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2007年9月 9日 (日)

「風林火山」純愛の行方

   久々にハラショーが出たので。
   とうとう新たなライヴァル油川君出現でいきり立つ由布姫です。
   「たしかこの新しい油川君は天然だったんだよね」と、おかあさんはもう忘れた原作の記憶をたぐるたぐる。この際殺してこいと言われた勘助ちゃん、本日ご対面。
   かわいかったぁ。
   いきなり目の傷について聞いてくるし。「痛そう」とか。周りはちょっとはらはらしますか? ご懐妊だそうで、あちゃー、由布姫になんて報告しようかという困った勘助ちゃんの顔もまた格別。
   どうせお館様に滅ぼされたうちだし、諏訪どのもわたしも一緒一緒、わたし今は晴信様ラヴなんですというおおらかな油川君。面差しも瓜実顔ですっきりとしておって、眉のりりしいきつそうな由布姫よりなんぼか好ましいです。気持ちはわかるぞ、晴信(肩をポンしたい気持ち)。

   見ているこっちは爽やかな気持ちになりますけど、複雑な勘助ちゃんでした。晴信お館のために頭をつかわにゃならんのに、由布姫まで背負い込んで、因果じゃのう。

   あの人道上まずいなんとか城攻め(覚えましょうよ)のせいで信濃攻略は長期戦になりそう、そうなると後ろが心配ってことで久々に今川対策。今川家に嫁いでた晴信のねーちゃんが病没していたのです。
   「新たに今川に縁を結ぶ必要が出てきていた」云々とナレーションにつっこむおかあさん。
   「まだパパいるじゃん」
   「なーに?」と虎美。
   「晴信君のパパはワガママだから今川さんちに預かってもらってたんだよ」おかあさんも複雑な事情をよくもまあ。こういうことするからうちのおかあさんは法螺吹きと思われちゃうんだな。
   ええと、「姫の戦国」情報によると、たしかハラショー義元の奥方は晴信のねーちゃんだったのですが(本名未詳)、たしか生まれた子供が幼くして死んだのを苦にして後を追うように病没してますな。かわいそうに。
   で、武田の太郎君(ママは三条君)の嫁に今川から姫をもらえと勘助の入れ知恵、じゃない献策。こっちから嫁に出すのとどっちがいいとか晴信とやばげなディスカッションをしておったようですが、結局もらう方に決まったと。信濃平定ののちどうせ裏切るつもりの人質なので、こちらから出すよりはもらっとく方を取ったのか。「あとで太郎に恨まれる」云々危惧してましたが。

   そして浮かび来る殿、尼御前、坊主の3人のシルエット。ご存じ今川3人衆です。
   「うわ~久しぶり~♪」出ました、ハラショー。ジュケーニもお元気そうで(武田のマダム大井はずいぶん老け込んだ感じでしたよ)。苦々しげにしておるのはハラショー義元。カピバラから狸に進化(?)した晴信と比べると断然、男っぷりが上がっております。ずうずうしいとか許せんとか言ってます。いずれ手切れとなったら殺される人質になんでかわいい姫を出されようかと言ったところがそこへデスラー雪斎、渋く「そうとも限りません」なんつって。ちゃんと、対信濃戦が長引くからこちらとは相当長く仲良くしたいんだってば、それに、うちの姫様ってび、じ、ん、だから武田の若様骨抜きになっちゃってうちの言いなりになるよきっとって。さすが、解ってますね。
   ただし。
   山本勘助の献策だろーねー彼は解ってるからねーって言っちゃったから、ジュケーニはもう露骨に嫌な顔(そんなに嫌いなの?)。

   話をまとめに来たのは小姓と弟(おかあさんいい加減名前覚えましょう)。
   「これって山本勘助の案でしょ?」とにこやかに尋ねるハラショー義元、ささっと姿勢を正し、「うちの殿の御発案です!」と小姓くん。
   「山本勘助は軍師なんて言ってるけど、たかが足軽頭だし」云々ととっさのアドリブ。やっぱり、これくらい機転が利かないと小姓やってられないでしょう。いい人選でした。ハラショーご機嫌で、この話はまとまったみたい。

   で、勘助ちゃんは北条の方にラインを持ってる小山田くんちに来ています。今川の次は北条の方も押さえとかないといけないので。大変ね。戦争って、直接攻めたい敵のことだけ考えてればいいんじゃないのねえ。
   小山田くんは若いのにしっかりものだし、親父さんの頃謀反をして攻められた過去持ちなのでその分立ち回りに気をつけてます。ややイケメンなので出てくると嬉しいです。このひと、しばらく前の城攻めで、城主笠原の奥方(みるちゃん)を生け捕りにして自分の側室にしちゃってます(それが、大昔の海ノ口城の生き残りの姫様で、再会した勘助に恨み爆発してたひとですが)。
   「実はあのあと子ども産まれたけど、勘定合わないんだよね。ま、俺気にしてないし。惚れてるんだわ。あいつが子どもを抱いて笑うと嬉しいのよ。ばっかだなーって思うけど、いいっしょ?」なんて恥ずかしそうに笑うんですよ。うわ。君君、そんないい奴だったのか。
   「勘助も、由布姫のことになるとバカ丸出しじゃん? でも、それいいと思うぜ」みたいなこと言ってます。さすが、恋に溺れても小山田くんの目は確か。なんからしくなく爽やかだなー今回は、と思ってると
   「でも、その子が今病気でさ」と言ってるところに、急の知らせ。やっぱり死んじゃったそうです。えーと、藤王丸。ママであるみるちゃんの嘆きはいかばかりか。結構ぷくぷくしたかわいい年頃の子でしたし。そこで小山田くんみるちゃんを抱きしめ、「おれはずっとおまえの側にいるから」などと男らしいことを言ってるんですが、みるちゃんの目は全然和んでない、かえってビックリして凍り付いてる、これはもしかしてヤバイ……?

   しばらくのちの軍議の席で、小山田くん急死の知らせが入ります。それが、「側室に寝首をかかれた!?」「それって、この前の笠原の奥方?」
   「昨年産まれた子はその笠原の子だったようで、その子が死んだことで武田家への恨みが復活し、恨みが父に向かったかと」そんな報告する息子(結構大人)もかわいそう。「なんでそんなやつを寵愛しとったんだ!?」「いや、美人だったし」「そこら辺が男と女の違いってことよ」もう、みんな言いたいこと言っちゃって!

   「さにあらず!(そーじゃなくって!)」 

   らしくなく話を遮る勘助ちゃんが哀れに見えました。みるちゃんのことを由布姫に重ねてたんですね。こんな出会いだけど、きっと幸せになれると思ってたのに。
   「小山田くんはホントにみるちゃんのこと愛してたんだよ!」と必死に訴えます。その辺、晴信とはツーカーだったようで、
   「解った。小山田は名誉の討ち死にってことにしといて。ジュニアもうち継がせてあげるから」って、見事な裁定。
    あのー、病死じゃダメなの? 討ち死には名誉なの? 

    敵に身を任せたわたしを許して、ちゃんと仇を討ったから、敵に心を許したのは……と放心状態でよろよろ歩き、太陽に向かって自害したみるちゃんが哀れでした。やっぱさ、少しは好きになりかけてたんでしょうね。藤王君のために好きな振りをしてるのよと自分を偽ったままずっと過ごせたらよかったのに。
    いいじゃん、敵でも、このご時世優しい人に保護してもらえるようになったんだから。そのまま目をつぶって牙を隠して生きていけばよかったのに。最後に生きてる奴が強いんだから。
    由布姫もそうやって生きていければいいんだけれど。油川くんはもうしっかりその気ですね(生まれた子供も女の子なので、三条君や由布姫と張り合うこともないようだ)。

   純愛も存在しえないような乱世であるなら、開き直って自分の命を長らえることだけ考えればよいものを。
   人間って難しい生き物ですねえ。
   けっこー、今年の大河はそういう女性のハードな生き方を追求してるかも知れません。おヒサちゃんも地味に波瀾バンジョーしてるし。

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コメント

 ちょっと調べてきましたが、やっぱりこの小山田くん愛に死すは大河オリジナルエピソードの模様。ホントは砥石くずれ(?)とかいう敗戦のときに怪我してそれが元で死んでるらしいです。ま、死んだ年はこの辺みたい。
 あーあ、逆赤マフラーか(「北条時宗」において義理の兄北条時輔が謀反を企てたといって苦渋の決断で討ったところが、彼もかなりかわいそうなヒトであったので史実を覆しぎりぎり生き延びたという演出にしたんです。で、以降は赤いマフラーを巻いて大陸に渡り元側の事情をさぐる役を果たしてたんですが、視聴者のブーイングを買って。以来、史実で死んだはずのヒトがこざかしい作劇上の都合で生き延びる演出を「赤マフラー」と呼ぶことになってるんですね。小山田スキーが怒り狂ってるかも知れませんよ。女に寝首をかかれるってのはやっぱ武士としてどうよってのがあるし、自分の子じゃない藤王丸も育てるとか度量の広いとこみせといて殺されるってのもかわいそうでしょ。
 いや、おかあさんはしみじみといいエピソードだったとは思いましたけど。悔しいけど我慢して小山田くんに使えて一生を終えた史実のみるちゃんは、あの世で悔しがってるかも知れません。

投稿: まいね | 2007年9月10日 (月) 03時37分

私も毎日曜日、風林火山を見ています。山本勘助の生き様、自我を押し通しながら仕えるサラリーマン像に似ていませんか?

投稿: 5513 | 2007年9月10日 (月) 15時51分

 なるほど。勘助ちゃんはあれでなかなか我を通してますかね。それでも上司はせっかくの献策を容れてくれないし。ここは堪えてねといってるのに他の重役に突き上げられて余計なコトしちゃうし。
 上司のプライヴァシーには関わりたくないのに思いっきり深入りして心身負担激しいし。
 やっぱり宮仕えは辛いよ。

投稿: まいね | 2007年9月11日 (火) 21時48分

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