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2007年11月11日 (日)

「風林火山」さらば義元

   あうあう。大河ドラマ「風林火山」の前半の華、麗しの今川義元、今週が最後の登場です。いや、11月まで出張ってたんだからたいしたもんだよ。

   レヴューを放棄して幾年月、物語世界ではかなりの時間が流れ、ヒロインは逝っちまうし、ヒーローは出家してつるりんだし(丹下団平! とそこら中で言われてた。え? ご存じない?)。カピバラはみごとにあのエロじじい信玄入道に出世するし。デスラー雪斎は卒中死だし、ガクトは相変わらず麗しいし(高野山に家出したのにおまいは剃髪せんのかっ!? ちなみに、「殿といっしょ」ではこの家出は「おかあさん実家に帰らせて貰います」の計とされてました。コレは笑えた)。

   ええと、由布姫の異母弟、トラオーくんは今川に厄介払いされていたんですが、ナガオ景虎の懐刀、うさみちゃんの計略で「こいつを刺客にすりゃいいじゃん」と白羽の矢が立ってしまうのでした。ちょっと先週までのおさらい。お使いはおヒサちゃんとらぶらぶな新婚生活のはずが武田家への幾重もの恨みを抱いて陰々滅々な生活を送っておる平蔵。もっと建設的な方に生きようよう。やだ、この作品みんな恨みに凝り固まってて。で、今川にお使い。またツーと来てカー! とその意図が解るジュケーニ。いっといでいっといで、とばかりに寅王丸くんに引き合わせ、ついでにないことないこと吹き込ませるのでした。あーあ。お寺で純粋培養されてた寅王くん、「姉ぎみを無理矢理側室に……」のくだりで大ショック! 自分こそが、あれだ、「邪知暴虐の武田信玄を除かねばならぬと激怒」したんだよ(○C太宰治)。で、天然系油川くん(役名は於琴姫だったっけ)をターゲット(うまい!)、話のうまいお坊様、として彼らの側近くに潜り込むんだな。
   えーと、ミッションは失敗(当然)、自分が騙されてたことを知る寅王君ではありましたが、勢いで向かっていき、主をかばう三条さんのおそばの侍女を殺ってしまいました。伝助の告白でジュケーニの差し金であることを知った段平勘助ちゃんが、「寿桂尼!」と鬼気迫る顔で吐き捨てたところが先週までのダイジェストと思いねえ(長げーよ)。

   で、怒りの勘助、復讐の計略返しです。ちょうど今川くんちは京都へ上るという天下取りへの一大軍事行動を起こすその時だったのです! 尾張を行きがけに丸呑みしていくつもりだったんですが、なんか、けっこー織田信長って小骨多そうよ? じゃ、情報流して彼にがんばって貰いますか、と、勘助ちゃんは今川へ。わざといやったらしい入れ知恵。そう、勘助ちゃんを嫌いな義元が
   「絶~~~~~~っ対アイツの言うとおりなんかするもんかっ!!!」ってなるのを見越した献策です。そうしてまんまと桶狭間におびき出される義元なのでした。雪斎を引き合いに出され、激昂して上段から下りてきて叫ぶ義元。あーあ、本当に相性悪い二人なのね。あとで、「そんな顔を家臣に見せちゃだめ」とジュケーニにたしなめられてましたね(ここ伏線)。
   そして運命の出発後、ジュケーニは、「あんた、なにしにきはったん?」と勘助に質して、その意図するところを正しく読むのですけれど。この辺のいやらしい駆け引きがさすが。前半からの魅力、近年まれに見る黒い大河です。そして、まんまと義元が桶狭間に入ったことを聞くジュケーニ。数珠の糸が切れ、玉が飛び散ります……嗚呼、義元の命は風前の灯火。

   義元は肥満して馬にも乗れず、輿で運ばれてたと他の作品では描かれたりしてましたが。だって、お寺育ちだもんね、馬になんか、乗れなくたって当たり前だもん! 輿移動シーンはなかったかな? 最期まで麗しい殿でした。幔幕張って、小休止、という描かれ方が多いかと思いますが、今回はちゃんとした建物に入ってました。でも、歌、歌ってるし。お酒飲んでるし。もっと緊張感を持ちましょう。雨がやんで、日が差してきます。ここで義元縁側まで出てきて(危ないって! そこに銃口!)
   「雪斎が晴れさせてくれた! 祝ってくれている。そなたも飲め」と高くかざしたその盃が、砕けます。一斉射撃。呆然と尻餅をつく義元(ああ、やっぱりヘタレ)、両脇を持って、即座に奥へ引き込まれます……。
   あとは、静かに報告を受けるジュケーニ。「義元殿、お討ち死に」ほんとうに、取り乱さない、気丈な、立派な尼君でしたことよ。
   「御首級(みしるし)は織田方に持ってかれたよね」と静かに尋ねるジュケーニに、鳴海の砦のナントカが、死にものぐるいで攻め立てて「返して、返して」と交渉中と。ああ、そういう家来もいたんだ、よかったね。謀略、謀略だと辛くなるから、この武将にスポットが当たったのは良かったです。ジュケーニも、一生恩に着るとか言ってたし。

   で、無言の帰宅です。白絹に包まれた首桶。ああ、こんな美丈夫を、生首出演させますか、このサロメ婆。でも、生首ハラショーも見たい。おかあさんもサロメ気あります。静かに包みをほどいて、蓋を開けて……ああ、首は映さないのね。

   「悔しいか。そのような顔をするでない」
   これは、さっきの台詞と呼応してますね。もしかして、初期にもこの台詞あったかも。自分が修羅の道に引き込んでしまった息子への哀切きわまりない別れの表情でした。そうだよ。京にいたら、ホモ僧界のアイドルとしてナニ不自由のない人生があったのに。いや、それはにーちゃんたちがあいついでなくなったという悲劇のせいなんだけど。

   彼は彼なりにベストを尽くしてきたのにね。周りが大物ばっかりだったし。近年(いや、もう歴史の常識?)は引き立て役のやられキャラになってるのがかわいそうでした。この大河に意義があるとしたら、今川家の復権・再評価に役立ったことでしょう。いや、だれがしなくてもおかあさんが再評価しました。素晴らしかった。

   舌先三寸でひとんちを不幸のズンドコに陥れた段平勘助ちゃん、さて、明日はどっちだ?

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コメント

 それでも、今川さんちも武田さんちも、一応跡取りは生き残ってるのに滅びたってのは、パパほどジュニアが大物でなかったってことよね。織田さんちもそうだ。覇業を成すのは大変。二代続いて大物ってのは隋の楊さんちとか魏の曹さんちとかぐらいか(いや、それを言うなら劉さんちや李さんちも入れないと。プランタジネットさんところは一応2代目は大物といえるんか、悪名だけは高いようだが)。
 つくづく家康は万全のシステムを構築して逝ったんだなあと(いややっぱり秀忠もそれなりの大物だったのかなあ)。

投稿: まいね | 2007年11月12日 (月) 10時29分

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