« ♪大人の階段昇る~ | トップページ | 子供が減ると »

2006年5月 5日 (金)

「ハウルの動く城」彼の本分

   やっとこさ見ました。豹太が春からの最高学年の責任に起因する(?)疲れに運動会の練習づかれ(これも6年生ゆえであろう、組体操の筋肉痛)が重なって、咳の止まらない風邪で連休を棒に振っておるのです。あ~あ、おかあさん君たちを野球に出しといて東北歴史民族博物館にシルクロード展見にいくつもりだったんだよ……。
   まあいい。近所のTSUTAYAはケロロは全巻貸し出し中だし、コナンはDVDとの入れ替えの真っ最中で去年の映画のVTRどっかいってるし、じゃ、ほとぼりも冷めたところでと「ハウル~」にしました。
   原作を読んでからずいぶん経ってるからどんなイントロだったか忘れたわ。でも、始まってすぐ、世界観にすんなり入っていけました。紳士も淑女もお帽子が必須の古き良き時代。蒸気機関が主流で。あら、でもまあ独特のフォルム、生き物みたい。荒れ地には動く城が徘徊していて、そこに住む魔法使い、ハウルは若い娘の心臓を食べると噂されてる。帽子屋のソフィーは惣領娘、しっかり者だけど「守らなくちゃ」「しなくっちゃ」だけで生きてる。開戦の(?)にぎわいの中、出かけたソフィーは兵隊に絡まれたところを不思議な力を持つ美しい若者(本当に美しかった!)に助けられる。これが魔法使いハウル。世慣れたリード、大空の散歩。強ばる表情、おっかなびっくり足を伸ばして、一歩、一歩。これは宮崎アニメらしい実に魅力的な ア ボーイ ミーツ ア ガール。
   原作で、ソフィーが荒れ地の魔女に呪いをかけられたのは、お客に言ったセールストークが予言ぽくなっていて魔女の素質を見せていたかららしいです。だから、自分を脅かしそうなものは芽のうちに摘み取る、という意図で来た様子。ま、おかげで自分の最凶のライヴァル同士を引き合わせてしまったことになってるのが皮肉。さて、アニメ版では、どうでしょう、「うまい」とハウルが言うように、やっぱり魔法に対する適性があったのかな。それも過去に因縁があったからと言うのはどうでしょう。行き過ぎ感を感じましたけど。原作はどうだったっけ? ああそうか、本人同士も忘れてる過去の因縁をかぎつけて、そして再び出会ったことで二人の物語が始まることを知って魔女はソフィーを舞台から引きずり下ろしたのでしょうか。
   おばあちゃんになっちゃったソフィー、その開き直りはどうよ? 家族に心配かけまいとする性根の強さ。行動の素早さ。やっぱり女は強いのか? これがハウルが90のじいさんに変えられてしまったら。その瞬間にヘドロになって死んでるな。いかんよ。すかさず居場所を勝ち取るたくましさ。こんなおばあちゃんの心臓なんてハウルも食べないわって。ううむ、そんなもんか。おかあさんも強くなろうっと。
   原作では「え? あんたら恋してたの?」って感じでしたが、アニメは解りやすく好意を出し合ってます。せっかくお掃除したのにまじないがめちゃくちゃとかいって勝手に切れて勝手に落ち込むハウルに涙ボロボロのソフィー。「きみが行って王様に説明して」って男の風下、トイレに流したろか状態のハウルのために王宮まで出かけてやるソフィー。サリマン先生との会談中にぶち切れて言いたいことを言ってやるソフィー(ホントに、ソフィーは自分にできることを進んでこなして自分の居場所を作ろうとしてる男前さんなのに……)。その姿に心を動かされてソフィーのために城を改造、店を開こうとするハウル。イヤ待て、ソフィーの演説を聞いたから嬉しくなったんじゃなく「ハウルに恋をしていますね」とサリマン先生に証明してもらったからか? 自分で「ソフィーは僕のことを想ってくれてる」と感じるだけじゃ不安で、第三者に裏書きしてもらってはじめてソフィーのことを受け入れられたのか?(なんかそれっぽいぞ)……ヘタレハウルサイテー!!
   
ま、忍び寄る戦火をよそに、お二人さんお心はしっかりと寄り添ってゆくのでした。戦争反対を取り込んだのはちょっと微妙。魔法使いの勉強をはじめたときに誓いを立てたから戦争に協力しなくちゃならないってのはどうかな、防衛大学の任官拒否みたいなもんか? 国の金で勉強しといてそれはどうよ? おかあさん最近ネットウヨクの影響を受けてるかしら、ちょっとなんでも戦争に反対すりゃいいってのはどうよって思っちゃった。魔法の軍事利用についてはそりゃ1も2もなく反対ですが。あ、まて、でも守るものができたから今からは戦うって言ってるな。ま、しょうがないか。私は善良な魔法使いです、戦争協力はいたしませんって言っても爆弾は無差別に降ってくるし。
   純粋に身を守ることと、原作からある脅威、荒れ地の魔女の「ハウルの心臓欲しい」攻撃をかわすこと、この2方面作戦でハウルはとうとう傷つき倒れます。このとき、ソフィーの出番。魔女の適性以前に、彼を真実愛するものだけが使える魔法で彼を救うのです。この辺がおとぎ話の王道っぽくてよいですな。
    愛が勝利すると、ついでにこの物語最大の伏線、謎の蕪の呪いも解けてあっさりこいつが戦争終結に効果を発揮します。やっぱさ、戦争はそういう上の方の人間の決断で動くもんなんですね。国際政治に貧者の一灯は通用しません。悲しいけど、これ現実。それでも魔女も使い魔も悪魔も魔法使いの弟子もみんないっしょくたに家族になって、ハッピーエンドというのはよかったじゃないですか。
   フリーハンドっぽい、生き物っぽいメカ(ヒレのようにうごめく翼はどうよ!)、大空を滑空する機械(「ケロロ軍曹」の鯉のぼりメカのような飛行機に、ゴーグルだけで2人も3人もも乗っちゃってる!)、そこに生身の肉体もすぐ近くに寄り添ってる感覚。これは宮崎アニメの爽快な本分でありましょう。やっぱりいいものはいいわぁ。

   

|

« ♪大人の階段昇る~ | トップページ | 子供が減ると »

コメント

おかあさん例によって暴論ニスト入ってるんで聞き流して欲しいんですけど。
ハウルがヘタレである象徴が「戦争に協力したくない」ってのは、ニッポンが世界に送り出す物語としてどうよ? 逆に「魔法で人を殺さない」といことが宣誓の内容であった方がイマドキあり得るし、深いのでは? 愛する人達を守りたい気持ちは当然ある。だが、自分は魔法を学ぶ最初に誓ってしまった、それを状況が変わったからといって破れない。「魔法でいのちは作れないんです!」なんて絶叫させたりして文科省受けねらい(笑)。頭が固いというのは解ってるけど、それこそ「だれかこの縛られた手をほどいてくれ」(「ブラよろ」ガン病棟篇参照、なんつって)状態。義務として、また、心からの願いとして戦いに出て、戦績を上げながらも心が夜叉となっていくような強迫観念に押しつぶされそうなハウル。それはそれでファンタジーにしちゃ重いけど描きがいはありそうよ?

投稿: まいね | 2006年5月 5日 (金) 22時38分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/9910337

この記事へのトラックバック一覧です: 「ハウルの動く城」彼の本分:

« ♪大人の階段昇る~ | トップページ | 子供が減ると »