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2006年5月11日 (木)

じゃぱ~~~ん!!

   先日の旦那様の東京出張土産は「エキゾチック TOKYO」というご当地キットカット。キットカットも受験のお守りになって以来攻めの展開です。なんとかいう有名なシェフの監修でラズベリーの粉末が使われているとか。そんなもんのどこが東京? 食べましたけど、やっぱふつうのが一番かな~でも、おかげさまでその日からしばらくは「ジャパ~~~ン!」と郷ひろみの歌声が脳裏に響いておりました(否、おかあさんの歌声もおうちには響いておりました)。
   前振り終わり。で、関係ないけど、仔猫ちゃんズ(当時)がプラスティック食器を卒業しはじめた7,8年前、旦那様のもらった引き出物の山から、ハナエモリの小振りなお椀のセットを見つけ出し、これはいい、と子供用に下ろしました。蝶々の模様がかわいいし。外は黒、内側は赤できれいだし。そのまま7,8年毎日使い倒し、具合の悪いときは2,3日洗い桶につけっぱなしだわ、裏にお名前シールを貼って幼稚園の豚汁パーティに持参するわ。塗りははげるしあちこち欠けちゃうし、満身創痍でした。それが、とうとうひとつにひびが3センチも入っておみそ汁が漏ってくるようになって。まだ2客残ってるはずよねと箱を探し当てたのが昨日。開けてみると、どこでなくしたのか、残りは1客になってました。早速出して夕飯に使いますと
   「きれい! お顔が映るよ」うん、きみの毎朝使ってたやつも、最初はこうだったんだ。おかあさん自身、こんなにキレイだったとは思わなかったので腰が引けてます。箱の中にはリーフレットが残ってました。「石川県山中町」そう。これは山中塗だったのです。
   金沢にいなくっても、輪島塗は高級漆器として有名です。あれはアテの木から削りだしたもとのお椀に布は貼るは、珪藻土を塗り込めるはと下地をこれでもかと固く作りまして、その上に、もう何十回と漆を塗り重ねて作ります。価格は伊達じゃないのです。金で模様が付いてるからではありません。それを、近年は高級女性雑誌なんかで、いいモノを直しながら使うのが本当の贅沢、みたいな記事がよく出ていて、どうぞしまいっぱなしにしないでつかってやってくださいと輪島の職人さんや漆器商のえらいさんが仰る。へえ、とお医者の待合室なんかで読んで感心して、じゃ、うちのお椀も直るもんなら直してもらおうかしらとおかあさん、それは甘い! 輪島のひとも、需要を創出するためにわざと言ってるのです。「使ってね」というのは「買ってね」ということで。今自分から買ったものでなくたって、使って壊れてお直しが自分に回ってくれば工賃は自分の懐にはいるのであります。嗚呼、情けは人のためならず。
   だいたい、輪島塗はそりゃ一生物ですから。少しぐらい修理にお金をかけたって元は取れます。さて、それより1段ランクの下がる山中塗。普段使いのもの、駅のお土産コーナーでも、手鏡やら携帯楊枝入れやらといった、あったらちょっと便利、なくても構わないお洒落小物が多いです。直してまで使うモノかしら? でももったいないの精神からダメもとで直してみるかしら、と、悩んだ揚げ句にファクスを送信しました。
   「引き出物でもらった御社製のハナエモリのお椀、毎日使ってたらひびが入ってしまいました。子供が気に入ってるので直して欲しいのですが直りませんか? 買った方が安いですか? 見積もりお願いします」住所氏名メールアドレス明記で。
   電話が返ってきました。
   「文書をいただきました正和です。お尋ねの件ですが、あれは直せません。買った方がということですが、それも無理です。実は、もう5年ほど前に製造中止で」
   そう言うことだと思ったよ。ハナエモリのお椀でぐぐっても、ヤフオクで「引き出物でもらいました」ってのしかヒットしないもん(ほとんどのうちで死蔵されてるんだな)。この正和産業のHPでも、取り扱い商品はもはやオリジナルのモダンな漆器ばかり。
   「しかし、まるっきり同じモノではないですが、似たような商品が倉庫にまだありましたから送ります」
   「って、お幾らですか?」
   「いいです、もう売れませんから、ははは」はははってそんな、おじさ~ん!
   やっぱり8年使ってひびがはいってもまだ使いたいってところを意気に感じてくれたのでありましょうか。いや、おかあさんのはダイエーで買ったより大きめのウサギちゃん柄のお椀なんだけどね。豹子はキティちゃんのプラスティック椀を卒業してずっとコレだし。
   明日には着くらしいですけど。とりあえず期待して待ってみましょうか。
   「引き出物の椀なんて安物なんだから。直すほどのことがあるか」と旦那様。
   「だって、ハナエモリだし、引き出物に使うくらいだから、山中塗りといえども高級品かと」
   「そんなわけがあるか」
   「わたしたちは輪島塗の盆だったと思いますが……そりゃ、最高級品とは言いかねますけど(真っ黒で輪島塗の特色たるなんの蒔絵も螺鈿も沈金も施してない)」
   「安物、安物!」ってそんな、引き出物は親に完全に選択権を譲り渡していた人の言うことですか。
   ってことで、みなさんの食器棚にも死蔵品の漆器があったら使ってやってください。くしちゃん! アーンドわたしどもの結婚式にご出席くださった方々、安物だそうなのでどうか使い倒してくださいね。漆器はニッポンの名を持つ国を代表する工芸品でありますからして。

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コメント

来ました。確かに、うちのとは違う夫婦椀セットでした。でも、有難くもらっちゃおっと♪
太っ腹な株式会社正和さんのHPは……皆さんお椀を請求しないでくださいね。やっぱ晒すのやめとこう(ぐぐると出てきますけど)。
最近は結構モダンなニュー漆器を出しておられる様子。興味のあるかたどうぞ。わたしは前のDCブランド漆器の方がまだ好きだなあ。

投稿: まいね | 2006年5月12日 (金) 21時49分

え、安ものなのぉ!?うちでは家宝状態なのに・・・でも、柄も可愛いし,大きさも手ごろで気に入ってます。ちなみに来週は家庭訪問なので例のおぼんも久々登場予定です。

投稿: エゴ若 | 2006年5月13日 (土) 20時58分

エゴ若さん騙されてくれてどーもっ!
でもわたしも引き出物にはけっこーいいものをお出ししたと思ってたので旦那様の言葉はショックでした。それより、原価としてはダイエーで売ってる上の下ぐらいのお椀を、勘違いして「直してくださる?」なんて問い合わせちゃったりして、(株)正和さんも笑っちゃっただろうなと思い出し赤面してます。えーん。恥ずかしいよう。

投稿: まいね | 2006年5月13日 (土) 22時01分

うかつなことは言えねぇな.輪島塗としては高級品というほどではないよ位のつもりだったが..家宝などといわずにどんどん使ってやってください.道具は使われてなんぼのものですから.わが家では結構引き出物は使われているな.最近は引き出物をもらう機会もほとんどなく新しい仲間は増えないな.去る者はあるけど.

投稿: にゃう | 2006年5月14日 (日) 00時48分

うわ、旦那様降臨。引き出物の去るものって……わたしが割っちゃうお皿のことですか……。事実なだけにナニも言えん。

投稿: まいね | 2006年5月14日 (日) 22時32分

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