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2006年8月17日 (木)

金沢猫噺

   猫の話。
   金沢早乙女家で、「サンルームの下で野良猫が子供を産んだみたいなのよ」と言ってたのは去年の春でしたっけねえ。おかあさん猫は雉虎、仔猫は白黒ぶち、どうやら父親もウロウロしてる牛柄の猫のようで。早乙女おかあさんがなんとなく餌付けして、とりあえず仔猫は居着いた様子。
   「それが、父親がその餌を狙ってくるのよ。模様が同じだからつい見過ごしてしまったけど、大きさで気がついて」子供が自分の(魅)力で生きていこうとしているのに、それにたかるダニのような親が存在するなんて! 猫の世界は人間の世界の鏡のようでございます(ウソ!)
   って、冬に帰ったときにその白黒ぶち猫には豹子が「大地」と命名したというのに、春になって「おばあちゃんから電話でね、大地には○○玉がなかったんだって!」と衝撃の事実。大地ちゃん(推定メス)、強く生きて下さい。もはや外飼いの猫と化して、家には入らせないけれど餌は毎食早乙女家で与えている模様。冬休み中は鯛の煮たの、朝ご飯のシャケの残り、みんな猫餌になってました。
   「どうもまた産まれたらしいのよ。母親はまた大地の親みたいで。今度はママ似の雉虎が2匹」と、ゴールデンウィークの後にお電話が。
   「仔猫は慣れて餌を食べてくれるようになったんだけど、母親は逃げたのよね。ある日、海(母猫)がわたしの顔をじっと見て歩いて行ったのよ。その日以来、海は姿を見せないの」おかあさん、押しつけられましたね。嗚呼、育児放棄をする母も出て、猫の世界は以下同文。早乙女おとうさんが撮ってくれた写真は安心してお庭の隅の木の下で丸まる雉虎の仔猫2匹。すっかり自分のおうちと思ってくつろいでいます。
   それを豹子は楽しみにして帰って、木の棒に毛糸をたわしのように束にして作った猫じゃらしをくっつけて、振り回して猫釣りに興じたり(ヤブ蚊に刺されるをいとわずわたくしも数分やりました)。今や大地と仔猫2匹となった早乙女家では勝手口が開くと「餌係が出てくるか?」と猫が顔を揃えているようになってしまって。野良猫に餌をやるなというひとがいないのどかな土地であります。どうせ糞尿で荒らされるのは早乙女家の庭&畑だし。
   ってたら早乙女おとうさんが爆弾発言。
   「どうも畑の方にもう一匹いる。大地と同じ模様の小さ~い猫が」
   大地、女の子だと判明したらすぐヤンママ化ですか!?(わたしは未確認。父親は誰なのよ~!?)
   さて、例によって一家で温泉に遊びに行った翌日、庭に干し物をしておりますと、にゃ~にゃ~と猫の声がいたします。3匹とも割りに鳴かない方なのに何でだろ? と、早乙女おかあさんに軽いキモチで「どっかに入って出られなくなったんでしょうかね?」というと「物置! おじいちゃんが鍵閉めていったわ」と、車庫様の物置のシャッターをがらりと持ち上げてみるとにゃ~! と大地が顔を覗かせました。連日真夏日の金沢、締め切った物置に一昼夜。よく熱中症にならなかったものよ。入り口にひとがいては出られないのか、散ってみるとその瞬間、一目散に走り抜け、涼しい廃屋(と化している敷地内の昔の家)の方へ消えました。仔猫たちも声が気になってか出迎えてたんですが、目もくれず。野良猫の熱中症ってどうしたら治せるのかしら? お水に浸かるの? 身体が冷えるまで風通しのいいところに寝てたんでしょうか。
   翌日、またしても干し物をしていると、にゃ~と大地が現れます。「おう、大丈夫か? 昨日は難儀やったなあ」と声を掛けるとじっと目を見つめてきます。これは、撫でさせてくれるのかな、としゃがむと、さっと身を翻して逃げました。これが
   「奥様、昨日はありがとうございました。このご恩は一生忘れません」ってカンジじゃないんだな。猫だけに、
   「まいこさん(仮名)、昨日は危ないところをありがとう。これからもよく仕えて下さいね」と、あくまでお嬢様が使用人を労う風
   しかし、去年1匹だった猫(+両親)が、今年は3匹。
   「来年同じようにみんなが2匹産んでたら合計何匹になるでしょう?」
   「にさんが6匹!」
   「違う、それに、産んだおかあさんが残るから9匹! ……きゃ~! 猫屋敷!」
   「ねずみ算じゃなくて猫算だな」旦那様は渋く。
   「ほほほ~うちは昔最大12匹おったわいね」と早乙女おかあさん。……それは遠慮したいな、さすがに。
   で、結局2匹の区別がつくまでにはなったのだけれど、名前は付かないまま金沢を発ちまして。
   「じゃ、おかあさんが付ける。茶々みどり」縞が幾分緑がかってるのと、茶色が濃いのとのきょうだいなんです。
   「おかあさん」豹太は不満げ。
   「だめか? だって、そういう柄だろ?」
   「日本の猫なんだから日本の名前にしない?」
   「だから茶々とみどり」
   「みどりはいいけどチャチャって……」
   「豹太や、チャチャのチャは茶色のチャ! ……もしかしてチャチャチャ! のチャだと思った?」
   「! ……なんでもない!」
   ま、今年の猫噺はこんなところ。 

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