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2006年1月31日 (火)

「カラワンギ・サーガラ」愛はマサラ崩壊を救う?

   「カラワンギ・サーガラ」津守時生(角川スニーカー文庫)読了致しました。ネットによると、これは不人気、駄作認定の絶版作品で、登場人物が一部共通する「三千世界の鴉を殺し」の人気のおかげで完全版が復刊されたという曰く付きの作品らしく。1,2巻を読んでいる間は、なんでこれが駄作なんだろうと真剣に思ってたんですが。
   密林の惑星マサラは文化レヴェルが低く、銀河連邦加盟には至っておらず、一般の連邦人は立ち入り禁止。ところが、未知の生物を薬品の材料として求める製薬会社が密かに潜入、研究所を築いて長年にわたってマサラ人と接触をしておりましたそうで。19年前には、研究者クレバーが行方不明になり、さらに翌年には生まれたばかりの女の子を「自分の子だ。地球人として育ててくれ」と仲間に託してまた行方をくらましておるのです。この女の子、スーリヤが成長し、大学に合格して入学を待つ春休み(4月始まりなのか?)に、マサラで研究をしているクレバーの妹を訪ねるところから物語は始まりますが。   登場人物多いんだ。研究所の人間は、スーリヤの叔母アスカと護衛隊の女性六芒星人コルネラ、へろいアレクセイにしぶいセルゲイ(この辺は地球人)。天使のような顔に食えない性格のニコラ医師(これが例のラフェール人と判明)、もっといるけど悪いヤツですぐ殺されるからおかあさんはスルー。
   マサラ側登場人物が。彼らは出生時に「神」に全員見せに行って、腕力、精神力、超能力などの潜在能力をみて「戦士」と「巫女」が選ばれるそうで。「戦士」は、「ファイブスター物語」(永野護)における「騎士」のようなもので、各村の代表で、争いは彼らによる代理戦争でカタが付くことになっておる模様。美しいこと、強いこと、誇り高く責任を果たすことを要求される存在。戦闘のときには生態融合するバトルプロテクター姿になり、これが3段変身するらしいからスゴイ(これを研究所の悪玉に見つかり、解剖されたのが事件のひとつの発端)。これが村毎にいるから大変。研究所に友好的な村の戦士タウ。彼は温厚で親切ないいやつ。彼の親友で改革急進派リーダーがブラナー。なんで改革派かというと、「神」カラワンギの秘密を知ってしまったから。逆に保守派なのがまだ若いスリウォン。彼が、祭りの余韻でトランス状態に入り誰も知るはずのない「巫女」の踊りを舞っていたスーリヤをさらってしまったのがもうひとつの発端。さらに、ブラナーに妻をさらわれ、誤解から手に掛けてしまった哀しみ(八つ当たり)でさまよう狂戦士ティランマ。目もあやな美形がぞろぞろで、各人の身体的特徴(こめかみにメッシュが入ってたり、極彩色の入れ墨が入ってたりそれぞれ個性的)までは覚えてらんなかったです。
   全てを奪い去ろうとする製薬会社側からマサラを守ることができるのか、スーリヤはマサラの救いの巫女なのか、マサラ人は人体実験の被験者の末裔なのか。様々な因縁が絡み合い、惑星崩壊のスイッチが入ってしまったマサラ世界が激動のときを迎える……。
   ファースト・コンタクトものとはちょっと違う、異世界接触もののSFだと思って興味深く読んでたんですけど。
   3巻に入って、前作「喪神の碑」の登場人物が同窓会出演で、危機もそういう「外側」の登場人物が食い止めてくれちゃってさ。そりゃ、彼らの消息がしれたのは嬉しかったけど。なんか微妙。確かにハッピーエンドで(年少組は結構せつないが)、前半痛々しかった彼の復調はもう「男って単純……」と脱力ものだけどホッとしたし。駄作とまでは思いませんです。はい。

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