「クラッシュブレイズ パンドラの檻」それを開けちゃいかん!
1時間で爆読(新語を造らないように)。やっぱり面白かった。
ケリーが警察に任意同行を求められます。なんと強姦容疑で。オイオイ、おかあさんそのネタには過敏なんだけど。製薬会社のキャリア女性に、企業秘密の持ち出しを迫るために犯行に及んだとか。なんじゃそりゃ。必死に身の証を立てるケリーたちですが、それは大いなる陰謀の幕開けに過ぎなかったのです。
性暴行についてアタマっからジャスミンがまくし立ててくれて、この作者さんに時々見られる女性についての問題意識が小気味よく語られます。ここで1スッキリね。ああ、おかあさん単純。この警察の捜査官が女性で、わりと理性的に公平に対処してくれて、この作品世界の官憲としては比較的ましな方、ということで小さくホッ。
ジャスミンは黒い天使の使い方も心得ていて、被害者女性への情報収集のための接触も拍子抜けするほどやさしくて、2スッキリ。彼女には立ち直って欲しいです。
敵の黒幕が解って、その目的が明らかになると、もう、降りられないジェットコースター。ケリーに活躍して欲しいとは思ったけど、このネタですか。怖いよう。黒いよう。あなた、そのためにファロット二人を呼びますか。使いどころを知ってるところが怖い。目と目で通じ合うあんたたちも怖いです。しかし、「デルフィニア」の時にはただ薄気味悪かった二人にそれなりにがんばってと思えるようにしてしまった「暁の天使」シリーズの恐ろしさよ。勉強が遅れる、学校に行かせろとこだわるヴァンツァーが可愛く思えてきてどうしましょう。そして、やるかやられるか状態とはいえ最後の砦の常識人ダン船長も人殺しをするんだなぁと寂しいキモチになっておしまい。
「目指せ一般人」って、無理ですね、彼らには。いや、「血の臭いが気になる」ようになってるんだから感覚は一般人になりつつあるのか?
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