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2007年1月18日 (木)

「風林火山」2 遠きにありて思ふもの

   

なかなか原作部分に入り込みません「風林火山」、今週は勘助くんおうちに帰る、でしたが。原作では今川に仕官したいよ、なんでダメなの? とずるずる居着いてるところから始まってたと思いますが(北条だったかな、真剣に読みましょう、それくらいつまんなかったよ)。それだと盛り上がりに欠けるんですかね。どうでしょう、日本人だから? どこの在所のどんなご両親に育まれたのか気になって、そこから始めてくれないと感情移入できないと思ってるのかしら。去年もいきなり幼少期、パパママ揃ってるところから始まってたからさ、余計なこと考えちゃうのかな。

   とりあえず行ったのは大林のおうちでした。勘助くんは養子だったのです。
   ところが、久しぶりのおうちには知らない子がいて、初陣でみっともない逃げ回り方をしたといって養パパに叱られておるのです。不審げに顔を出した勘助くんに、気まずそうにパパったら「おまえが出家してから生まれた」って、そんな。どこの時代でもどこのうちでも、「諦めたら出来る」の悪魔の法則。いや~ねホント。
   そこで哀しい過去話。勘助くんはその目と脚のせいでまともな武士にはなれないでしょって、出家させられるところだったのです。ま、おにーちゃんいたし、当時としては当然の成り行きです。お寺は視覚障害者の受け皿にもなっておったのでした。これは、たしか「炎立つ」でも阿部の何番目かが盲目で出家していたって書いてあったし、同じ「風林火山」でも、武田の男子が出家しているとか言ってましたよ。ただ、完全に見えないのではなく、勘助くんの場合は片目は見えてるから本人も諦めきれないんでしょうね。時代が下がると独眼竜政宗だっています。諦めきれないリトル勘助くんは「兄上と立ち会いたい」と剣術勝負を所望。これが、勝っちゃうんだからスゴイ。それで、出家の付き添いに来たはずの大林パパが、「うち、子供いないし、この子もらっていい?」と助け船を出してくれるんだ。優しい大林パパ、子供のいない大林家で、勘助はそれなりに幸せに育ったんだと思いますが、やっぱり年頃になっても仕官、お仕事がもらえない。やっぱ目が不自由ってのは武士としてキツイですね。近視、弱視なら見た目に分かんないかもで、あれだけ剣術に優れてて晴眼のひとに引けを取らなかったらなんとかいけたかも知れませんが、勘助くんは傷も目に見える形で入ってて。あからさまにこいつ片目じゃんとなると見た目弱そう、大丈夫? って思っちゃうからなぁ。でしたね。政宗はそれでも嫡子だし、かこーとんさまも、目を負傷したのはある程度武勇が知られてからでしたから(それはそれで勘を取り戻すまで大変だったろう)大将として確固とした地位は(その努力の上にですが)保たれたわけです。でも、勘助くんはこれから取り立てて貰う立場、そりゃ、致命的なハンデでしたね。
   なんか可哀相
   そーゆーわけで「出家」したんだ? でも意味的に「家出」ぽいニュアンスに聞こえましたが。お屋根があってお食事が2度(お寺も3回?)出る禅寺修業ってカンジじゃないもん。去年の六平太みたいな、諸国行脚の山伏かなんかみたいなニュアンスで言ってたでしょ?
   でも、胸を張って帰れるんだ。コレ見て? 武田の家臣、赤部下野守殿、立派な大将首取ってきたんだって、先週のあの最低黒覆面、やっと名前を思い出しました。これで今度こそ仕官させて貰いたいって、勘助くんそんなボール取って来たわんこみたいな。大林パパも笑顔が固まってるよ……。
   で、居心地の悪~い大林家に居座ること数日。その首は、出来の悪い実子が取ったことにされて、彼の仕官の種にされてしまったのでした。あんなにやさしい大林パパでも、実の子の方がかわいいんだ。出来が悪いからなおさら必死なんだろう、やさしいパパには恩がある、その優しさで幼い頃救われたから、そのレヴェルの低い心弱さを責めることは出来ない……勘助は黙って縁切りして去るのでした。
   泣けるぜ。
   で、最後に実の両親がもう死んでるという情報を貰って、今度は実家の方へ帰ります。リュックサックは空っぽ。さみしい墓参り。と、なんたる偶然、にーちゃんに出会うのです。いいな、墓参り。ナイス母の愛。わたくしも墓参りは欠かさないようにしよっと。
   今度はにーちゃんの手づるでもって今川へ仕官を求めるのですが、今のにーちゃんの上司を尋ねると福島なんとか。え、それって、この前武田の軍議で漏れ聞いた「武田に内通してる今川の家臣」じゃ? にーちゃん大丈夫? ってなんたる偶然。そんなトップシークレット、そこら辺で捕まえた挙動不審者の聞こえるようなところで言うなよ、武田。黒覆面(赤部サマね)の悪い癖といい、ゆるい軍ですな。大将首のない今度はそれをネタに自分を売り込もうとする勘助くんですが、時代は「功名が辻」の頃より早いのです。情報はまだその価値を認められてない、てゆーか、逆に危険人物として命狙われてますから。雨の中の殺陣。スゴイ迫力。刀の振り回しにくい竹林でなんとか九死に一生……「誰に頼まれた!?」……最後の一人が顔を見せます。刺客は兄だったのです。
   「国を離れろ!」
   血を吐くような捨てぜりふを残して去る兄。豪雨の中、仰向けに倒れたままの勘助。ああ、これは、たしかに作劇上雨を降らせるべき所でしょう。In his heart, too.
   哀れ、養家へも実家へも戻れなかった勘助、甲斐の国に舞い戻るのでした。
   あ、そうそう、若き武田信玄(勝千代くん)はパパとは性格が合わないらしく、無理に弟とチャンバラやらされた揚げ句、自分の有利は採ってもらえず、弟にやられたところでパパににんまりと笑みを浮かべられちゃって。パパ、最低です。満座の前で恥をかかされて、膝をつく傷心の勝千代くんの背にも雨。嗚呼、おにーちゃんはつらいよ。 
   辛い二人の人生の軌跡が重なるのは何ヶ月後なのかな~?

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コメント

まいねさんのお勧め通り毎回見ることにしました。
きしくも私と同じ意見の方がいらっしゃいました。
http://www.j-cast.com/tv/2007/01/21005005.html
「合戦をやったり軍師をやったりというのはいいんだけれど、それだけだと華がない。「利家とまつ」や「功名が辻」のように、女の人たちが活躍しないとつらいんじゃないかな。」

投稿: アマサイ | 2007年1月22日 (月) 09時42分

 ううむ。そりゃそうだ。むさい男ばっかの人殺ししてばっかのドラマを1年というのはきつい。だからといってムリヤリ幼なじみとか町娘とか出してきて主人公に絡めるのはわたしは好きじゃないなあ……。原作にある美女の出番をちょお~っと増やしてくれたりする分には楽しみでよいと思うけれど。
 アマサイさんも1年いっしょに楽しみましょう。

投稿: まいね | 2007年1月22日 (月) 21時10分

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» 『風林火山』は面白そうだ。 [アマチュアサイエンティスト]
全然期待してなかったのだが、昨日初回と2回の再放送をやっていて、結構ひきこまれた [続きを読む]

受信: 2007年1月22日 (月) 09時07分

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