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2005年9月17日 (土)

モロゾフの秋のお菓子

   本日はカーニャ(娘)とお出かけ、帰りに仙台駅地下の名店街(エスパル)に行ったら、モロゾフが秋のキャンペーンを張ってるじゃありませんか。
   「日本人ならカボチャは冬至」旦那様がいくら言っても、近年のトレンドは「秋はハロウィーン、カボチャで盛り上がろう!!」ですから。プラスティックのカボチャのパッケージにお好みでお菓子を詰め合わせて云々とやってます。もうカーニャは目が爛々。
   「にゃんこさんだ!」ハロウィーン→魔女→黒猫という三段論法で黒猫のキーホルダー(キャンディ内蔵)。これがまた、タイミング良く昨日「魔女の宅急便」やってたんだ(苦笑)。はい、黒猫キーホルダーお買いあげ。252円。
   そしてさらに。
   「うさぎさんだ~!」明日は仲秋の名月、チーズケーキの上に粉砂糖で横向きうさぎさんのシルエットを描き出したチーズケーキ、ホールで1050円。真っ白に粉砂糖を振りかけた上からミッフィーちゃん的お耳と目と鼻と口だけのミニマムなうさぎさんを描き出したレアチーズケーキ同じく1050円。悩んだ揚げ句に最後の理性を振り絞って、透明プラスティックの楕円のお皿の上にカスタードクリームを流して、その上にまあるいぷりぷりの白玉(?)をふたつ浮かせた冷たいデザート315円を2つ買って帰ってきました。ヴァニラともしかして軽くアーモンドかココナッツかが入っていたような。前日にたべた「サトウの切り餅」の白玉とはまた別の風味がしましたから。
   で、これを書く前にモロゾフのサイトで確認を、と思ったら、ハロウィーンは公開されているのにお月見ケーキは情報がないんですよ! プリンとか、冷たいお菓子類はサイトに載ってないんです。数のうちには入らないの? モロゾフはクッキーとチョコレートが本業だとでも? なんだかちょっと義憤のようなものまで感じたり。
   ……責任者出てこい。

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2005年9月16日 (金)

BSアニメに「カルバニア」はいかが?

   それでは暴論を一席。
   「十二国記」、「今日からマ王」と王様もので独自路線を行っているNHKBSアニメですが、次シリーズにはTONO作「カルバニア物語」なんてどうです?(徳間書店CHARAコミックス)
   ファンタジー世界の架空の王国カルバニアにおいて若い王が過労で逝去、空位の時代を経て、即位したのは一人娘のタニア王女。今時Dカップでは巨乳とは言えないかもだけど、美人で真面目な若い女王が初登極です。初めての女王、しかも二十歳前(推定)に、「なめられてはいかん」と後ろ盾の長老会議はデマを流しました。それは……という第一話から、王権とは何か、女性が政治に参加する意味とかをファンタジー世界ながら考えさせられてこの路線にあってると思うんですよ。基本的にコメディですが。単行本も九巻ほど出ているし。
   絵柄はアニメにしてみたい線の少ないほんわかした絵で、ちょっと今までの路線とは違うかも知れませんが、掲載誌がボーイズラブ系ということでその辺のネタも多少あるのでファン層的には意外と継承していけるかも。
   問題は、黙っていれば天下の美女である、タニアの乳姉妹、幼なじみの公爵令嬢エキューが男装の麗人というか野人で生理とか夜這いとかいうタームが続出してしまうこととその初恋の相手の公爵ライアンが美少年愛好家であることかな。ま、今時それくらいありということで、さわやかな土曜の朝に美少女とおっさんが生理生理と叫びあうアニメなんか見てみたいもんですな(提供はユニチャームで、あ、NHKだった)。
   ファンとしては、あの絵を崩されたり、世間を憚って下手に物語を改変されるくらいならそんなもんアニメ化なんかしないで欲しいに決まってますが、純粋に企画を立てる方から見てのお話。

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書くことの恐ろしさ

   その昔、とある高名なエッセイストのエッセイを読んでおりましたら。この方、パジャマにポケットがあることに疑問を感じられて。そりゃそうだ、着替えたらあとは寝るだけ、昔、しつけのいいうちはパジャマ姿で食卓に着くと怒られたもんです。それくらい、ごくごく私的な空間でだけ着るもんだと(うちにいるときは90%パジャマ姿の旦那様に向かって聞こえるように。新婚の時ペアで買ったパジャマ、旦那様の方だけ先にボロボロになっちゃいましたよ)。ポケットなんか、要りませんよね、たしかに。無駄なものをつけずにコストカットするべきだとかいうオチだったかな、その時は。感心しましたともさ、おかあさん単純だし。
   ところが、その後自分が入院しましたら、病院ではパジャマ(私はネグリジェ持ち込みましたが)が普段着なんですね。トイレに行くにも、ちょっと売店に行くにもそのまんまの格好で。いちいちポーチを持ち歩くのも、1週間だと嫌になって。
   パ ジ ャ マ (ネ グ リ ジ ェ) に ポ ケ ッ ト は 要 る ん で す。
   自分の周りだけでものを判断して、上からものを言っちゃったらいけないんですねえ。ものを書くって怖いことです。というわけで、経験が不足しております関係上、暴論、空論あると思いますが、遠慮なく突っ込んでやってくださいませ。
   ちなみに、最近はさらっとした作務衣風打ち合わせの上下が共通患者服として支給の病院もありますが。やっぱりポケットついてるんでしょうね?

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2005年9月15日 (木)

開設のご挨拶

Siehe, meine Tage sind einer Handbreit vor dir,
und mein Leben ist wie nichits vor dir.

       見よ、主の御前にては我が日々はつかの間である。
       そして、我が人生は主の御前では無に等しい。

 聖書の言葉ですが、私は真宗西本願寺派(?)の仏教徒です。
 大学時代に結構まじめに合唱をやったので、聖書の文句に詳しくなりました。
 若い頃にあの恐るべきエネルギーで自分たちがコチャコチャやってることを
「無である」なんて言われたらそりゃショックですって。
 一生のテーマになりました。

   舞音の日々(ま い ね ・ た ー げ) は 無 で あ る か ?

 精一杯の悪あがきです。思慮も才能もありませんが、どうかお付き合いください。

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ご挨拶代わりに~掌編 =残菊=

 早春の陽は頬を烈しく照らしはじめたが、物陰に入ればまだぞくりと背が冷える。亡き母の丹精していた梅の蕾は小さい。ほう、と吐いた息の白く立ち上って霧消するのを見送って、多津{たづ}は箒を握り直した。彼女が掃けば、庭に青海波が描かれる。半円の筋目がびっしりと重なり合い、乱れなく庭を埋め尽くす。
 そうして、広くない庭の植木のひとつひとつに囁きかけるように手をかざして見入りながら、小半時もめぐっている。最後は、鉢に仕立てた江戸菊だ。縁先に置いてある白い菊は、年が明けたと言うのにまだ咲き誇っている。飽きずに見入っている多津の前髪のところには、年に不釣り合いな絵柄の櫛が光っている。知らず、その櫛に手が伸びかけたところに、生垣の外より声がかかった。
「多津どのは本当に庭がお好きと見える。お寒くはないのか?」
 多津は箒を取って立ち上がった。生垣に手をかけて覗き込み、歯を見せているのは亡き父の友人であった坂本釆女の嫡男、主計である。
「いいえ。主計さまは?」
 ゆっくりと歩み寄って、木戸を開けながら多津は答えた。主計は道場に通っている。多津が庭掃除を終える頃と、朝稽古が終わって主計が帰宅する頃がちょうど合うのであった。
「汗をかいて来たゆえ、このくらいがちょうどよい」
 胸を張って見せる主計の、陽に焼けた顔を見ないふりで、多津はそっけなく言った。
「お茶をさし上げましょう。こちらへ」
「や、ありがたい」
 若侍は破顔して、のこのこと多津に従った。

「市之進どのももう江戸には慣れられて、お役目のことも少しずつ身につかれた様子と父よりの書状に」
「しかし先ごろの寒さは堪えましたな。道場の四郎めが、火鉢の上にまたがって暖をとろうとして。あれは、おっかなびっくりで片足ずつ乗ってはなりませんな、わっと傾いて、そこらを灰だらけにしてしまって母親にさんざん叱られたそうで。それが、灰をこぼしたからではなく、勇気がないために失敗したのが情けない、という理由だったとか」
「到来ものの干菓子が、嘉助に持たせましたゆえ後程ご賞味を。あ、いや、お気になさるな。旨い事は旨いのだが、なんというか、おれには甘すぎて。母上は母上で最近歯を悪くされて、このようなものはしみるゆえ目の毒と仰せられてな。どうか人助けと思ってお受取を」
 多津は、微量の微笑みを口元にたたえてただ聞いている。市之進は、先年元服したばかりの多津の弟である。藩主の参勤に従って、四月より江戸に出ている。
 その、婆やのおみつに下男の与兵衛がいるきりの、当主の留守宅に入り込んでは、といっても縁先だが、主計はほぼ毎日しゃべり散らしていくのだった。
「しかしこの菊も長いな。もう年も明けたというのに」
 鉢に目を止めて主計は言う。これは、「坂本の花屋敷」と巷間呼ばれる主計の家で育てた菊である。下級藩士の屋敷は庭だけは広く、住人は禄で足りぬ分の食い扶持を自分で耕して賄うのが常であった。
 が、彼の母はそれを花卉{かき}栽培に使った。あるものは覆いをかけ、また、あるものは日差しを追って日に何度も動かして花の時期を加減し、屋敷には年中花が絶えることがない。その丹精した草花は付け届けに用いて十分効果を期待できる出来であった。それを、朝顔が枯れれば竜胆、それも散り果てれば菊と次々に持ち込んだのは主計である。
「坂本のお家よりいただいた花ですから。持ちも格別でありましょう」
 短く多津は答えた。
「いや、拙宅にてもこれだけ長くは咲いてはおらぬ。多津どのが心を込められておられるからであろう。多津どのも花がお好きでおれは嬉しい。当家にお越しになっても庭仕事をご苦労には思われまい……」
 はじめて、困ったように多津は顔を背けた。主計と多津はかつて許嫁同士であった。
「お寂しくはないか? 冬の間だけでも当家でお預かりしようと常々申しておったのに。いや、先の春、市之進どのが元服されたからには晴れて嫁いで来られると、おれは」
「それは、もうなかった事に、というふうに申し上げた筈です」
 多津は遮った。
「おれは、延びただけだと思うておる」
 鍛え上げたからだから発せられた声が、決然と響いた。二人が十七の時に多津の父は亡くなった。嫡男である市之進は、まだ十才にすぎなかった。叔父がいたおかげで禄を召し上げられるような事にはならなかったが、既に母をも亡くしていた多津は、弟を守ることだけを自らに科したのだった。
 黙ってしまった多津から眼を逸らして、主計はまた口を開いた。
「……鶴はどうして片足立ちをしておるのかのう。寒かろうに」
「両足を上げれば倒れてしまうからでしょう」
 片足は、どんなに寒くても自分を支えねばならぬ。
「確かに! 確かに……」
 膝を叩いて屈託なく主計は笑って見せた。
「仲間同士身を寄せれば、と、おれなどは思うが。うずくまれば脚も暖かかろう。小屋に入ってもよい」
「それは鶴ではございませぬ」
「なるほど、左様か」
 茶を飲み干すと、ぱん、ぱんと膝を手で払って主計は立ち上がった。
「馳走になった。陽が翳ればまだまだ冷える。庭いじりも程々になされよ」
「いいえ。ありがとう存じます」
 木戸から出てゆく姿を、眩しそうに多津は見送った。障子を閉めて勝手向きに入ると、主計が下男に持たせた干菓子をおみつが出してきて勧めた。主が若年で、なおかつ江戸に出ていれば到来ものがあることはない。むろん、自家用に求めることなどかなわぬ銘菓だ。口に含んでみて、多津にはその甘さが身に染みた。

 その夜、小さい影が菊の鉢に近づいた。持ち上げて、台から下ろし、脇に置いたものを代りに持ち上げようとする。と、足を滑らせて尻餅をついた。ごとっ、と、低い音がしてものの散らばる音が続いた。押し殺した声がかかった。
「なにをしている? それは盗ってよいものではないぞ」
「ち、違う……」
 自分のしでかした事に口も利けないでいたその者は、その言葉にはっとして、べそをかきながら散らばった土をかき集めようとした。その顔を手燭で覗き込んで、与兵衛が身を乗り出した。
「坂本さまのところの坊主だな。嘉助さんはどうした?」
「じいちゃんは寝込んでて。そんで今夜はおいらだけで……」
 いいさして、はっとして割れてしまった鉢を背に隠し、台から下ろしたもとの鉢の方を戻そうとする。花弁の先が少ししおれたのが目立つようになって来た菊を。男の子の背には、同じ背丈の、同じ大きさの同じ数の花をつけた菊が、無残に地に横たわっている。
「ああ、残念だったな。これは片付けておいてやるから戻って次の鉢を持って来るといい」
 事も無げに言うと、しゃがみこんで与兵衛は鉢のかけらを集めはじめた。
「だめだよ、もうないんだ。これが最後の菊だったんだ」
 しゃくりあげながら、男の子は続ける。
「知ってたの? 鉢を取り替えていたって。お嬢さまには申し上げないで。興醒めなさるよ」
「大丈夫さ。もうお帰り。わしが送らない方がよいかな?」
 黙って頷くと、こっくりをして子供は帰っていった。

 翌日以降、多津本人が出かける用事が続いて、二人は逢う事がなかった。しばらくぶりに生垣越しに中を窺っていた主計は、多津に呼び入れられて躊躇した揚げ句に縁に腰を下ろした。横目に見る菊はかなり移ろって、花弁がもう十枚ほども反り返ってしなびている。
「さすがに菊の季節は終わりと見えます」
 多津はこの日饒舌であった。代わりに、主計は傍らの菊のように首を垂れている。
「白い菊は、これもよいかと。薄く紅が差して、艶な趣きではござらぬか」
 やけのようになって、主計は言った。
「主計さまももの好きでいらっしゃる」
 ほほ、と微かに多津は笑ったようであった。
「すがれたような菊もよいなどと……」
 大きな身体をちぢこませる主計を見やって、多津は続けた。
「主計さま、先日の、鶴の謎でございますが」
 唐突に話題が変わって、主計はかいてもおらぬ汗を拭う手を止めた。
「足を踏み替えるくらいはしてもよいかと。次にはもう一方の足が堪える番と、申すものがおりまして」
 はっとして見上げた多津の眼も、恥じらいを含んで艶であった。
「すがれたような菊でよろしければ、叔父が近々ご挨拶に上がって、これからのことをご相談申し上げたいと」
 手拭いを取り落とした彼が返答の言葉を探すうちに、心のつかえのとれた多津はなおも畳みかけた。
「ですから、あのような幼い子に夜、お使いをさせないでくださいませ。花はもう、じゅうぶんでございます」

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