« 「風林火山」さらば義元 | トップページ | 1日1ネタの本屋 »

2007年11月12日 (月)

大物だぁーっ!!

   お洗濯好適日と言われ、病み上がりを押して洗濯機を回しまくっております。
   ふと胸をよぎるのは幼き日のCM。白いスーツ(ダブル!)に身を包み、馬手にはボトル、弓手にグラスを持って歌い踊るのは野坂昭如でありましたでしょうか(これまた白いソフト帽を目深に被っておったので定かならず。今時こんなカッコしたオッサンいません。あ、鹿賀丈司@松竹梅時宗)

   ♪ ソ、ソ、ソックラテスかプラトンか
   二、二、ニーチェかサルトルか
   みーんな悩んで大きくなったぁー(おっきいわぁ~大物よぉ~)
   俺もお前も大物だァーッ!

   

サントリーのCMがオシャレの代名詞だった古き良き七〇年代であります(え、今も?)
   このフレーズは訳のわからないなりに大流行して、当時小学生だった(筈よっ!)まいちゃんも喜んで口ずさんでおったのでした。その後高校で倫理社会というものを学んで深く思いをいたすことになると。

   で、この曲って、二番があるんですよね。「ギョ、ギョ、ギョエテかシルレルか」と、今度は文学者ヴァージョン。たしかもう一つのフレーズはシェイクスピアだったなあと思って、じゃ、もう片方は誰だろ、モリエール? いや、それはゴロ悪いし、当時のまいちゃんが納得する知名度を持ってたような……(ゴメンよ、仏文学者さんたち。でも、やっぱ一般的にそうじゃん)。

   こういうのは「教えてGOO」とかいうので聞いたらいいのかな、行ったことあんまりないけど。その前にまた教養人が釣れるかもだからここで聞いてみようか、いやいや待て、人様におすがりするよりまず目の前の箱を操作するのじゃ、と、グーグルに「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか 野坂昭如 サントリー」と入れて検索すると

   

出 て く る じ ゃ あ り ま せ ん か

   ユーチューブに、フルコーラスヴァージョンが映像付きで(映像を先に見たから前述の詳しい衣装描写ができたのよ)。
   すごいな、「思い出みんな揃えてみせます」みたいな。

   久しぶりに堪能しました。

   ゲーテとシラーのドイツ浪漫派コンビが旧制高校ノリの文語読みだったのがまたいい。以下うんちく。
   ゲーテのスペル、GOETHE のOE部分はドイツ語の変母音で舌が前に出るe、オとエの中間みたいな音とかよく言われるアレですが、(固有名詞の時は上に点を二つ打つ文字でなく母音を二つくっつけて書くって習ったと思うんだけど)、それを直に原語に接するわけでない旧制高校時代の日本人はギョと呼んでたんですな。ま、当たらずといえども遠からず。「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」なんて川柳もあります。そんで後半はTHEなもんで英語と混ざってゴエセとか読んでた人もいたそうな。意外とそれが一般英語読みだったりして。
   さらに、シラーの方は、現代ドイツ語はERを英語のようにァーと伸ばしちゃいますが、19世紀に日本に入ってきた当時はそのまんまエルと読んでたんでしょうか、また、舞台の台詞、歌曲の歌詞なんかの芸術語としてはまだエルと読むのが生き残ってるという噂もあります。とりあえず、私は合唱団ではエルと習いましたね。じっさいドイツに留学したような若い先生が指導する第九だと「デァでいいです」とか言われる定冠詞 der も、おじいちゃん先生だと「デル」とか教わります。と言うわけで、現代ではシラーなんです。似たような例で言うと、その昔の唱歌の教科書なんかだと、「ローレライ」の曲を書いた人は「ジルヘル」になってたと思いますが、今は「ジルヒャー」だよね。そーゆーカンジ。まいちゃん@大学生は「あたし声楽やってますから」といわんばかりに教養の語学のドイツ語の時もその文語読みしてました(いやなやつ!)。

   ま、そんな感じで、倫社の先生なんかコレをネタに一時間でも語りたいだろうなあと言う趣深いつくりだったんですよ。

   あの女性コーラスの「おっきいわぁ~大物よぉ~」のため息のような合いの手。当時のまいちゃんはそれが男性のプライドに密接に関係しておるところの何者かを暗示しておるとはつゆ知らず、やっぱり男の人は大物になりたいんだなあと無邪気に思っておりました。

   あ、そんで、懸案のシェイクスピアのお相手は西鶴でしたとさ。うーん、なんかトートツじゃない? やっぱ、ゴロ悪くてもモリエールとか持ってこないと。ね、阿刀田先生?

|

« 「風林火山」さらば義元 | トップページ | 1日1ネタの本屋 »

コメント

 同様の「Yahoo!知恵袋」にても質問されてました。こんなもん今の倫理の宿題に出すなー! 現在も倫社の先生の心には熱く残っておるのですな。

投稿: まいね | 2007年11月12日 (月) 12時43分

 ごめーん、ゲーテとシラーはドイツ古典派の双璧でした。やーねー年を取るとホホホ。

投稿: まいね | 2007年11月13日 (火) 00時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/17050907

この記事へのトラックバック一覧です: 大物だぁーっ!!:

» ドイツ語の単語をカタカナで [湖畔日記]
ドイツ語の単語,おもに地名や人名などの固有名詞を,カタカナで書くとき迷うことがある.その問題の一つを思い出した.「舞音日々」の [続きを読む]

受信: 2007年12月 7日 (金) 00時35分

« 「風林火山」さらば義元 | トップページ | 1日1ネタの本屋 »