留守宅、子どもにご飯を食べさせておいて、自分は平蔵が帰ってきてからいっしょに食べる、と食べないおヒサ。そんな、平蔵は帰ってこないんだよ、と泣きそうな気持ちになっていると、陽も落ちかかる川中島を、ハリネズミのようになりながら、なにやらつぶやきつつうごめくものがあります。平蔵です。執念で、ヒサや子どもたちの待つ家に帰ろうとしておるのです。しかし、力尽きます。遠くで落ち武者の武器やらを漁っておった老婆が気づきます……。
   ここが悩ましい。
   落ち武者狩りに遭って、あわれ命を落とす、と見るか、
   いかにも百姓臭いルックスでああ、動員された農民ね、じゃ、お互い様だ、とばかりに命を助けて貰って、時間はかかるにせよおうちに帰れたと見るか。

   史実とか冷静に考えると前者なんですけど、制作者としてはここは後者と思って欲しいのかな?

   

下々の視線から、結構ご迷惑な戦国時代を捉えてあった作品ですよね。
   殿は殿でイロイロあってお悩みなのかも知れないけど、取ったり取られたりする土地に住んでる人間は迷惑してるんだよってのがアリアリで。おみっちゃん、平蔵、ま、伝兵衛はうまく世渡りした方だけど、みるちゃん、トラオー、そしてもちろん由布姫。みんな運命を狂わせられて大変だった人たちでした。勘助も、あがいて、人としてみてくれ、力を発揮させてくれとかいってもがいてて、でも、責任の重さに付随する心をすりつぶすようなストレスに耐えて、ここ一番の勝負に出て、負けて、消えていった。
   人の心を利用し、人に人を殺させて、結果、戦場に屍をさらす。
   本人が悟っているからこれでいいのかな?
   珍しく、アンハッピーエンド? と思いきや、結構大河は主役が死んで終わりって多いですね。それも、織田信長とか、源義経とか、謀殺で、自然死って少ないよ。大河の主役ともあろう者が畳の上で死ぬことを願うんじゃないって、そうでもないか。
   ここ数年だと「功名が辻」 自然死
           「新選組!」 処刑死
           「義経」    自害
           「宮本武蔵」 自然死? だいたいが、主人公の人生を描いてるもんですから、主人公が死ねば終わりますか。そう思えば、たしかに「第4次川中島」は終わったんだし、主人公が死んだんだからそれ以降は不必要ですか。

   なんだか、原作読み終わったときも「ここで終わりか?」と放り出されたような気がしたものでしたが。ま、その辺は、平蔵に感謝ですか。

   これはこれでヨシかな? みんながみんなこんな大河になるとイヤだけど。

      

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