2019年5月19日 (日)

本日の手仕事ニッポン

   前の項に関連して。

   日ごろうちで穿いているリラックス用のパンツ(ウエストのゴムが緩くなったのを力技で入れなおしたと数年前ここに書いた)が、古びてボロボロになったので、そろそろ新しいのを買おうと思ったところが、この冬油断してとんでもなく太っていて、ウエストがちょっとすごい値になっていて、こんなサイズはユニクロにもないのでは、と大いに反省、意気消沈。でも、じゃあお裁縫大好きの実母に縫ってもらえばいいじゃん、いつもは趣味にお金をかけない主義で適当に古着をリサイクルしているからとんでもねえのができるのであって、自分が購入に立ち会い、材料費も出してついでに芯地やらゴム紐やら糸やらの小物も買ってあげれば、母の日の贈り物も悩んだ挙句に

「おかあさんこんなのいらないわ」

 と言われることもなくお互いストレスフリー! と、実家の老母をなだめすかしてお買い物に連れだしたら。

   「ここはいい服地がお安くてお気に入りなの」とばかりに金沢郊外の小さなお店に連れてゆかれ、なんかプレハブっぽい(失敬)大教室ほどの店内は所せましと服地を巻いたロールが立ってたり横に積んであったり。仙台だとマブチ、池袋だとキンカ堂、この辺だとユザワヤみたいに明るい店内に手芸材料から服地から初心者向けキットとか各種小物がきれいに展示されてるああいうお裁縫のテーマパークみたいの想像してただけに失望限りなし

   わたし、自分では何にもしないけど、ああいうお裁縫の品物見て歩くの好きなんですよねえ。チャコペンとか、ゴム紐通しとか今はこんなに便利になってる! とかちいさい感動があって。

   そういう自分の娯楽も込みのつもりだったから。

   いやそれは事前にすり合わせしておこうよ。(反省)

   とりあえず、端切れサーヴィス! ワゴンに載ってた茶色のちょっと厚手の布地をちょうど着分相当だったので買いました。

   「おかあさんは芯地を買うわね」

   薄手の布に張りを持たせたり透けないように(?)裏から貼る不織布を2メートルほど買ってました。こちらもお金出してあげようとすると断られました。趣味にはストイックな母です。うーんこまっちゃう。

   お買い物を済ませると、母問題発言。

   「じゃあこんど小枝さん(仮名)に持っていくね」

    ちょっとまってマザー!?

   「おかあさんが縫ってくれるんじゃないんですか?」

   「わたしも作れると思うけど、こういうのは小枝さんの方がちゃんとできると思う」

   「小枝さんってあの、おかあさんの妹の小枝フミコさん?」

   「おいね(そうよ)」

   「いままで小枝さんがお裁縫をなさるとはきいたことがないんですけど」

   「あのひとはちゃんと洋裁学校行ったよ」

    母が独学だったほうが初耳です。いやあの時代の人だから嗜みとして何でもできるんだと。母の実家は結構ちゃんとしたうちだったんで(4姉妹のうち3人私学の桜花:早乙女父が教鞭とってた女子高 に行かせるぐらい)お茶お花お習字地味にいろいろやってましたから。

   「小枝さんとは仲悪かったんじゃ?」

   「もうわたしたちも長くないからいがみ合ってもしょうがないと」

   「なにか向こうから詫びを入れてきたんですか?」

    小枝の叔母はなにかというと実母に張り合ってきて姉妹のうちでも暗躍して母をハブにしたりとかしてたと聞くのに。

   「わたしが自分で思ったの」

    ……いつもこんなひどいことを言われた云々グチをきかされるのはこちらなので、歩み寄ったつもりがまた泣かされたりしないだろうかとそっちを心配しました。

    母の一人遊びのネタを提供するのが6割ぐらいあるので、それで恩にきせられたり、菓子折り持ってったりとか負担になるんじゃ逆じゃないよう!

   「……おかあさんのよいようにしてください」

    やっぱりリサーチが足りなかったかしら。

    そしたら小枝さん張り切って寸法取りに来ちゃって‼ それがまた、往年も美人だったけど(ヨナイズミ町会の誇る美人姉妹マダムでした!)今もビシーッと化粧して、もとから母より目鼻立ちが派手でしたけど、ほんとまだまだ華でした。性格の悪さが顔に出て悲惨になってるんじゃなかったのマザー! あれは別の叔母のことだったかしら。

   「まいこさんもお久しぶりです。お元気そうで」

    いちばん親しかった叔母なんですが、かしこまっちゃって、まあ。リヴィング上がってもらってすぐのところでさっそくメジャー出して、ウェストからヒップ、着丈から股上、股下などいろいろお寸法とられました。

   「んまーあウェスト〇5センチ! ヒップ大台越え! これは既製服が入らないわけや!」

    おかあさん声が大きいです。  

   「バスト、バストも測って、それなりに大きくなったから!」

   「はいはい」

    ……などと姦しく巻き尺と戯れ、叔母さんはさっさと帰ってゆかれました。お茶も飲まないのか。わたしが出すべきだったのか。いや、勝手なことをして居座って母が不愉快な思いをしたら困るから出さない。

    そして連休が終わったころ、母より入電。

   「はーいまいこちゃんおかあさんやよー! 小枝さんがもう仮縫いできたから送るって。もうこちらには当分来れないと思うから、着た感じいろいろ測ってみて感想教えて」

   仕事が早い! さすが洋裁学校伊達に出てない!

   「仮縫いて、そんな本格的なことしなくてよかったのに」

   今まで母が作ってくれたリラックスパンツでそんな高尚なことをされたことなどなかったですよ。

   「まあまあ。とにかくありあわせの布で作ったから当ててみてね」

   少し前はまった仕立て屋さん漫画で、高級な布地の場合は先に仮縫い用に別の布で仕立ててみるってのあったかもだけど。そんないい品じゃありませんよ、サーヴィスの端切れ。

   ……送られてきたのはワインレッドに観葉植物の斑入りの葉が乱れ飛んでいるような柄でした。母がセレクトしなくても老女の好みってこうなるのか。サイズは実にぴったりで、ご機嫌でゴーサインを出したんですが。

   「それでこれは送り返せばいいの?」

   「ううん、これは仮縫い用だからプレゼント。このサイズでもらった布でこれから作るんよ」

   「いいの?」

   「要らんかったら返してもらってもいいけど」

   「もらうわ」

   ラッキーといって穿いてるんですが、2,3日も穿いていたら下がってきて、どうしたんだろう、やっぱりサイズ間違ってたかと思ったら、ウェストのゴムが結びが甘くてほどけていました。

   「おばちゃーん!」

    やっぱり母の手作りとは真剣さが違う、とここに書き記そうとしたら、そもそもこれは仮縫い用だったのでした。そんなもんその場しのぎでいいんだった。わたしがちゃんと入れなおせば済むこと。叔母さんごめんなさい。お中元は東京のオシャレなお菓子ご期待ください。 

 

 

 

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2019年5月18日 (土)

熟女はとってーも芋が好きっ♪

   連休は金沢に帰ってきました。虎美が東京に本社のある会社に就職、研修中は本社、ゆくゆくは金沢支店配属とのことで決めたんだそうですが、今まで同居してたおばあちゃんはすぐ帰って来てね、絶対帰って来てねと泣きの涙。

   「私生まれて初めて一人暮らしなの」って、そーか、昔の人だから、下宿とかありえないのか。新婚家庭でも核家族とかありえない、舅姑に仕えて云年、旦那様が独立しても超マイペースのおじいちゃんと暮らしてきたんだった。そのおじいちゃんも昨夏旅立ったことだし。

   「(親戚でご近所の)しゅうこさんのところは毎日娘さん家族から安否確認のお電話が入るんだって」との遠回しな定時連絡要請をおばあちゃん本人から受けてしまいまして。
    一応約束をしたんですが、誰もローテーションに参加せずわたくしもネタがなくて2,3日おきになっちゃって。……ごめん。

    というわけで、空前絶後の十連休、すぐさま荷物をまとめて金沢に帰りましたよ。

    おばあちゃん喜んでくれましたが、なにせ今年の連休、前半は天気に恵まれず、

    「エアコン使っていいからね」

    ……寒くて寝込んでました。金沢の連休ってもう初夏一直線、30度超えも珍しくないため、夏物ばっかり用意していったのに! 紫外線カットのために持って行ったユニクロのうっすいパーカー、着ていった春物カーディガンと重ね着してもまだ震えていました

    それで、娘の散らかしていった仏間の整理は全然できず、ネズミが荒らしたので封鎖された離れも一歩も足を踏み入れることなく、ただお墓参りと実家の母に家用のリラックスパンツを仕立ててもらうために(ある意味張り合いを持たせるための親孝行)、服地を一緒に見に行って材料費負担したりしただけというしょっぱい帰省でした。

    虎美にも聞いてたけど、

    「わたしがあなたたちにしてあげたいのよ!」と、訪れるたびに手作りの料理をテーブルに載せ切らないほど並べてくれたおばあちゃんが、「めんどくさいからピザ取りましょ」なんて言ってくるとは! 年を取るって大変なんだと痛感。胃袋で理解するなよケダモノ!

    ということで、混まないうちにと3日には金沢を出立しました。

    駅ではもうお土産と言ったら五郎島金時芋という金沢固有の? サツマイモ推しで、サブレからスィートポテトからみんなお土産はお芋系。まあ、昔ながらの長生殿とか持って帰ってもあんまりありがたがられないから、こっちも割り切ってゴルフボール半分大のスィートポテトが個別包装になってるのを選んで持って帰りましたけど。

    これがまた大うけ。繁忙期から20人くらい減ったとはいえ、あんまり話したこともない熟女が通るたびに、
    「早乙女さんご馳走様
    「早乙女さんて金沢? ありがとー」
    「まいどまいど買ってこなくていいってー」と声かけてくれるのです。
    あんまり好評だから自分でも食べてみたけど、うーん微妙。もう少し甘い方がいわたしはいいんだけど。

    熟女ってやっぱりお芋が好きなのかなと思ったんだけどね。

    ふと思い返せば、わたくしもこのチーム3年目に突入して、顔が知られてきたってことじゃないかと思いましたです。今まで、いろんな方がお土産とかおすそ分けとか(北海道が地元の奥様なんて、段ボールでインゲン送ってきて、ヴィニル袋横において、「おひとり様3本お持ち帰りください!」とかいうのまであった!)もらってて、おいしい、ラッキーとか思っても、あんまり話したことない方、名前だけ知ってても顔が浮かばない方とかの場合、わざわざお礼まで言いに行ったことなかったけど(人として最低)、「早乙女さんのお土産です」と立札付きでお土産置いといてくれたら「ああ、あのひとね」と解ってもらえるほどにはなったんだなあと。なんだかしみじみ。

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2019年5月 3日 (金)

訃報

  無駄のなき道を好みし君なれば

   疾くゆきにけり我を遺して 舞音

 

  大塚女子大学国文学科卒、紫の会の皆さま、訃報です。

  むっちゃんが4月20日旅立ちました。名簿をもとにご主人様より私やくしちゃんに連絡がありました。

  わたしはは帰省していたので手元に連絡先がなく、幹事さんにはくしちゃんにご連絡をお願いしています。

 

  わたしは結構彼女には借りがあったと思っていたのですが。

  そのうち返せるつもりでいたのになんというか勝ち逃げされたような心地。

  もっと腹を割って話していればよかったと。

  悔やまれてなりません。

  そんでもって、お電話ではご主人様から「まいこちゃん」と声をかけてもらって。彼女は今までもずっとわたしを「まいこちゃん」と呼んで常々語ってくれていたのだなと察せられました。

  ほんとスイマセン。

  わたしはくしちゃんのことを連絡先として娘にお願いしときましたので。どうぞ事あったときにはよろしく。

  落ち着いたら一緒にどこかへまた行きましょう。もちろん富山へも。

 

  つひにゆく道とはかねて聞きしかど

   きのふけふとはおもはざりしを

 

  早すぎると思います。

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2019年4月26日 (金)

レのつく医者に行こう

   ♪あなたーのむねのなーかーでレディーをーぬいでーババアになったーこのーはーるー

   曲は懐かしのtube「さよならイエスタデイ」でお願いします。   

   数年前、お勤め仲間の熟女から

   「早乙女さん、もう更年期なのにそんなに重いんだったらレディーの方のお医者に行った方がいいわよ」と言われて、行ってみたおかあさんでしたが。

   とりあえず子宮内膜症とかそういうやばい病気ではなく、「単に重い方」と診断が下り、適当に眩暈の薬なんか処方されてたんですが。

   去年の秋、会社の健康診断が終わって、病院から終了の連絡を入れたら、

   「もう帰っていいから」って言われて、じゃあ時間も余ったしついでに検診のはしごしちゃおっとばかりにまたそのレディーの医者に顔を出したら、

   「今年の分の川崎市の無料券使いましょうよ」ってまた細胞採られて。でも、眩暈の薬&命の母でなんとかしのいで結果も聞きにいかないでいたら、なんとこの春。

   「ノイエ・リリエンベルク・ダーメン・クリニークから親展でお手紙が来ている。おかあさんなにかの病気なんじゃ?」と豹太がぶるぶる震えながら封筒を持ってきました。

   「えーっなんだろそういえば結果聞きに行ってないわ」

    開けてみたら、

   「診断結果は必ずしも悪性のものではありませんでしたが、院長よりお話がありますので是非近いうちにお越しください

    え?

    まさかなーとか思いながら、なんか腫瘍でもどうせ4月になったら繁忙期終わるからその時入院すればいいだろなんて軽い気持ちで行ってきたら。

   「これは学会にはまだ出てない話なんだけどね、ぼく大学病院で20年診てきて自分なりのカンだけどね」と前置きして。

   「あなたの場合、九分九厘良性の腫瘍で、これはほっとくと自分で治ります。ただ、残り1%の人は、97%助からないの。だから、念のためもう一回診ましょう、ね?」

    そんでもってプローブ突っ込んでみたら、

    「うーん、生理がなくなった人ってここの内膜ぺったんこになるはずなんだけど、あなたまだ5ミリぐらいありますね」

    だからこないだまたあったって言ったやん。

    終わる終わる詐欺みたいね。そうしてまた細胞むしられました。

    こないだのオフでこれとむ影さんに相談したら、

   「学会で言ってないんだったらそれは与太。気にしちゃダメ」と言われましたが。

   「あのぉーそれでわたしって結局?」

    そのとき院長先生に勇気出して聞いてみたら。

   「うん、へけっ」

    ハム太郎かっ!

    ご機嫌で「さよならイエスタディ」なんか替え歌にして歌っちゃって。閉経ですか。長かった。

    バブルのころに、大同生命が女性向け保険のコマーシャルで「の命は結構長い」って言ってましたけどね。

    そんでもって、

   「18日以降結果が出ます。聞きに来てね」って言うから、18日、

   「今日お電話が少なく人が余ってるので先着5人早退をみとめます!」って告知がでたのをいいことに聞きに行ったんですが。

   「木曜午後は休診」の看板が!

    ……先着5名に滑り込むことばっかり考えて医者がやってるか、結果出てるかどうか確認しなかったよ。おかあさん詰めが甘い!

    そして本日また有休取って行ってきました!

   「ホルモンがなんかまだ出てるんだよね。終わった人ってホルモンはほとんど出てないはずなのに、範囲内だけど出てるんだよ」

   「はあ」

     どうもすいませんねーまだアブラっ気あってさーピクシヴとかでも背後注意のえっちな絵見てますよ悪い~?

   「でも、まあ範囲としてはもう終わった人とみていいから。また次7月にでも来てください」

    花のいのちはまだまだ続いてるみたいです。 

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2019年4月21日 (日)

春暁オフ ときわ路篇開催しました!

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    裏切られ信じられずに過ぎければ

    春とは偲ぶものと心得(こころう)     舞音

 

   日本全国春爛漫。平成最後の春を享受すべく、行ってまいりましたお花見! 諸般の事情で4月半ば過ぎになります日程上、桜に限らないお花を知性と教養とオタ心にあふれた熟女が楽しんでやろうというオフ会であります。

   事の起こりは昨年のスケジューリング。家族の出入りやら仕事の繁忙期やらで4月にならないと余裕がないというところから、様々な花の名所を首都圏に限らずリストアップしていったときに挙がったのが「ひたちなか海浜公園のネモフィラ」。

   「ブルー素敵ですね、ねもひらって知らない、見てみたい!」

    ひたちなか海浜公園って聞いたことない、土地勘ないから今年は無理だな、ってその時は足利フラワーパークに藤を見に行こうってなって、さらに異常な高温の春で開花が進みに進んで、お花は諦めてトロッコ乗りに行ったんでした(そうしてむっちゃ雨降った)。

   「ねもひらリヴェンジ!(T_T)

   おかあさん我を張りました。そして自分で調べました。って、ネットの経路検索かけてみただけだけど。

   「常磐線で品川から85分! 特急ときわがあります!」

   「ときわ路パスというのを使えばお得よ!」

    日本交通公社にまで出かけてカウンターで相談するする。

   「この切符はどちらかというと圏内の駅をいろいろ乗ったり下りたりして観光なさるための切符で、ぶっちゃけ水戸近辺のご旅行の便を考えているので、海の方へ行くのには向いてないです」

    お兄さん結構ハッキリ言います。

   「それに、これは首都圏ではお求めになれません。圏内の駅でないと。……一番近いところで取手?」

   「二人は小田急だから千代田線から直通でSuicaちゃんで入っちゃうつもりなんだけど。最寄り駅で出るときに精算してもらえないかしら?」

   「さあ、ちょっと……」

    確認してもらいましたが難しいみたいで。

    ……暗雲が垂れ込めてきました。

    おかあさん泣いて帰ってきてライングループに書き込んであとはお二人に投げちゃいました。無能。

    結局例によってとむ影さんと波多利郎さんに調べていただいていちばんお得で時間もかからない乗り継ぎを提案していただいて、特急券も買っていただいて、とむ影さんは上野から、おかあさんと波多利郎さんは小田急から千代田線経由で柏から乗って車内で合流となりました。

    どうよ毎度このあなた任せ。

    だってあれ以上どうしたらいいかわかんなかったんだもん。下手の考え休むに似たり!

    高度な判断は素人は手を出さず上手な人に任せることも大切ではないかと思うのです……。

 

    といって当日例によって「ノイエ・リリエンベルクで待ち合わせしましょう」というのに、いつもは波多利郎さん多摩急行で多摩センターから乗り入れ千代田線接続に乗っていらして、それをこちらはノイ・リリエン駅の上りホームで待って、すぐそれに乗って出発だったのに、嗚呼、去年の春の改正で多摩急行というジャンルはなくなってしまったのです!? あれそのあと最低2回は逢ってるのにじゃあなぜ合流できてた?

    とにかく、今日はいつもの上りホームではなく多摩線ホームへの到着だったのです!

    波:55分ごろノイ・リリ着きます

    ま:はーいお待ちしてます。いつもの新宿よりね?

    なんて余裕でラインでやり取りしてたんですが、

    (あっれー新宿行き急行54分発なのにおかしいなー波多利郎さんにしては時間がアバウト)

    波:ノイ・リリなう

    なんか気のせいか混んでます。波多利郎さんが見えません。こっちもホームに行列。乗らないと。あ、乗っちゃった、乗ってから探せばいいんだよね? 乗る電車間違ってないよね???

    ま:乗車します

    ……返事がないよパティ。 

    波:乗っちゃいました?

    ま:もしかして降りた?

    MAMMA MIA!     

    合流の時点で失敗です。そんでこの電車快速急行で登戸まで停まらねえ。

    ……というようなことがあってとても朝から汗をかきました。

    お天気自体は暑くもなく、むしろ勝田駅に着いた頃には海風? が冷たくてカーデ出して羽織ろうかと思ったくらい。

    そこからは入場券付きシャトルバスで1080円。ゆっくり坐って移動、お腹すいたからさっそく豚ハム串500円かじったり超ロングなソーセージ入り豚ドッグ(なんだこの命名)かじったりでお腹をなだめつつ目的のネモフィラの丘へ。

    すごかった。ゆっくり起伏のある丘をスイッチバック的に上がる遊歩道にびっしり植えられた薄青い花。グラウンドカヴァーっていうのかな、芝桜みたいなかんじで、500円玉ぐらいの花が時にまばらに、時にびっしり、白花の株も所々混じっていて、芝桜のようなベタ塗感がなくてかえって遠近感というか立体感があってよかったです。それが、手前に菜の花の黄色を排してあったり、山の向こうは開けた太平洋だったり、また、薄日の差すそらだったりで、先週ぐらいまでの真っ青で輝く空よりもかえって露出とかの具合もよくきれいに見えました。

    このへんって高い山ないんだ! 勝田の駅前もビルが低くてお空広かったけど(失敬)。

    ぐるりほぼ360°大パノラマで雄大でした。水平線がやや丸かったですよ! 

    あとはゆっくり順路を降りて、お腹すいたから本格的になにか食べよう! ネモフィラアイスってお花が入ってるの? それとも青い色付けただけ? 行列すごいし色だけだったらやめとこうか、といろいろ相談して、それぞれ自分の食べたい屋台の行列について、そしてまたわたしが迷子になって、ふらふらでなんとか合流して(ラインてほんと便利だわ)、ベンチで持参のお菓子やらおすすめ本やら交換して食べながらまたおしゃべり。

    それから遊園地のさまざまな絶叫マシン的アトラクションを素通りしてハーブの植わっているあたりやら海を見ながら一服できるカフェやら見て一周してきたときとは逆の出口からバスに乗って帰路。

    最近はもうお互い電子書籍に移行してあんまり貸し合ったりはできないけどいろいろ名作情報を交換。今流行の「なろう」小説ではなにがおすすめか、とか、アニメはどれが推しか、などなど。

    帰りの特急は席が分かれたので黙って仮眠したりして。ちょっと遠出だったので遅くに解散になりました。

    盛り上がりまた窪みあるネモフィラを

     海とこそ見めひたち野の春        舞音

    今回は帰りのバスで一首。ネモフィラは瑠璃唐草というそうですが、

    「歌に詠むときは『るりからくさの』または『るりからくさや』で7音が稼げるから詠みやすそう」

    「今は『ネモフィラ』でよいのでは?」と朝の時点でいろいろ考えていたのですぐまとまりました。

     

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2019年4月13日 (土)

続・木綿のタオルハンカチ

   昔ね、「アリエスの乙女たち」って少女漫画がありましてね、里中満智子の。異母姉妹でくしくも同じ星座(牡羊座:アリエス)に生まれた2人のそれぞれの恋愛を描いた当時としては大河で、バブルのころドラマ化もされたんじゃないかな、昔の乙女をきゃーっと言わせる大掛かりなアップダウンのストーリーでしたよ。とりあえず最後まで読んだけどおかあさん自身は本気になってきゃあきゃあ言ったりはしなかったな。

   それで、たしか帰国子女でボーイッシュで自分の意見を持っている姉娘の方が、「女物のちゃらちゃらしたハンカチなんか持たないの」と、妹娘に男物のハンカチを貸してくれてきゅんとさせるシーンがあったんですわよ。そう、この姉妹は百合っ気があった。最初血のつながった姉と思ってなくて。そういう出生の秘密とかもあってね。昭和のベタなストーリーでした。

   てなわけで、美学ある乙女としてハンカチはどういうのを使うべきか、まいちゃんは昭和のころからいろいろ考えました。

   ハンカチはアイロンのかかった真っ白のを使うのが美学、ってのは解っても、何度もトイレに立ったらびしょびしょになりますがな。汗っかきなまいちゃんはガーゼハンカチを使うことに。これが高校~大学時代。

   就職したころには、さすがにエアコンの下でそんなに汗だらだらでもないから、ブランド物の花柄ハンカチを、毎週日曜の夜にしゅわーっとプレスして翌週に備えるようになって。

   ちょうどお嫁に行く頃に、ブランド物からハンカチサイズで薄手のタオル地ハンカチというのが出るようになって、ちょうどそのころはまっていた千趣会でも大人の女性が持つにふさわしいお花の柄で、でも子供っぽくないもの、というシリーズが出始めて、それを取り始めてしばらくはそれを使ってました。

   そのうちに、進物でも主流になって、気が付くとハンカチ売り場の一定割合もブランド物でないタオルハンカチが揃うようになったんですのよ。

   うちの子が学校に上がるころには、子供向けもタオルハンカチが普通みたいになって、アイロンかけなくていいからうちの子にはこればっかり持たせるようになったような。

   そして、雌伏うん十年を経ておかあさん再就職、今はコールセンターの人になっていますが。

   コールセンターは情報漏れを防ぐために(うちだけ?)、オフィスに持ち込めるものは制限されていて、記録媒体とか、こっそり持って入れないように荷物はヴィニルの透明バッグに入れて持ち歩くようになっています。百貨店の店員さんみたいね。

   それで、タオルハンカチじゃ足りない、もう少し大きいサイズのミニタオルを持ち込むようになったんですが。

   これが、乾かねえ。2時間おきの休憩にトイレに立って、手を拭いて、ヴィニルバッグに入れて一日持って出てたら、しっとりしたままで、あろうことかなんだか灰色で黴臭くなってきて!

   でも、パソコンが100台も立ち上がって多機能電話もあって帳票出力用のレーザープリンタも大量稼働中のうちのオフィス、むっちゃ乾燥していて、加湿器まで稼働してるのに、なんで乾かないの!? って話を周囲の熟女先輩に振ったら、

   「ヴィニル手提げにいれっぱだからじゃない? 出してデスクに置いてる人とか、モニターにかけてる人とかいるわよ」

   だって。このチーム資料おおくてただでさえ散らかってるのに、タオルおいとくスペースなんかないです。前のチームで特に資料なくPCからデータ呼び出して応対できてたところは、気管支弱いマーレさんとか、休憩の度にバンダナ濡らしてきてて電話の脇に置いてたけど。

   「モニタは電化製品じゃないですか、濡れタオルなんか掛けたら壊れそう」

   「そんなぐしょぬれなの?」イイエチガイマス

   物は試しでモニタの上、3センチぐらい? 画面を遮らない程度にこちらに端を出してかけてみたら、いいカンジ、あったかくてすっかり乾いてました! これで喉対策もばっちり! せっかく買ったタオルも長持ちしそう!

   ……そのくらい乾いてるのかうちのオフィス。

   「♪かっらからに~かっわいてる~」

   「二分の一の神話」なんかうなりながら懐かしき昭和に思いをいたすおかあさんでした。

   会社の隣の商業施設にタオル専門店入ってたな~と思って見に行ったら、パイルの打ち込み具合とかすっごく上等なんだけど、アップリケがきりんさんとかくじらさんとかで、可愛らしくって、ヴェルサイユ~なおかあさんの好みとは合わなくって泣いて帰ってきたんですよね。やっぱりタオルハンカチとかハンドタオルって大人の女性の使うもんじゃないのかなあ。 

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2019年4月 6日 (土)

ワールドトリガー ―多重構造―

   まあ噂には聞いていたんだけど。「ワールドトリガー」葦原大介。

   虎美がはまって、「おかあさん今度帰ったときに(キンドルの入った)タブレット見せるから絶対読んで!」とのことで。

   お正月ぐらいに一気読みしました。ジャンプSQで絶賛連載中なのでこれから娘が毎月更新分見せてくれるそうなので楽しみです。

   話に聞いただけで一応予習のためにウィキペディア読んでみたら(おかあさんは割とネタバレを気にしない人なのである程度のところで予習します。「本好きの下剋上」とかね)、

   「登場人物大杉、わけわからん」

   主人公以外にどれだけチームがあるの!?

   ところが、1巻から読んでみたらするする入る。これはスゴイ。

   導入は普通の学園ものに見えた。いや冒頭はあからさまにSFだったけれども。

   「ある日この街に

    異世界への門が開いた」って。

   そこから3ページで異世界からの敵に対応する謎の組織の存在が説明され、普通の学園生活の描写へ。1ページ目でその組織のヒーローに救われたと描かれていた眼鏡くんが孤高を保つ(?)様子から。ふつーの公立中学のふつーの日常、いじめっこたちがひとりのペンケースを奪うとかいうちょっとしたいじめを、主人公の眼鏡くんはきれいに無視して、自分の頭にぶつかったそれを淡々と持ち主に返してやるけれど、それは称賛されない。彼にできるのは精いっぱいその程度。眼鏡くん三雲修は非力だから。

   異世界からの侵攻を受ける異常事態で、それでも彼は卑怯なふるまいを見過ごしにはできない。それは、絵に描いたような訳あり転校生空閑遊真がいじめっこに絡まれ、連れていかれた時にも! その異世界からなんかおどろおどろしい敵が現れて、いじめを止めようとした修を返り討ちにしたいじめっこに襲いかかっても!

 

   「……ぼくが

    そうするべき

    だと思ってる

    からだ!!」

    

    なにこの青臭いモヤシ眼鏡主人公? 事情通によればジャンプ初の眼鏡主人公だそうです。「スケットダンス」のボッスンはあれはゴーグルだったしな。

    無敵のパワーと戦いぶりで事態を収束させたのは「親の形見の指輪」と謎の「黒い炊飯器」を駆使して戦う遊真のほうだったのですが。この異世界「近界(ネイバー)」から来たと語る遊真と修は運命の出会いを果たすのでした!

    そういう、SF的敵と戦って日常を守る主人公~な重苦しい生き残りストーリー……「宇宙戦艦ヤマト」のような、主人公が必ず敵をぶっ飛ばしてスッキリ! ではないサスペンス風味の強い物語運びが根底にあります。まあ、きわどいところで敵は毎回撃退されて、守備隊「ボーダー」に温情合格C級隊員のひ弱眼鏡くんも少しずつ注目されていくんですけどね。どっちかっていうと活躍してるのは近界パワーを駆使する遊真の方だしね。

    そして、物語はただの修の出世ストーリーではないのです。

    異世界からは断続的に侵攻は行われている状態。そこへ、自分が死んだら日本へ行ってボーダー所属の友人を頼れという父の遺言に従った遊真とその父自身と言える超兵器黒トリガーの処遇をめぐって上層部がいきなり割れます。敵である近界民に、父の形見とはいえ一般隊員のトリガー:武器よりはるかに高性能な超兵器を持たせておくわけにいかないとする指令と、そこまでする必要はないとする本部長とが対立し、遊真から黒トリガーを奪おうとする指令派部隊と守ろうとする本部長派部隊との戦いが勃発!   

    おいおい、いきなり仲間割れかい!?

    最初のページで修を救ってくれた憧れの先輩:迅が活躍し、遊真の身柄はリベラル派の支部長のいる迅と同じ支部に引き受けられることに。

    物語は遊真もボーダーに入隊して、組織内の各チームでの順位を上げるランク戦へ。トリオンという架空の物質を元にした武装で戦うチーム対抗模擬戦で隊員たちは腕を磨くのでした。「アイシールド21」の主人公セナくんと同じくらい体力や体格がぱっとしない修が、タイムリミットを抱えた遊真と、同様に近界に行かなくてはいけない事情を持つ幼馴染千佳とを近界に連れていくために組織内での地位を上げ、近界に行っても負けない実力をつけるために知恵を振り絞ってのしあがるスポ根ものの性格も出てきました!

    この、組織内にチームがいくつもあるために冒頭の「登場人物大杉!」という印象になるのですが、巧みな構成によって、個性的なメンバーが次々紹介されていくためにあまり混乱はありません……かっこつけの隊長、二宮と王子を混同したりすることはありますが。

    チームが各々オペレーター含む4~5人編成なので、各チームそれぞれ担当兵科が分かれているのもあっていろいろ個性的で、主人公チームとの対戦ごとに過去話やらチーム内の人間関係とかわりとしっかり描いてあっても枝道に行ってしまう感はないです。「おお振り」だとスポーツの性格上敵チームは9人以上だしやってる時間も9回裏表2時間かかるところを、模擬戦はそこまで長くないので飽きることなく楽しめます。また、アクションとしてもいろいろ超絶技が出て面白いうえに、作戦の面白さもあります。敵の侵攻もまたいいタイミングで挟まれるし。捕虜にした近界人剣士を故国に帰りたい心につけ込んでスカウトするし! このへんの修のしたたかさはほんと見習いたい! 「背すピン」のつっちーもそうだけど、最近のジャンプヒーローは弱いけどしたたかでイイ!

    主人公以外の人間関係もいろいろ複雑で面白い。チームの中の先輩後輩関係、武器での師弟関係、入隊の動機からの敵への思い入れの違いなど、脇役を深く見ていってもいろいろ楽しめます。

    てなわけで、一色で単純に言い表せない深みのある作品ということで、注目しています。

    おかあさんの好みは中学生スナイパーで、同じスナイパーの千佳ちゃんにほのかな恋心を抱いているユヅルくんです。「ひとを撃つことができなくて」失踪してしまった師匠、鳩原さんと同じで、千佳ちゃんも優秀なのにひとを撃てないのではということから千佳ちゃんに接近していろいろ助言したりしているところがジャスト思春期なかんじでかわいらしいです。いいカンジで進展することを期待しています!

 

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2019年4月 1日 (月)

いやー今年は大変だわ

   新元号発表になりましたね。
   これが笑った、「クール元年」って!


  ドヤ顔でクールと墨書した半紙掲げたガースー! きみはこの顔が永遠に残って平気なのか!?


   全日本のシステム・書式担当を殺しに来ました。すごいわ。漢字2文字または4文字というこれまでの慣習を華麗にスル―。はみ出るやろ! 2文字分でスペース用意してたところ全員死亡。そんでもってこの長音符「ー」が結構曲者でね、注意しないとマイナスになってたりダッシュになったりするから気を付けないとってホント迷惑。歴史に残るわwwww首相の姓から一文字取るぐらいこれに比べたらしょぼい!


   東京五輪に向けて「クールジャパン」で行こうって、寒すぎる!


   そんでもってシステム周りへの配慮として、


   「『空留』という表記もありとする」って!


   それなんてキラキラ元号!


   「玄奘三蔵の記した『般若心経集解』の、『其れ色即是空空即是色、然し極むるは至難にして、虚しく空を留むるを念ずるのみ』に拠る」って、典拠は仏典かい! いや原文それレ点打って戻ってるだろ、留空になるはずだよ文法的に! 論語孟子など漢文の由緒ある古典に従うんじゃないんかい! 『般若心経集解』って、一応漢文か、聞いたことないけど!


   元号ってもともと昔の中国の習慣なので、まだそれ使ってんのかいって突込みもあって、今ちょっとお隣ときな臭くなってるときにま~だ中国のものがありがたいっていう姿勢を出すのはどうかという配慮もあったのかもだけど。


   いや、大好きなのは先進国であって。開国後のヨーロッパ文化を必死に吸収しようという運動や、敗戦後の見事なアメリカ追従! それと同じです。あとは自分のものにしてしまったらよっぽどのことがない限り守り続ける超保守なお国柄で。


   だからいろいろ考えての新元号なのかもしれないけど。いや、もうこれはね……。


   お役所のやることはダサいという伝統ね。これで元号離れが決定的にならなきゃいいけど。


 


   ……と、世を憂えたところでカレンダーをご覧ください。忙しい一日を楽しんでね♪

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2019年3月24日 (日)

異世界薬局 ― 誠実×誠実 ―

   最近異世界転生ものにはまっているおかあさんです。はやりには周回遅れで乗る主義です。
   異世界へは赤ん坊として生まれ直してその世界での家族とかネットワークとかちゃんと持ちつつ現代日本の知識を小出しにして認められていく転生型と、それなりの年で日本人としての容姿や能力のままで移動する召喚型とがありますが、手っ取り早く異世界のギャップを出しつつ主人公が力を発揮できるから召喚型の方が面白いのかな?
   「本好きの下剋上」は転生型だけど、ある程度年を取ってから瀕死を期に前世の記憶が蘇ってますから、両者折衷の序盤スピードアップが……うーん、そこんとこまだまだローギアで、リアリティある分読む方の忍耐を要求しましたね。
    こちらの「異世界薬局」も、すでに異世界である程度教育を受けていたショタ少年が落雷で瀕死だったところへ乗り移り元の人格を消しちゃった感じなので、より合理的なのかもしれません。所々この世の常識とかは残っているらしいし。瀕死からの蘇生ということで世界の常識を超えた知識を出しても「薬神の加護を受けたから」でごまかせているし。
   というわけで、「異世界薬局」なかなか設定がしっかりしています。
   難病の妹のために新薬開発に勤しむ准教授の薬谷完治先生(31)、ハードワークがたたって過労死しました。その浮かばれない魂が中世ヨーロッパっぽい異世界で雷に打たれて瀕死の貴族少年ファルマ・ド・メディシスに宿ったところがありがちな第一話。
   ところが、この坊ちゃまの父上は神術を駆使して人々の病を癒し公爵様より偉い尊爵の位を賜るこの国最高の宮廷薬師で子供たちにも家業で世界への貢献を求める意識高いスパルタとーちゃんだったのです!
   おうちの方針と本人の志向がぴったり一致したファルマくんは、転生のボーナスらしいその世界でも珍しい無限の神力に最新日本の薬学知識で貴族に限らず人々を病から救いたいと幼いながら活躍し始めるのでした!
   異世界で教育程度の低い人々相手にも細かく丁寧に病気の状態と治療方針を説明する誠実さ! ちゃんと原作小説では要所で査読がはいっているという真面目さ! なろうなのに原作テキスト開けたら黒くてびっくりしたよ! 何この書き込み!(大いに失礼!)高圧的なパパ上も地位に驕(おご)らず独自に研究をしていてその世界としては最高峰に近づいていた(が、限界を認めており、それでも患者に誠実に、政治に影響が出ないように治療方針を考えていた)辺りが医療ものにありがちな腕に逸って患者さんのことを考えていない医者とは一線を画していて目を開かせられる! そういう誠実な医療従事者を描いていてくれて胸を打たれます。
   医療分野だけでない細かい考証と描写。それをまたちゃんと絵に落とし込む作画の担当の方の誠実さ! 
   奥様や皇帝(女性なのに簡単に「女帝」と表現しないデリカシィが好きっ!)のお召し物の麗しさ。考証しながらも現代人が見て魅力的に感じるように描いてくれて眼福。お母様の腰痛を癒してあげるシーンのコルセット外した腰の艶めかしさ! 女性の神術使いの尊爵さまのガラス工房での作業着のエレガンス&エロス! 読み応えたっぷりです。
   男性もイケメン、イケオジ、イケショタもりもりでどこを見てもおいしい! 宮殿や貴族のお館や町の商店の描写も手を抜いてなくてもう! ありがとうございます!
   神術を使ったことで異端審問に引っかかるアクションシーンも圧巻。そして疑いをかけた異端審問官を赦し、さらに、自分で落馬して骨折した異端審問官を緊急手術で救うシーンにはスッキリ! 生前の資格としてはT大出の准教授でも「薬学者」なので、医療行為はしてはいけないという医師法の縛りに馬鹿正直に従い葛藤する、全能感に暴走しないあたりがもう誠実でただ慕わしいっ!
   というわけで「異世界薬局」原作:高山理図、作画:高野聖 は原作と作画の誠実さが相乗効果で魅力倍増! でございます。

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2019年3月23日 (土)

忘却バッテリー ― 悪魔のコロッセオ ―

   虎美とうとう帰ってきました。
   「おかーさんこれ読んで!」
   荷物をほどくなり持ってくる持ってくる。「ワールドトリガー」全巻とか「腐女子交流記」とか。
   「いや母忙しいからそんな立て続けに読めない」
   「忘却バッテリー」ってあれでしょ? 前お試しリーフレット読んだよ。
   「ほんといいから!」
   「わかった後で読むから」

   「葵 様 ほ ん と ア バ ッ キ オ だ か ら 絶対お母さん好きだから3巻読んだら絶対好きになるから!」

    あのな。

    しょうがないから茶髪のロン毛のお兄さんが表紙の3巻だけ読みましたよ。
   「アバッキオや! むっちゃアバッキオやん!
    おかあさんったら。

    説明しよう! アバッキオというのは「ジョジョの奇妙な冒険」5部でいきなり主人公ジョルノに初対面で自ら淹れたエクセレントティーwをふるまってくれる体育会系なごつい先輩である。身長約1.9Mのガタイを胸がバックリ割れたいかすモードなコートジャケットに包みプラチナブロンドのロン毛にダークな口紅のヴィジュアル系ギャングである。そんでもって×依存〇尊敬するリーダーの連れてきた新入りを温かく受け入れたりできずいちいちつっかかる困った先輩だったのだがその超能力「スタンド」はまるっきりバトルに役立たない……いや情報が死命を制する現代社会に非常にマッチしたインテリジェントでアンビバレントな存在であるっ! むっちゃ強烈な新人いびりをやっておいて実は真面目で気配り屋さんだったというミスマッチに実は元警官で先輩を死に追いやったという十字架を負っているあたりがおかあさんの最推しキャラなんですけど。
   ええとね、それより先に「忘却バッテリー」の説明をね。
   ジャンプ+でやってる高校野球漫画。超高校級の幼馴染バッテリーが高校入学前に突然噂から消えた、と思ったら、なんと都立のふつーのゆるい高校に行ってた、なんでって、剛腕ピッチャーの球を捕れるキャッチャーの方が記憶喪失になってまるきり使い物にならなくなったからって。
   おい。
   記憶喪失になって地が出たのかまるきり怠惰で下ネタバリバリのお調子者になってしまった要くんが野球を忘れて高校生活エンジョイしたいと都立を選んじゃったので、「圭じゃなきゃ俺の球は取れない」って剛腕ピッチャー清峰くんもスパっと都立に来ちゃうところが。
   まあ二人の幼馴染共生関係は好きな人がネタにすればいいんじゃないかな。おかあさんどーでもいいし。
   無敵な分ひとの心に頓着しない蒸気機関車みたいだったらしいバッテリーに少年野球時代心を折られまくったライヴァルたちがかれらの今の姿を見てもううちのめされることされること。
   それでもこの憧れの二人と野球ができるなら面白いんじゃないかと集うのが狂言回しの山田太郎くん、藤堂葵くん、千早瞬平くん。
   まだまだメンバーはは足りないけれど、同好会から少しずつ野球の面白さを思い出していくのでした。
   ヴィジュアル系な「おお振り」かな? 第二人格の要くんの分ギャグとシリアスとの落差が大きいですが。
   そんでもって2巻は「おお振り」での対三星学園戦のように強豪チームとの練習試合で問題点やらライヴァルやらを出してきて。
   要くんがもうまともにキャッチャーできないことが描かれ、皆で強くなってライヴァルとの再戦を誓いまとまったところで藤堂くんが告白。

   「じゃあ遊撃手(ショート)は他のヤツを探そう」
   「一塁送球が出来ねぇんだ
   「最悪一生治らんと思う」
    おいぃぃぃぃぃい! あんたまえの試合でふつーに? いや、なかったわそーいえば。最初は三者三振で、あとは打たれまくりでまともな守備シーンなかったわ。この辺シーン運びが神わざ。
   「おお振り」のさあ、あとで悪役として登場した桐青のリオのお兄ちゃん、甲子園かかった試合で逆転を許すエラーやったひと。あのヒトみたいなミスをやってしまったらしい。
    あのひとは自分が3年だったから自分を含め最後の夏がなくなったって十字架だけど、藤堂くんの場合は自分が2年生で、先輩の未来(名門からのスカウト)を消してしまったという。それなのに自分にはスカウトが来てしまったという身の置き所のなさ。
   
   IPPSって、話には聞きます。相手にぶつけてしまった投手がかかる心理的なものという感覚でした。心の傷で投げられなくなってしまう障害みたいな……。悪送球してしまった野手もなるんだ? でも、三遊間ってボールが一番飛ぶとことで1塁送球できないって、そりゃプレイヤーとして致命的……。

   それで野球漬けの少年のよくある転落として喧嘩して不良のようになって3巻表紙のような絵に描いたヤンキーになってしまったわけですね。いやヤンキーちゃうな。
   うん、おかあさんのハートジャストミートや。虎美わかっとる。

   それを、素人がえりした要くんの無心のアイディアで克服して、なんとかショートは再生? 早いな。

   3巻後半は中堅手(センター)探しで、野球の体育会系なシステムが息苦しくてなじめなかったおたくくん土屋が引っかかります。そういうひとりひとりの弱点に向き合い、みんなで克服していこうとする仲間がやさしいです。そこも柔軟ながら理詰めでね、ここにこう引っかかていてこういう動きを見せる、ならこういうアプローチをとってみよう、そういう作者さんのスタンスがわたしの感性に合います。
   
   山田くんは皆に寄り添おうとする、千早くんは理詰めで解き明かそうとする、藤堂くんはひたむきさでこじ開けようとする。それに、要くんの虚心の言葉が打開策を生み出す……。それは名門校の努力と才能と野球だけを求める心とは全く別次元で、だからこその漫画の痛快さなんでしょうが。
   清峰くんは真逆です。皆がふざけたり要くんにへきえきしているシーンでも、清峰くんは両手に握力を鍛えるキカイを握って無表情に地道にトレイニングをしています。もう甲子園のマウンドに立つような高校球児としての成功は望めないのに、要くんがこうなってしまう前の、優れた野球選手になることしか考えていない態勢から一歩もずれていないんです。自分一人で名門に入ればいいじゃないかと皆が問い、そして清峰は否定する。
   それは友情物語としては熱くて、この話でも所々でこの子の「要と野球をやりたい」だけというセリフには作中のみんなも読者も胸を熱くさせてもらっているのですが。
   彼はこれで大丈夫なの?
   高校野球というシステムについては、最近はいろいろ問題提起されているようですが、未来ある子供を一つの夢に縛り付けて心身を激しく損なっているのではというところに気づかされます。そういう、少年たちのいろんな屍の上に築かれたコロッセオなのかなあ、甲子園って。
   それじゃあ、自分はただ親友とプレイを全力で楽しみたいだけなんだと言い続けて行動に示し続ける清宮くんはそれで正しいのかもしれない。
   それでも、まあ、物語としては、戻ってきた子たちは「野球ができてうれしい」と言っている、なんて恐ろしい魅力を持つ娯楽なんだろうと。まあ逆説的にね。読んで楽しませてもらっておいて、わたしはそう考えました。
   そんでもってわたしは「おお振り」のときも、ひいきの阿部くんが大きく傷ついていたことをもって心身のフォローがないシニアリーグはこわいところだとかここに描いたような記憶がよみがえって、自分が気に入ったキャラがそういう目に遭っていたからってまたほんとに……恥ずかしいわ。

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