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2006年7月10日 (月)

「武装錬金」はまったぜ!

   あ~。ナニから申しましょうか。結論、「武装錬金」はホンモノと。
   お中元を出しに行きました6日、乗ったバスがデパートと逆方向で(駅には着くけど中心街は外す方向)、ま、いいやと駅前のブックオフを先に回りました。
   「武装錬金」大人気(?)、最後の10巻除く各巻少なくとも1冊ずつ出てました。買って来いよ。若さのままに(違う!)3~9巻一気読みしました。スゴイ、スゴイ、凄すぎ。
   ○ アレだけ見事な散りっぷりを見せたパピヨンマスクが死んでない。
   ○ 2巻末に出てきた上司、キャプテンブラボーがまたイイ変人として活躍。
   ○ 次の敵はパピヨンマスクのご先祖様。やっぱりセンスが変。パピヨンマスクの変態っぷりははパワーアップ。銭湯で桶で「前」を隠して手放しで歩くのはいかがな物か。……おかあさんには出来ません(当然だ!)。
   ○ どんどん強くなる主人公、それは例の核鉄が特別だったせいで彼は非人間化……味方が敵となり彼は追われる身となる。
   ○ ご先祖様との確執から第三勢力となるパピヨンマスク、その他、「敗残の敵は味方」の法則でカズキシンパができあがり、最終局面に希望をもたらす。

   主人公のおばかな青臭さはそのままに、敵も味方も変人・変態を取りそろえてレヴェルアップなのです。これは連載時のいわゆるアンケート人気は低迷していたが、オタク層に受けたという噂もむべなるかな。おかあさんバッチリ気に入りました。読めなかった10巻を買って読んで、そんでさらにそれに繋がる連載最終話とファイナル読み切りの入ってる9巻をまた翌日買って。……8、7、6と下ってこないよう気を引き締めていこう。
   なんてさわやかで無駄な殺生をしない主人公なんだろう。
   最後の強敵キャラクターも、そして永遠のライヴァルと化したパピヨンのことも彼は殺さないのです。その「偽善」(パピヨン談)っぷりで彼らの大いなる怒りを消して無力化して、危機は去るのです。これは少年漫画史上語り継がれていいエンディングだと思いますよ。打ち切りのあと読み切り3本で決着を付けたと言うことでじゃなくって!
   強大な敵を取り除くに当たって、必ずしも自分もまた強大で非情になる必要はないのです。これを日本の将来を担う青少年の心に残したいと思うわけです。必ずしも彼を屈服させる武力は必要ない……いるかな? お前の怒りはもっともだと、一緒に怒ってやってもいい。ただ、自分もまた守りたい大切なものがあるのだとひるまずに主張できれば。それは卑屈じゃないってことですかね。相手を、理解できない異形の者としてしまわず、理解・交渉のできる相手として見ている心の広さを好ましいと思います。それが、彼を絶望的な孤独な戦場から帰還せしめた理由だと思うので。
   人のせいにしないのはすばらしいですね。物語初期で、巻沿いにして悪かった、お前は関係ないと斗貴子さんに繰り返し「普通の生活」に戻るよう説得されますが、彼は自分で選んであなたを助けたのだから、自分も彼らを護りたいからと異形のものたちとの戦いに飛び込んでいくんですね。そういう能動的な運命の切り開き方が好きです。そして、絶望的な二者択一、異形の者と成り果てた哀しい戦士をもとの人間に戻すアイテム、それは、彼を人間に引き戻すアイテムでもある。それがこの世に1つしか存在しない。それを誰にどのように使うか、自分に託された判断を、彼は時間差(そして自分の、人類の敵であった変態マッドサイエンティスト:パピヨン)を使うことで両取りしようとします。信用するかよ? ついこの前まで世界を滅ぼすとかいってた奴をよ? オマケに自分の親兄弟ご先祖様をも××した奴なのに。手段を選んでられない事態とはいえそのお人好しさに唖然。またその期待に応えるパピヨンもパピヨンだ。脱帽。
   核鉄の暴走で異形の者と化したヴィクター、これが最終敵なんですが、カズキもまた、彼と同じ経過をたどることが予測されます。なんてヒドイ展開。自分を認めてくれたナイスなオトナが今度は自分を抹殺に来るのです。泣け! そして彼を庇って……。さらに泣け! ナイスなオトナをみごとに描いてくれました。そして、命長らえ、ご先祖様の作った秘密結社の目的や彼の腹を知ってさらに彼らから離反するパピヨンマスク。彼は人からホムンクルスへの変態(正しかるべき意味においての。トランスフォームね)を成し遂げ、さらにそれ以上変化を成し遂げます。ああそーか、ホムンクルスになったときに父を「超え」、さらにまたご先祖様を「超え」たんですね。彼にとってカズキは殺すべき敵ではありますが、自分が殺すまでは生きていて欲しい相手です。カズキが追われる身となると、彼に手をさしのべたりもしているのです。ナイスなライヴァル。ひとりで彼を元に戻すアイテムを作り出してもいるし。使えるマッドサイエンティストですな。最終形態は「愛される人面犬」(作者談)だし。いいぞ。
   日常の世界に飛び込んでくる戦闘、二転、三転するストーリー展開、ナイスで変態なサブキャラの数々。いやこれは名作でありますよ。読むべし!
   また、細かく舞台裏を明かし、反省や自慢を率直に語ってくれる作者和月伸宏氏の誠実さに感動。こういう誠を尽くした仕事をしてくれる漫画家さんがいるということを知ることが出来たこともひとつの財産と思います。「るろうに」はあんまり好みじゃなかったんですが、次回作期待してます。

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コメント

これは2ちゃんねるではそうとう盛り上がっておったのであろうと見てみたら、あに図らんやそうではなく、今でも話題の続いているところを見ると、「作者のギャグが全然面白くなくてつまらない」「出てくる敵は雑魚ばっかり」「単行本で堂々とよその作品からのパクリをばらしてるし」「どう見てもばかばかしい打ち切り作品なのに持ち上げてるオタクどもが見ていられない」と不評が多数派のようで。日本一騙されやすいおかあさんとしては、そうなのかな? 面白いと思うわたしのセンスが古いのかなと哀しいキモチになりましたです。パクリって、確かに「このキャラはアメコミの××がもとになっています」とはよく書いてあったけどおかあさんそんなの知らないし。ちゃんと自分流に消化してあったと思ったし(サイボーグ009の002、といわれたキャラは言われてみれば何となくそうかも、といったレヴェルだったし)。オタクの皆さんはいろんな作品に広く知識があるのねえ。

投稿: まいね | 2006年7月11日 (火) 10時54分

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