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2006年1月 5日 (木)

「三千世界の鴉を殺し」爆笑ミリタリーラヴコメ?

   いや絶対違うけど。わたしの今年最初の読書は読みさしだったこの本の3巻でした。
   とむ影さんのところの書評で表紙イラストに一目惚れして紹介して頂きました。長髪の軍人さんに、眼鏡の白皙のドクターに、タイトルがまた、高杉晋作だかのうたでしょう? なんなのよ、いったい、という。
   1巻のページを繰ったら、これは型破りな超美形軍人さんの左遷による赴任からはじまって、これは男が男に惚れる話であろうという偏見を覆す魅力的なおねーさん軍人が登場して、主人公を翻弄しつつ華麗にフォロー。あなた様はいったい彼の何様? と思うと、爆弾宣言アリのもう、めくるめく愛のジェットコースター。下ろしてくれなんて申しません。
   そしてやっぱり登場する性格にかなり問題ある美形のドクター。異能を持つ異星人だそうです。無能・もっさり系のでくのぼーと呼ばれいつもにこにこ笑ってる系の異星人てのは出てこないものか。詰まらんからな。ああ、そーか。ブレーメンII(川原泉)のリトルグレイだよ。やっぱ教授は偉大だな、21世紀になっても。
   そして男と男のめくるめく愛の世界が始まるかと思ってみれば、なんと爆笑、失笑のミリタリーコメディが始まってしまったのであります。おかあさんは、必要に応じて親友である上司のルシファ(主人公!)を押し倒す副官のライラさんが大好きです。いいじゃん、彼女と結婚しちゃえよ。こんなに自分のこと理解して完璧にフォローしてくれる人はチタンのわらじを履いて探しても見つからんよ。しかし、雑誌と出版社がそれを許さない? いいえ、この作品の魅力は、その抱腹絶倒の軍隊生活に婦女子の趣味が密接に絡んでいるところにあるのです。あのいけないおねーさんたち(作中では女性兵士や看護師さんたち)の薔薇色の趣味を、ルシファやライラは笑い倒し、ネタにされた真面目な軍人さんたちが困惑したり怒り狂ったりしてる様子をこれでもかと描き倒しているのであります。ここまでいけないおねーさんたちのことを批判的に描いて、大丈夫なのかと思わないでもないですが小説ウイングスの読者の皆さんは客観的なんですねえ。
   物語のシリアス方面の内容も非常に好ましく、おかあさんったら、この話と「喪神の碑」
との間の話である「カラワンギ・サーガラ」を7&Yに注文しちゃいました。
   今のところ3巻まで読みましたが、非常に続きが楽しみです。とむ影さん、よろしく! お集まりの皆さんも、機会がありましたらどうぞ。

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コメント

わっかりました!
世界は一緒でも、この3つの作品は、切り口やらなんやら、別の小説なのね。

投稿: とむ影 | 2006年1月 8日 (日) 17時37分

   ううむ。我が愛しのブラームスの4重唱曲に「問い」というのがあって、ブルグミュラーの「貴婦人の乗馬」って曲がありますでしょ、バイエル終了レヴェルぐらいの、あれくらい軽やかに飛びまくる伴奏に「どうしたの? 浮かない顔で」とソプラノ、アルト、バスが尋ねて「恋に落ちたんだ」とテノールが答える掛け合い形式なんです。3パートが冷静に突っ込んでるのに、「彼女と二人きりで逢えたらこの身も、キミも、天さえ他人にくれてやる」とテノールは暴言かますのです。どうやら、最後には「あなた、地獄に堕ちても知らないから」と終わるんですが。
   昔から、この曲の3パートはテノールの恋人なんじゃないかと思ってました。わたしというものがありながら、恋に落ちたとか抜かしてる。だから、最後には恨み言を言いつつリフレインで消えてゆくんだろうと。
   なんか、運命の恋に落ちてしまいそうな(もう堕ちてるのか?)ルシファを見ていてこの曲を思い出しましたさ。若い健康な男としてライラが襲いに来る分にはうれしいけど、愛を感じるまでいってなくて、きれいな異星人のドクターの心に入り込んで宿命的な恋をしようってところが、なんか、哀しいです。ホント「地獄に堕ちるわよ」っ!

投稿: まいね | 2006年1月 8日 (日) 21時52分

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