« 「アンダーザローズ」冬物語 | トップページ | サッカーはちょっと。 »

2006年6月11日 (日)

「功名が辻」23 ショウアップもほどほどに

   「敵は、本能寺にあ~り!」始まりました、「本能寺」サブタイトルから直球です。例年通り、番組宣伝で盛り上げまくります「本能寺の変」の回、今年は信長・濃姫・光秀が三角関係だとかいってますが、それってどうよ? 盛り上げ方間違ってない? 女性が脚本だからそういう切り口はとくに批判的に取り上げられやすいと思うのに、あえてやるとは大胆じゃのう。よっぽど自分の手法に自信があるのか。わたくしにはできませんです。かえって意地を張って、できもせん正統派にこだわって自滅すると。……それも困るな。とりあえず、同じシバリョウ原作の「国盗り物語」はそういう視点らしいから、「混ぜちゃった」で済むのかも知れませんが。
   番組開始からいきなり光秀くん挙兵です。また信長様お酒の飲み過ぎでひっくり返って、濃姫の膝を枕にいちゃついてます。したら、火急の知らせ、「光秀謀反」って。殿は逃げてって言ってるのに、あぶながさまったら目を剥いて、「ぜひにおよぶぁあず!」それがいいとかいかんとかって論議するまでもない、無駄だってこと。「あの」光秀がことに及んだからには手抜かりのあろう筈がない、自分が生きて脱出できることは万に一つもあり得ない。だから、「しばし相手して使わす」なんだな。「あの世とやらでまたまみえようぞ」と、濃姫とは死に別れるつもりで挨拶してます。一瞬の驚愕から判断、そして答えにいたり、それを受け入れる。トップってのはこんなおとろしい判断力が必要とされるんですが。
   で、白小袖(=ぱじゃま)姿、でも、サッシュはやっぱり赤いの~♪が襖を一枚開けるともうお小姓たちが待ってて取り囲んで鎧を着せかけます。先週申しましたとおりの南蛮胴。やっぱね、 寝間着姿ではお洒落じゃないですから。油断してました~って丸出しだし。そういう美意識を描いてくれて嬉しいです。
   それがね、いきなり銃撃戦です。長篠再び、みたいに、火縄銃を撃つと、後ろに弾ごめしてくれてるひとがいて、すぐ持ち替えてどんどん撃ちます。ナベケンジュニアであるという蘭丸さんをはじめとした小姓たちも以下同文。でも、光秀側も心得てて、青竹を何本も束にした奴を出してきて、それを立てて楯にして撃つのです。竹って円柱形をしてるし、繊維が強いから、こういうときには役に立つそうです。要は竹林では刀を振り回しにくいという話ですが、狙撃もしづらいとか。ああ、風でのしなりも独特だしね。新兵器が導入されてもやられっぱなしじゃないのね、お侍さんたちは。でも、あぶながさまったら、その、竹を束ねてる縄を狙って撃ってバラバラにしてしまうのです。楯がなくなり、慌てる光秀側。あぶながさま、さすが。
   女子供は斬らない、といってまた脱出してきた侍女たちに分別くさい言葉をかける光秀くん。嗚呼、あんたの限界はここだよな。なんだっけ、南極探検一番乗りでしくじったイギリス隊の方、スコットって言ったっけ。馬が凍死するたびに墓立ててやってたとか。そんなことで体力使って全滅するなよ。そんな本末転倒さ。でも、「奥方様は中にいます!」って、そのお濃様もトレードマークの蝶の打ち掛けにちゃんと着替えて(夫唱婦随ですね)「殿は地獄、わたしは極楽、別れ別れになったら逢えませんから」って、小太刀で助太刀に来てるし。
   鎧を着てない女性、しかも小さい刀一本しかもってないひとにやられる光秀軍は情けないと思います! なんで長刀じゃないんだよ。信長軍は、第1話(?)で一豊さまにチェックを入れたように、遠くから相手を狙って先に傷つけることのできる長柄の槍で成功したんでしょ? 奥方がそのアドヴァンティジを無視するようなことでどうします。いや、彼女が武芸を身につけたのは里方でのことだから、信長軍のメソッドを知らなくてもしょうがないのかな。とにかく、いわゆるくのいち殺法みたいな刀を逆手に持つ構えで乱戦を戦うのは違和感ありまくりでした。由美かおるじゃないんだから
   そうこうしてるうちにあぶなが様は銃弾に倒れ(日本式の鎧は鎖骨の辺りが露出しますな)、内部に退かれます。濃姫様も、「ベルサイユのばら」のオスカル様みたいに射殺されて。もう、蜂の巣状態。「女子供を手にかけるな」っていっといたご立派な光秀軍が奥方様をハチノスってどうよ? 無惨にしすぎ。その辺が、用意周到と見えてだらしない、徹底できない光秀軍という演出なら仕方ないけど。
   燃えさかる炎の中、もはや左手がきかず、脇差しを口にくわえて抜くしかできないあぶながさまがご最期です。「夢、まぼろしの……」と、敦盛の一節を口ずさんで。刀は頸動脈。そうですよ。切腹は実際キツイですから、あれは、介錯が致命傷です。介錯のいない状態での自殺は武士でも頸動脈スパッが基本。女性の自害も、昔は「懐剣で喉(もしくは胸)を突いて」というのがスタンダードでしたよね。手首を切るのは失敗しやすいので、ホントは死にたくない人のデモンストレーションだと思いますね。にゃいーう゛だったころ結構やってみたわたくしが言うんだからまちがいありません。当時はリストカットなんて言う便利な言葉なかったね~。中華風をかたる某ライトノヴェルで、犯罪が発覚したお女中が「手首を切っていた」って記述がありまして、あ~あ、やっちゃったよ、と興ざめしたこともついでに言っときましょうか。お城の中のお女中が自殺だったら、ふつーは井戸に身投げね(この場合は未遂に終わるため、使えなかったのかも知れないけど)。子どもたちがはまってるからあんまり言いたくないけどね。
   さて、本能寺自体は20分ぐらいで終わって、あとは、登場人物の皆さんの善後策。千代さんの横流しした六平太情報で長浜城はお女中も領民もみんな巧く逃げおおせ、秀吉くん一家は山に隠れることができました。役に立たない野口五郎出た~。一豊さまは鉄矢と二人千代さんを偲んで月を見てたら敵方に行くつもりの間者を捕まえ、本能寺の情報をゲット! これはすごいドラマ的偶然だなぁ。細川さん所は巻沿いを食わないために頭丸めちゃうし。みんなやるなぁ。時間があれば、ここでお金をばらまいて必死で逃げ帰る家康くんもやっといて欲しかった。驚喜する足利義昭(すごいボロ着てた。そこまで窮乏するもの?)はいらないから。
   中国大返しから山崎合戦前夜まですごい早足。さて、これから山内夫妻はどうなることやら。

|

« 「アンダーザローズ」冬物語 | トップページ | サッカーはちょっと。 »

コメント

今週の週刊新潮でこの本能寺が「冷笑される」なんて取り上げてあったそうで。ちら見してみたら、「西武警察のような銃撃戦」って。それはこっちも突っ込んだけどさ、「火縄銃を、撃って持ち替えてからまた撃つ描写がないからまるで連発銃を撃ってるように見える」って、見てないでショあんた! ちゃんと、撃って、横からさっと出してましたから! あぶながさまのシーンでは、1回ほど省略されてましたけど、前の、お小姓応戦シーンではちゃんとやってましたから!
この麻生千晶ってひとはどの大河も毎年、毎年、けなすための評論をよく見もせんと垂れ流しておるのです! 今回という今回はもう! 怒り心頭!

投稿: まいね | 2006年6月17日 (土) 14時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/10486658

この記事へのトラックバック一覧です: 「功名が辻」23 ショウアップもほどほどに:

« 「アンダーザローズ」冬物語 | トップページ | サッカーはちょっと。 »