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2006年7月14日 (金)

お前の母ちゃんでべそ

   劇的に終わっちゃったサッカーワールドカップドイツ大会ですが。
   やっぱジダン退場が。
   あのジダンの怒濤の頭突きの理由がどんどん明らかにされようとしてますね。どこだっけ、読唇術を心得たスタッフを動員してその瞬間の彼らの会話をよみとったTV局があるって……アホですか、あんたたち。
   わたしは門外漢(女性の時はなんて言ったらいいのよう?)ながら
   「あ~民族的なこと言われたなこりゃ」と思いましたです。「大相撲オリンピア場所」の項で「旧植民地出身なのにフランス代表というのはいかがな物か」なんて、ジダンに当てこするようなネタを出してしまってちょっと寝覚めの悪い思いをしてたりもしたので。でもやっぱり違和感を感じることは否定しない正直なおかあさん。

   世の東西を問わず、母親の名誉というものを重んずる文化はあるようで。「読むクスリ」上前研一郎、好きでほぼ全巻そろえてますけど、中国に技術指導かなんかで行った日本のオジサンが、中国人青年と仕事をするうちに心を通わせて、技術も砂が水を吸うように吸収して、あっぱれ我が弟子よ、と帰国するときにこの上なく強い精神的紐帯で結ばれているというような意味で「我が息子よ!」と言ったらその中国人青年の怒ること。彼らにとって「お前はオレの息子だ」と他人に向かって言うということは、「オレはお前の母親と不倫したことがあるよ。そういうだらしない女だな、お前の母は」という侮蔑の意味なんだそうで。嗚呼、なんという不幸。
   英語圏でいうと「サノヴァビッチ!」ですな。直訳で雌犬の息子。えっちな文脈でよく出ますけど、「雌犬」って、性的にだらしのない、男なら誰でもいい、というような意味合いかと。おかあさんも既に野良犬の少ない社会で育ちましたんで(飼い犬もそんなに身近でない)、発情期のメスの犬ってそんなに凄いのかどうかよく存じません。

   で、ネットでそのジダン関係の記事を検索しますと、なんだかおかあさんやおねえさんについて「娼婦」と言ったとか言わなかったとか。補足的に「ラテン諸国では軽い悪口のニュアンスで『お前の母は娼婦』っていう言い方がある」って。オイオイ。「日本語の『お前のかーちゃんでべそ』に相当する程度」いやいや。そりゃ、今の日本の口語において「お前のかーちゃんでべそ」は罪のない悪口ですが、昔の日本の社会において、女性がでべそであるかどうかはかなり親密な関係にならないとわからないかと。だから、「オレはお前の母親と不倫をした!」という意味になるのかも知れませんが。

   

そ り ゃ 怒 る よ 。

   で、相手のマテラッツィとやらは「オレは幼い頃母を亡くしてる。そのオレが人の母にたいして暴言を吐くことは出来ない」と言ってるようで。でも「じゃ、姉さんは?」と押して聞くと「……」わりと愛すべき人かも知れません。でも、やっぱ女性に言っちゃいけない侮蔑だったでしょうよ。
   で、ジダンの方は
   「(1,2度は堪えたが)3度目には、男だから身体が反応した」って、なんじゃそりゃ、えっちなこと連想しましたが、要するに、我慢できなくて頭突きをお見舞いしてしまったと。

   

男 だ か ら 。

   いかん、イカンと思いつつ褒めてやりたくなってしまうじゃありませんか。
   でも、頭突きがでるあたり、身内の女性の名誉を守るのが男だと思ってるあたり。

   やっぱマッチョだよな。

   と思ってしまうのでした。でも、いや~ん、野蛮! とまでは決して思わないおかあさんもマッチョイズムに毒されているのでしょう。

   で、ユニフォームを引っ張られて(自由に動かせないためであろう)
   「そんなに欲しいならやるよ、試合の後で」と言っちゃったのがそもそもの発端とか聞くと、をを、エスプリが解ってる、ジズ(ジダン)はやっぱりフランスの子と思ってしまうのでした。ゴメンよ。フランス代表でいいのかと言っちゃって。

   「今大会のMVPはジダンを退場に追い込んだマテラッツィでしょ」と答えるフランスの監督さんも。やっぱ、フランスの男はこのぐらい言えないとネ。

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コメント

 無知ですみません・・・
 今回、ジダンが怒ったのは彼がアルジェリア移民二世だったから?との報道を読みました。
 それって何故?
 ミサイルに怒る日本人を理解できないヨーロッパの人々同様、テロリストと呼ばれることの屈辱をいまいち理解できない私です。
 知恵袋のまいね様、こんな私でもわかるように教えていただければ幸いです。

投稿: エゴ若 | 2006年7月14日 (金) 21時55分

うにゃっ。エゴ若さんいらっしゃい。わたしも最初は彼がアルジェ移民二世であること絡みだと思ったですね。
   フランスは昔アルジェリアを植民地にしましたな。その縁で70年代ぐらいからアルジェリアの出身者を本国で受け入れはじめ、市民権なんかも付与しはじめたと。そんで、ジダンパパもアルジェリアからやってきた人で、親戚は今もアフリカの方にいるそうです。彼自身はマルセイユの生まれでガッコはフランスのガッコに行ったらしいですが(15の時サッカーでスカウトが来て、学校も行かせてくれるてんでママが泣く泣く手放したとか)、そういう彼らはイスラムなバックボーンを隠さず宗教もイスラム教を守っているそうな(それで時々女生徒にスカーフ被って学校に来るな云々問題になってる)。今、フランスではそういうイスラム系の「市民」が増えているのが密かな悩みだそうな。
   で、お前なんかフランス人の皮をかぶっちゃいるがアフリカ系だろうと(わたしが予測したのはここまで)、ビン・ラディンとたいして変わらない「テロリスト」であろうと言っちゃったのではなかろうかと各国マスコミは想像を逞しくしとるわけですな。その裏には、そういうふうにイスラム系の人を「テロリスト」呼ばわりするおっかない現実が既に存在していると言うことだそうで。今大会は必ず各キャプテンに人種・宗教差別はやりませんと誓約を読み上げさせたというほどそのへん気を遣ってたそうなので過剰反応したのでありましょう。当のマテラッツィくんは「オレバカだからテロリストってなんだかよく知らないんスけど、それ、おいしい?」(意訳)とクレヴァーな発言をしております。
   それより、「おまえのねえちゃん超H(子供にはそう説明した」といわれたのを許せずに英雄の座から転がり落ちてしまった弟に、おねえさんは身の置き所もないでしょうな。わたしの名誉なんかうっちゃって自分の名誉の方を大切にして頂戴よと。

投稿: まいね | 2006年7月15日 (土) 00時48分

速報来ました。言った方か、言われた方か、ソースは忘れましたが「テロリストの売春婦の息子」呼ばわりされたから、が答えだそうです。「テロリストであるところの売春婦」なのか、「テロリスト向けの売春婦」であるのか詳しいニュアンスは不明ながら、イスラム系女性に対する最近流行りの(オイオイ)侮蔑語であるごとく伝わっています。
   で、ジダンママンは「そんなこと言ったヤツのタマ★マちょん切って料理してやりたいわ!!」と言ったとか。ま、落ち着いてね。
   おとうさんおかあさんは海の向こうのやや黒い人だけど、フランスで生まれてフランスのガッコに行って、たぶんラ・マルセイエーズ(フランス国歌)聞くと血が燃え上がっちゃうような若き「フランス人」が、「テロリスト」って言われたら、そりゃ不本意でしょう。うちの豹子が両親が金沢人で関西訛りっぽいからといって吉本芸人呼ばわりされたみたいなもんか。いや、あんまり切実感ないけど。

投稿: まいね | 2006年7月15日 (土) 01時28分

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