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2006年11月26日 (日)

「功名が辻」46 国主は辛いよ

   とうとう土佐X万石の国主様となった一豊さまですが。
   2ちゃんねるでは突っ込みの嵐。確かに「2?万石を与える!」って言ってたよね? もう、下一桁はおかあさんもおぼろ。
   「太閤検地じゃあ8万石じゃなかった?」
   「徳川も25万石と解っててやったんじゃなかったような」
   「調べたら23万石だったんじゃなかったかな」
   ……だそうです。それが、いわゆるネットのイジワルな口調で入れ替わり立ち替わり。
   まあ、NHKも「功名が辻」では額面2X万石を貰ったという線で行くのでありましょう。

   その土佐がね。
   もとは長宗我部という大名がおったらしいのですが、信長の天下布武のころから四国攻めるぞとか言ってたし、とりあえず太閤には従ってたのかな? 関ヶ原の戦後処理でお国を取り上げられた模様。そこへ一豊さまが入ると言って……「殿」はしおしおと出てったらしいですが家臣群、とくに下の方が言うこと聞かないんだって。ホラ、赤穂浪士も、上士の方は理性もあるし転職も当てがあるっぽいしわりと素直にお城を渡したんだけど、下級武士の方がムキになってたじゃありませんか。討ち入りしたのも割合で言うと下々の方が多かったらしいし。長宗我部さんちは、一領具足とかいう半農のお侍さんという特殊な身分を採用しておったので土地と結びついておることだし、また、よそへやられるときはだいたい藩の規模も縮小なのでご家来衆をみんな連れて行けないんですね。で、なんですか、中の上ぐらいから下の上ぐらいの家臣のひとに、不満分子の粛清をさせたと。
   出た、怒濤の首切り。
   軍板で拾ったんですが、その昔のドイツの軍用飛行船(ほら、ツェッペリンとかヒンデンブルグとか)はあれでやっぱり信頼性が低く、飛んでるうちにどんどん高度が下がって来ちゃったらしいです。でも、調整する手だてはまだまだ原始的で、進退窮まったときには荷物を減らすしかなくって。計器やら兵器やら惜しげもなく落としていって、最後には、敬礼しつつ友のために一人一人飛び降りていったんだそうな。パラシュートなしで。パラシュートはとうの昔に捨ててるんでって、残しとけよ。そういう話を淡々と書いてあって、泣けたなあ。てゆーか、怖いです。どのへんまでが理性よ? ナニしにあんたたちは空を飛んでいったわけ? 人間の命を無駄遣いするな。
   で、それと一緒。自分が生き残るため、殿が責めを負わされないために同じ船に乗ってた仲間をどんどん斬って落としてゆくのですが、また自分も突き落とされる運命なのね。いや失敬、一緒じゃないや。彼らは友のために自ら飛び降りた(と言われている)のですが、長宗我部の上士たちは手前のために家来を斬ったんだった。

   で、おいてゆかれた一領具足さんたちがぐれているという。

   そりゃ、ぐれますな。

   でも、一豊さんちから見れば、行く手に立ちふさがる自分の功名の邪魔なのでした。気持ちは解らないでもないけど、無力化しないと自分が家康に粛正されるのです。家康は解っててやってるらしいですね。関ヶ原前夜に家康方についた武将は、「サンキュー」といいつつこういう危ないところへ動かされてます。一揆の危険のあるところ、元の愛されてた殿様が追い出されて、領民や置いてゆかれた下級武士がせつない気持ちでいるところ。いかに治めるかを問われております。武辺一途の大名たちにはきっつい課題です。ああ、中堅社員研修思い出すわ。現場で自分で仕事をこなすことから、人を使ってプロジェクトを動かすことへの視点の転換やら考えさせられるんでしょ? 大変。

   コレは厳しい。とくに、お千代さんには堪らないでしょう。
   なんとかならないかとか言ってると、危機を察した六平太が雇ってくれと言ってくる。信用できるのか? との一豊さまの問いにこの弾にかけてって、それは、千代の父上が射殺されたときの弾。それを回収して、千代に見せて……まだ持ってたんですかあんた。
   「新選組!」では、初回、黒船来襲に物見高く浦和まで遠征して見にいったかっちゃんとトシの「戦利品」、洋酒の瓶のコルクが要所で二人の心の絆の象徴として扱われてましたが、この弾はどうよ? 乱戦の中、弾をわざわざ回収する暇があるのかってことと(身体に残ったのなら、弾を身体に残しておくと身体に悪いそうなので、手当のために切開して取ったものの命を落とした、その経過を見守ったって証拠なのかなと思わないでもないですが)、父の命を奪った弾丸ってのは生々しすぎないかよってのがあって、どうもわたしは感動しきれません。
   六平太幼なじみ設定じたいがイヤなんですわたし。ミセスを好きになってもいいじゃんか。面白い奥さんだなぁって、何度か仕事で様子を窺いに行ってるうちになんとも好きになっちゃってもいいじゃないの。プラトニックなんだから(いや違うけどゴニョゴニョ)。いやもう、惚れてなくてもいいじゃないの。男女を越えて、この人の判断は信じられるって信頼があって、その情報や判断を買うためにこちらも便宜を図る、そういう関係を描いてみてもいいじゃない。それが「情報化社会」大河かもしれないでしょ。
   幼なじみは信じられるとか、幼い頃を共有したものだけが親密な関係を築けるって風潮はいや。新しく人と出会うことを拒否してるみたい。近年のある一部に流行しているらしい近親相姦志向のジョチョーになりませんこと?(またおかあさんたらはやとちり)
   ま、とにかく、六平太が「一領具足皆殺しにすれば?」と献策したところでナイスタイミグで千代が狙撃されましてございます。そりゃ、だれもかれも怒りの復讐戦になるわな。
   またしても余計なところに突っ込みますが、「本能寺」で濃姫も射殺されましたが、この大河は女性を的にすることをタブーとしないんですね。
   いや、今までの大河で女性を惨殺することが絶えてなかったとは申しませんが……あったかよ? 「秀吉」で小林幸子ふんする女役者だか歌姫だかが釜ゆでになってたかなあ。もっと古い大河だとどっかの姫様が下郎に集団暴行を受けて死んでたようなシーンを子供心にみたような……。しかし、女性を鉄砲で狙うような文化が日本にあったというのは驚きでした。いや、明智光秀じゃあるまいし、狙って当てられるスナイパーは当時日本にはほとんどいなかったみたいですけど。あれは、誰でもいいから当たれと思って撃ったんだな、きっと。作劇上お千代さんに当たっただけで。
   じゃ、いやらしいのは現代の脚本家、演出家ということでとりあえずファイナル・アンサー。

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