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2006年7月25日 (火)

両手にラーフラ

   親戚の活田刺門氏がまた本を出したそうで。またしても南方の海への旅行記。今度は本名ですが、このペンネームのセンスがまたおかあさんと同レヴェルでもう苦笑い。わたしが「小説家になりたい」というと冷笑されるのはこのひとのせいもあるのでなんともイヤ~な気持ちで本を受け取りました。いや、それでも「これからもいろんなところへドンドン旅してステキなご本を出してくださいね」なんてお礼状書いたりはしたんですけどね。おかあさんのウソツキ!
   彼は三田文芸の同人をやってたそうなので女子供向けのマンガのような話の新人賞のそれも1次予選にも引っかからないようなおかあさんとはレヴェルの違う「物書き」でありましょうが、家を捨て、ちゃんとした仕事に就かず、子供も作らないということで田舎者の価値観では「まともな大人ではない」んですな。幼い頃はイロイロ吹き込まれたなぁ。おかげさまで、わたくしは第一に「ちゃんと就職して結婚して子供を作って育てる」ちゃんとした大人であることを目指さねばならぬと思いこんでいるワケなのです。いや、これがむづかしくって。とても片手間に小説なんか書いてられませんことよ(いや、今はゲームにうつつを抜かしているからなんだけど)。まともな保護者たるべくPTAに参加してみたらこれが時間を取られるし精神も消耗するし(みんな仕事をしてるのに時間をやりくりしてちゃんと参加してるとか、子供の教育にマジメに取り組んでいるとか自らを省みて恥ずかしくて鬱になっちゃう)。
    父の世代のひとなのに、向こうはあんなに自由に生きてるのは何故なんだろうなぁ。冷たいとかまともじゃないとかイロイロ言われてますが、そういうふうに言われるリスクを冒しても自分の思う道に行きたかったのでしょうか。……わたしにはできません(意外と小心者だったんだ、わたし)。「いつもふらふら東南アジアとか出歩いてる」(母談)のは「子供がいないからよ」と吐き捨てるように言われました。子供にはお金がかかるもの。そんなの子供の目の前でいわなくっても。そんなにお金がかかりますか、切な~くなりましたね、当時。社会にたいして責任を果たしていないと、そういうふうなニュアンスでした。あそんでいたいために子供を作らないのだと。今の、欲しいけど仕事の責任上つくれない、健康上の理由からできない人のこと考えてない古い人の台詞ですんで、お許しください。そういえば、彼の方も仕事上の理由もきっとあったんだろうけど(パートナーの人の都合)。
   そういう極楽とんぼ的存在であった彼も、老境に入り、念願の本を出すことができたわけです。
   「今だけは子供と正面から向き合って。ほんの15年、20年だから」なんて言われて専業主婦をやってますが。いや、それでも目を盗んで充電したり、放電したり、してますけど。お釈迦様は我が子が生まれたときに、このこの存在は出家の妨げとなるとして「ラーフラ(障害」と名付けたそうな。別に子供は足手まといとは申しません、かえってわたしは社会にちゃんと参加しておるという隠れ蓑のように思っておりますが。
   子供と一緒にいろいろ経験し、子供がいなくては見ることのなかったものを見て考えを巡らすことはきっと無駄ではないと思うようにもなって、なんとか心をなだめておりますが。
   迷わぬはずの年になって、それでも夢に手の届かないまま自分の夢のかたちが朧になっていくのを感じると、夢を叶えたひとに羨望と嫉妬を禁じ得ないのでございます。

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