最近小説はもっぱら消費する方にまわってしまったおかあさんです。やばいよ。この週末は、また新しいサイトを見つけて朝まで読んでいてしまいました。
だって面白かったんだもん。
ご迷惑が掛かるとなんなのでリンクは張りませんが、小説のタイトルだけ。
「闇から見る眼」と「闇を見る眼」、姉妹編で、前者はヒーロー側、後者はヒロイン側から描いてます(「なぎさボーイ」と「多恵子ガール」みたいな)。この辺のリンクの加減がもう最高。
30才前後の密かにデキル課長、真崎京介氏は、実は内面がイロイロ壊れてるひと。少年期に実の兄(といっても異父兄弟らしい、その辺の家庭のジジョー込みの愛憎があるらしい)から性的虐待を受け続け、ついでに親友(男! 男!)まで手を出された揚げ句にその親友は恋人もその兄に奪われた揚げ句身を持ち崩して不審死したと。もうボロボロな心身をなんとか繕って仕事の鬼のように生きております。
はい、ここまでで確認。鬼はおにーちゃんです。
さらにそのアニヨメも(親友の前カノね)なんだか要するに自分がもててればいいひとなので、京介氏にちょっかいを掛けてくると。
ストレスも二乗。
さらに、親友の死に関係があるのではと睨んだ同僚女性に接近して監視しておったらしいのですが、その彼女は恋と勘違いしたあげく逆上、彼の愛猫を惨殺したらしく。もうストーカー入ってるカンジで。
ストレス3乗ね。
このひと、そういうひとを呼び込みやすいタイプなんでしょうか。
わりにルックスはよいおかあさんごのみの細身のメガネハンサムであるように描かれていますが。
そういうときにアルバイト採用した女性がヒロインなわけです。三十路前といってますが、事情があってフリーター生活をしていた模様。地味に単純作業はよくこなすひと。容貌はあんまり描いてないかなあ。ふつー。なんで京介氏の興味を引いたかというと、その愛猫の名前と同じ名字だったんです。
その名はイブキ。
伊吹嬢(ファーストネームは美並)は、見えるひとだったんです。霊じゃなく、ひとの感情とか、それ以前の気のようなものが、色で見えるらしく。さらに、それを巧みな人間観察と推理で補っておると。ある意味最強ね。でも、人間の負の感情のシャワーは負担なので、あんまり華々しいところは避けて職場を転々としておったと。それで、真崎カチョーはなんか繭作っちゃって得体の知れないひと、あの××さんはカチョーに恋いこがれちゃっててヤバイひと、と認識してたみたいですね。
と、その××嬢に仕事を押しつけられてるのを見にいった京介氏は、伊吹嬢がただ者でないのを知り、このひとならもつれた糸をほぐしてくれるのでは、と構い始めるわけですね。
苦労人だけあって、伊吹嬢はそういうあぶないひととの距離感も巧く、暴走しそうな京介氏をうまくあしらいつつ「なんか気になる……」と深い心の底まで探検についてってしまうのでした。
これよ! これ! これ!
「男は顔じゃないよハートさ、女も顔じゃないよノリだよ!」って歌が昔あったと思いますが。誰のだろ。マッチか? 桑田か?
今の時代、女性は救いの王子様を待っておってはいかんのであります。たくましさと特殊能力(?)とで疲れた男性を癒やしつつガッチリハートをゲットでらぶらぶ世界を築いて行かなくちゃ(カワハラ教授の作品世界に近いか?)。いや、王子様に来てもらってもいいけどね。たまにはね。フィクションですから……。それでも
「京介」「戻りなさい」
進退窮まった京介氏に掛けた言葉の男前だったこと。真夜中にもかかわらず拍手しそうになりました。
文章のうるわしさがたまりません。
男の子への性的虐待はもう男としてのアイデンティティ喪失にまで行きますから、相当精神的にキツイはなしです。娯楽にしていいのかっていうぐらい。それを、具体的で露骨な表現は極力なしで描いて見せているところがスゴイ。いい年の男として、頼みの綱の伊吹嬢に彼は欲情もしており、かなりやばいことも考えておるのですが「暴きたい」とかそういうタームでしか言わないのです。物語の凄惨さに比べて抑えめの言葉遣いがまた萌えであると。結構セクハラなこともやっておるし。またそれを微笑みつつかわす伊吹嬢もつおい。そうして、次の瞬間には京介氏が加害者に変わるか、とドキドキし、寸前でかわされ嫌われたかと京介氏と一緒なってへこみ、それでも手を離さないでいてくれる伊吹嬢にホッとし。
上がって下がって上がって落ち~る~♪(これは元ネタ「夢想花」円広志)
翻って自らの「応募作脱稿しました!」とかいってひと様に送りつけたものを見てみれば。
山場ないし。
落ちないし。
意味もないし。
悪い意味の同人作品そのもの。
海よりも深く反省。
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