2019年7月13日 (土)

天竺熱風録5 ― 審議中 ―

   次の巻が今月出るんですけど。

   「天竺熱風録」、うっかり見つからないまま時を過ごしてこないだやっとノイエ・リリエンベルクの書店でゲット。やっぱりたまにはリアル書店いかなくちゃ

   味方の主要登場人物全部表紙に登場して、この巻は誰になるのかと思ったら、敵の黒幕、今回華麗なマッスル・コントロールを見せてくれたパーフェクト・ヒューマンのアルダナ(後略)さんでした。このひとならずとも、見事に王玄策の替え玉を演じてのけた玄廓といい、変身多かったですね、この巻。

   ヴリトラ部隊との一大会戦は前の巻から引っ張ってて、このほとんど人間じゃない無敵将軍ヴァンダカ攻略に何話も費やして。まあ手に汗握りはしたけどさ。そんでもって新キャラのムチャに残酷系悪女もラトナ姐さん(本人公認)と名勝負を繰り広げてくれて、アクション的にはアガる巻だったのですが。

   違うんだよ。

   久々登場の玄廓殿がタンカきってくれて、そうそうこういうの待ってたの。

   思い出すなあ。隆慶一郎から「一夢庵風流記」をもらって一大ヒットを飛ばした後の原哲夫が、余勢をかって「影武者徳川家康」をやってくれたので、こっちもそこを入り口に隆慶ワールドにはまっていたからワクドキでページを繰ったら、途中から敵役、根性のひん曲がった徳川秀忠が目の上のたんこぶ、影武者である主人公を除こうと次々送り込んでくる暗殺者たちとのバトルものに変わっていって、とんでもねえ原作改変と悲憤慷慨したことを。

   そういうんじゃないのよ。

   たしかにヒーロー世良田次郎三郎は身体能力も高い武人ではありましたが、頭が切れ、有能な味方を惚れこませ従わせることができる眼と器量を持つ大人物でした。たしかに秀忠陣営からの汚い策略を何度も退けて一時の平和を達成し、散っていったのですが、必ずしもそれはチャンバラで勝ち取った勝利ではなかったんですってば。

   敵を沈黙させ自分の命を長らえるための手段は必ずしも単純な武力である必要はない。味方だって、100%同じ理想に結ばれている必要はなくて、この局面においては敵とは利害を同じくしていない、ここを譲ってここに限定すれば自分の利益に沿う行動をしてくれる、その程度でよい。そういう風にいろいろ調べて持って行って同意を貰う、そこで安心しないで細かく意を配って出し抜かれないように当然しておく、そういうこまか~い作業をやることで戦わない状態をキープする、キープできる。そういう「冷たい戦争」の描き方が画期的で脳汁出まくって魅了されたんですよ。

   わたしがこの「天竺熱風録」に求めるのもそういう面白さなんですが。

   そういう意味では王妹殿下に訴えナレーンドラ王を説き伏せた2~3巻が快感MAXだったな。

   人外な武人の息もつかせぬバトルなんてほかの作品でも見られるじゃない。

   掲載誌的にやっぱりそういうのが求められてるんでしょうか?

   ラトナ姐さんの無頓着湯上りセミヌードは目の保養でしたが。アルダナ(後略)さんのお色気シーンも、こういうので政権に食い込んでるのねーと納得で。

   次巻予告で、交渉エピソードあるみたいなのでそこに期待。インドってこうよね~というカンジむんむんの作画の伊藤氏にはもうほんと感服してますが、お願い田中芳樹ワールドの枠内でお話をまとめてねと。6巻も買いますから!

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2019年7月 7日 (日)

 メイ曲アルバム GIRA ×2 ★ SEVEN

   前項に続いて。

   「いやーギラギラセブンって曲凄かったな、もう脳内ループすごい! ユーチューブで拾って永遠に聞いてしまった

   おかあさんは気に入った曲は永遠に聞く方です。往年の中島みゆきのアルバムなんて、若さのままにイントロからAB両面完全に鼻歌熱唱再生できてたし。時が下っても、カルミナ・ブラーナが音取りなしで楽譜貰ったら即アンサンブル参加できたのもそのせい。

   でも、ユーチューブって最近情け容赦なくCMはいるじゃない? 全然お呼びじゃない化粧品とか健康食品とか。プレミアムにしろってことか。

   「……虎美、音源ないか?」

   「あたしLINEミュージックで聞き放題できるから」

    しょんもりしたのを察して娘叫びました。

   「ああっもうわかった明日アニメイトでCD買ってきてあげるからっ!」

   というわけでゲットしました。「うたのプリンスさまっ」敵役のライヴァル事務所のユニットHE★VENSの映画版挿入歌「愛を捧げよ ~The secret Shanguri-la ~」のカップリング曲が「GIRA × 2 ★ SEVEN」なわけです。

   このHE★VENSが(星入れていちいち打つのめんどいんでカタカナでいいですか?)、スターリッシュが正統派王子様アイドルでみんなオスカル様的詰襟金モール付き肩章に裾の長いお衣装なのと対照的に、え~と厨2なスタイルでね、具体的に言うと指ぬきグローヴとかクロムシルヴァーのアクセサリとかでそれぞれその辺を歩いてそうなちょっと気合の入ったおしゃれな服をてんでに着ている感じで、お召し物からちょっとああ、お母さんの対象範囲外な感じでしたが。

   しゃべりを聞くと、なんていうか、世界を作ってるっていうか、イマドキそんな教祖様とかカリスマっぽさ出さなくても、とドン引き。もともと俺様系苦手だったし(「最遊記」も三蔵は全力でスルーした)。スターリッシュが「僕たちのこと応援してね♪ きみのこと大好きだよ」って感じなのに、それこそ「汝愛を捧げよ」なわけで。うっわあ。

   虎美はそういうところも流してみて、「ホントはいい子たちだよ。ヘヴンズは突込み不在なだけだから」とのたまうけれど、ああ、かれらの言ってることが非現実的だってことは理解してるのね。

   「リーダーの眼鏡の瑛一とこっちの瑛二くんが兄弟で、事務所の社長の息子で」

   「この大和はスタリの事務所の先輩の弟で兄をライヴァル視していて」云々。もう結構。

   「七人のイニシャルを並べるとHEAVENSになるの」だからヴァンって子がいるのか。二つのEを兄弟で担っとるわけやね。

    その名前もキラキラしてる。瑛ブラザーズの王へんのついた瑛もだし、鳳とかスメラギとかミカドとか何とかインとか、漫画の登場人物のカッコつけた名前、一作品に一人二人ならいいけどみんなそんな感じでほんとすべてが演出過剰な感じが!!!

   だからパイプオルガンの分散和音からジャジャジャンッとはじまった「愛を捧げよ」の方はうへぇ~っと思ったんですが、次の「ギラギラセブン」の方は、キレのよいブラスのジャズっぽい曲と、一糸乱れぬダンス(まあ絵だし)にほほうと思わされたんでした。

   サビの部分の掛け声、「ギッラッギッラッギーラギーラッ!」の繰り返しとHをイメージした人差し指と小指を立てたハンドサインが、オイオイオイオイと思いながら頭にしみついてしまって! いやそれ「おお振り」ならツーアウトのサインだよ。

   まあ、歌詞の世界はやっぱり「天国へと行かないか共に」なわけですが。

   いや、古き良きキャバレーとかでやってそうなタップとかあのへんのダンスの雰囲気の振付だったのも、珍しくみんなそろいの濃紺の燕尾服っぽいテイストの服だったせいもあり。

   しみじみほれ込んでしまったわけです。ああ、ステッキ持ってソフト帽胸に当ててやってほしい。

   虎美喜んでアニメの登場エピソード見せてくれましたが、やっぱりムッチャ気持ち悪かったです。曲だけ。曲だけ好きになったの!

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2019年6月29日 (土)

入国しました! マジLOVEキングダム!!

   それで、おかあさんはまだプリンセスをやっています。あれよ、「うたのプリンスさまっ シャイニングライブ」というスマフォでやるゲーム。   

   無課金で細々としかしすべてのゲーム内イヴェントに挑戦して限定ブロマイドを少しずつゲット、そういう「カード」は能力が高いので、それにゲームをすることにより貯まるスキルアップのポイントを積むことでさらにパワーアップし、どんどん一度のプレイで獲得できる点数が高くなり(火力が上がるという)、どんどん個々のイヴェントでも高い順位まで到達できるようになるという正の循環ができています。楽しい。

   一年曲りなりにやると、夏の水着画像、ハロウィンの魔法使い仮装、クリスマス・ライヴ用のもこもこ衣装、お正月のお着物、イロイロ揃ってきて、2年目はもう新規画像ないかなーとおもったらそんなことはなかった、セーラーカラーの水兵さん衣装やらサンタさんやら。どんどん新しいブロマイドをゲットして、

   「虎美~! まだまだ持ってないブロマイドあるのに上限に達したので新規ブロマイドを受け取れませんって出た!」

   「おかあさん、ブロマイド枠は買えます」

   「ハッそういえば! (ゲーム内仮想)ショップに枠ってあったけど、あれってそういう意味!?

    ツウはお気に入りの絵のブロマイドをゴージャス枠で額装するのかと思ってた!」

   ゲーム内仮想通貨「クリスタル」で枠を買って無事新しいブロマイドを入手できたおかあさんでした。いや、ちゃんと虎美に聞く前にググったよ! 「シャニライ ブロマイド 枠が足りない」で! Yahoo! の知恵袋に誘導されて、「枠は買えます」って回答を得ました!

   

   それで、カトリーヌから事前に映画があるって話は聞いてたんだけど。この6月から上映で。そういうのアラフィフのおばレディが行っちゃっていいものかと思ってて。やっぱ初日とかは若い現役のお嬢さんに譲るべきじゃないかと。去年の繁忙期後の人員整理シーズンによその部署に配置換えになったカトリーヌとは勤務の時間もずれて、週一に廊下で声を掛ける程度になってたんだけど。

   「カトリーヌ! 映画行ったか!?」
   ちょうど廊下の端っこでおにぎりかじってるところを捕まえられました。

   「ぜひ行ってください! んも~う倒れました」

   「それはひどくて……じゃないよな?」

   「聖川さんがカッコよくてですよ! 当り前じゃないですか!」

   「わかった! 娘と行く!」

   というわけで行ってきました先週末! おかあさん映画館で映画見るのポケモン映画以来だわ! それもルギア! 17,8年前よ! はっ 今世紀になって初めて!?

   ノイエ・リリエンベルクのシネコン凄かったです。エレヴェータのドアが開いたらもうポップコーンの香り! 自動の券売機には誘導の帯付きポールが立ってて横入り禁止で粛々とみんなチケット買ってて、しかも指定席、虎美に手招きされて、画面を見ながらこの辺でどう? なんて。洋画も一般向けもアラジンのアンコール上映もみんないっしょくた、誰が何見に来たんだかわかんない。売店の列で飲み物と食べ物買って、ゴディヴァのチョコレートの冷たいドリンクやらいろんな味の炭酸やら珍しい飲み物があって、ポップコーンも大盛りでいろんなフレーヴァ―があって、目移り。それがまた自動レジでもうおかあさんお口あんぐり。

   「シネコンって凄いのねえ……」

    勝手知ったる様子の娘に先導されて、チケットをもぎってもらって上映スペースへ。さすがに自動改札ではないのか。ラッピングした小さい四角い板を貰いましたけど……なんだろう?

   「160席、まあまあね」って娘いっぱしのことを言って。

   えーっ、金沢の「キンゲキ」:金沢劇場はその10倍ぐらい入ったんじゃ? などと昭和の記憶を呼び返したりして。そういうほどほどのがいくつもあるのがシネコンの作りなのでしょう。「あゝ野麦峠」を中学校の時芸術鑑賞? の授業で見に行ったことを思い出したり。ガンダムのⅢのときには初日に朝六時から並んで、あまりの熱に金沢松竹が時間を繰り上げて入れてくれたとか、イデオンの時はあふれたひとを隣接のシネマ2へ入れてくれて、松竹の正規の劇場での上映のフィルムの巻が終わり次第何分遅れでかけてくれたとか。思い出す高校生のころ。もう金沢の映画街なくなって更地? になってましたけどね。今の人はいいなあ。

   もう予告編始まってて、暗い中指定の席について、わくわくでカバンから光る棒を取り出してスイッチの確認をして待ちました。

   そう! ドイツ・レクィエムの項で行きたいと言っていた応援上映回なんです!

   映画を見ながらキャーキャー言っていい、これはアイドルのライヴの体裁の映画だから、コンサートに行くのと同じ乗りでペンライトを振っていい上映なんです!

   「左を押すと色が変わる。右は長押しで電源オフ」

   これは虎ちゃんが金沢にいたころ、お兄ちゃんが初めて車でおばあちゃんちを目指したところが金沢西インターチェンジを降りたところで「ご案内を終了します」とナビちゃんに言われて途方に暮れたあの夏、誘導灯の代わりに振ったというあの伝説の棒ですか? いや、西金沢駅前の早乙女家で振ったって西インター降りたところのお兄ちゃんには見えませんがな。まあ、曲がり角の目印ぐらいにはなったのかな。

   いや虎ちゃん最近ジャニーズにはまったからコンサートに行く度その年ヴァージョン買って王冠の形とかハート型とかいっぱい持ってるそうなんだけど。周囲のお嬢さんいや、プリンセスたちはみんな、うーん、半分以上お星さまの形のペンライト持ってました。持ってない方も、普通のスティック型のものを持っていらっしゃる方もおられました。

   「特典開けてよ。友達の推しが入ってたらかえて」

   さっきの四角い板は10センチ角ぐらいのミニ色紙でした。虎美はわたしの好きなアンドロイドの藍ちゃん

   「おかあさんに上げる」そりゃどうも。

   「うーん、音也だな」主役格の元気で素直な子でした。わたしはちょっと苦手。

   「大竹さんが好きだから大竹さんに上げていい?」

   「おう、大竹さんには世話になっている」

   大竹さんはおかあさんも名前と趣味が一致する虎美の高校以来のご友人。うたプリではレンくんが好きだったはずですが。

   「大竹さんは暖色組」

   ああ、赤がイメィジカラーの音也くんとオレンジがイメィジカラーのレンを一番の相棒とみるファンね。だから、直近のカレーイヴェントがこの二人の組み合わせだったから「見るべきほどのものは見る」の心境になってシャイニングライブを卒業したって言ってたのね。

   などと語らっているうちに予告編もおわり、開幕。古式ゆかしい蒸気機関車に集い、乗り組む盛装の美青年たち。カメラは足元しか映さないけれど、かれらをよく知るものならばそれぞれが誰なのかわかるような描き方、ぞくぞくするオープニング、汽車は夜の空を駆け、夢の世界の城に到着する……。今回は「キングダム」:王国という設定だから!

   「みんな―スターリッシュの一十木音也だよ!」

   この映画は特にストーリがなく、登場人物のアイドルたちのライヴという設定で各ユニットが入りまじり歌い踊るという設定なので、ほんとにアイドルのコンサートのように始まりました。

   「キャーッ!」

   老若ジョジョのプリンセスたちが思い思いの推しの色のライトを振ります! スクリーンの中の観客も、客席のプリンセスたちも、こころを一つに! いや、最初は結構控えめだったけど。

   それぞれ自己紹介があり、メインのST☆RISH7人、同じ事務所のお兄さんユニットのカルテット・ナイト4人、他事務所のライヴァルのHE★VENS7人がステージに勢ぞろい。多いわ。

   そして、それぞれから1~2人出て結成したシャッフル・ユニットでの歌が披露されます。

   ユニットが変わるたびに皆さん手元をカチカチと忙しく操作して、歌う推しのカラーに合わせて色を変えます。

   「え? え? これは藍ちゃんだからラヴェンダー?」

   「このユニットはとくに好きな子いないけどええーと、あ、この色蘭丸さんの色だからとりあえずこれで行っちゃえ」

   「え? 虎美今これ何色?」

   「おかあさんそれブルー。トキヤはもっと濃いパープル

   おかあさんはペンライトの操作に気を取られてお耳が留守。

   「……へヴンズいいな」

   「いいでしょ? おかあさん好きじゃないって言ってたけど」

   「エンビ似合うやん。こいつらお洋服がストリートな感じで好きじゃなかったが、やっぱ男は燕尾服が似合わないと」

   「おかあさんクラシックの人だもんね」

   「男を一番カッコよく見せるのはエンビだ」

    勝手なこと言ってます。曲に合わせてお洋服はたびたびお召し替えありましたけど。中でも小柄な美少年選りすぐりのユニットでは翔ちゃんがチェックのニッカボッカでかわいー! と言われて腐ってましたが。いや可愛かったよ。

   「アンコール追加されたそうだから最後まで席立たないで」

   「おう」

    最初にみたお客さん可哀そうじゃない。あ、今は何度も通う人前提なのか。ということで、現実のコンサートと同様、一度お辞儀して皆が去って暗転した会場にアンコールの声が響き……アンコール曲がかかるまでまるきりコンサートそのもの!

   「ああーこのセットリスト(コンサートの演奏曲総覧CD)売ってるらしいけど帰りに買いたい」

   「買おうぜ」

   ライヴァルとしての役目上? なんだかカッコつけてて喧嘩を売ってくる物言いだったので好きじゃなかったヘヴンズですが、曲と踊りは切れが良くって改めて見るとこれはこれで魅力的でした。でも、この年であのノリを真剣にファンとして愛するってのは無理。

   「特効がすごい!

    虎美はアイドルオタクになったので、そっちからの視線での感想が面白かったです。特殊効果として、演奏に合わせて炎が燃え上がったり、水しぶきが上がったり。せり出す舞台装置の上にそれぞれが載って歌ったり踊ったり。トロッコのようなものに乗ってファンの間をゆっくり進みながら間近で歌ってくれたり。生身ではありえない高さへの補助具なしでのセリだしとか、宙乗りや、スノボのような乗り物で自在に宙を駆けたり。手にした花が光って消えたり。

   「2次元サイコー!」 

    なんといっても360°どこから見ても美しい男性が一糸乱れず歌い踊る様がもう最高。このアイドルは年取らないし変な女に引っかかったりクスリやったりわけわかんないこと言って幻滅させたりしないから。

   娘にお礼を言って一緒にアニメイト行ったんですが……ノイエ・リリエンベルクのアニメイトでは既に目当てのCDは売り切れていたのでした残念!

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2019年6月15日 (土)

通といえばおかあさん

   本日小ネタです。

   虎美が就職でうちに帰ってきて、毎日ご飯を食べた後はおかあさんの枕元でごろごろしながら漫画の話とジャニーズの話をマシンガントーク。おかあさんの方はやっと世間様に追いついたウィンドウズ10でまたしてもブラウザゲームを息もせんとしていたり。

   今週は今週で、

   「ワートリ面白さがわかった時点でもう一度読み返したいから1~10貸して」

   「あれねーアニメ化記念無料読み放題で読んだから紙の本で持ってるのは11からなのよ」

    そういえば一気読まされしたときはタブレットだったわ。

   「出せよタブレット」

    おかあさんほんと最近娘を娘とも思っていません。おあいこおあいこ。

    そして黙って娘のタブレットで「ワールドトリガー」を悠々一気読み…。

   「なあ、6巻表紙のキトラだけどアレのアレがアレだったみたいにアレだったりしない?

    おかあさんは自分がもうオーヴァー50の熟女だということを理解した方がいいと思います。虎ちゃん固まっちゃったよ。

   「……そういう意味はないと思うよ」

   「ごめん解った?」

   「『封神演義』の太公望でしょ?」

    説明しよう。

    大胆な翻案とそう見せかけてきちんと原作世界に従った伏線が張られていたことで有名な藤崎竜版「封神演義」では、単行本の表紙絵は主人公太公望が本来の彼の姿ではないという暗示で上下さかさまになったレイアウトになっていたというのが巧みであるとネットで評判なのです! それでも非常にものにとらわれない飄々とした作中の人柄ととても古代中国と思えない自由な物語世界を表しているようで、1巻発売時には大してそこは問題視されていなかったのに、巻が進み、かれと対となる登場人物が現れ、かれもまたアナーキーな性格だったので逆位置で描かれ、しばらくしてその二人の関係性が物語で明らかになると、「これはっ!?」とファンの間でたいそう話題を呼んだものでした。

「ワールドトリガー」の方も、ファンによるキャッチフレーズコンテストで「あとで意味に気づく物語」などという作品があったとかで、伏線が巧みで、二度、三度の読み返しをそそる作品になっているので、もしかして、主人公修にきつくあたるボーダー隊員の美少女キトラが、表紙に逆立ちで描かれていることから、そういう意味があったりするのかと虎美に問いかけてみたというのが、おかあさんのあまりにもおとぼけかあさんな発言の意味だったのでした。

   我ながら反省。

   でもそれを正しく理解する虎ちゃんってなんなの?

   そしてキトラの逆立ち絵にはそういう深い意味はあるんでしょうか??    

 

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2019年6月 2日 (日)

ジパング伝説を検証しました ― 落とし物必ず返る篇 ―

   恥多き人生を歩んでいます。

   どこかに出かけると、必ず何かをなくして帰ってくるという。あんまりやらかすものだから、娘にもギャアギャア言われて、お前を産んだ時に頭のねじが飛んだのだと言おうとして、学生時代にも財布やら貴重品を入れたセカンドバッグやら忘れてきていて、実家に帰り着いたら行くところはまずJRの忘れ物案内だったことを思い出していやーんな気持ちになりました。

   というわけで、こちらへ来てまたお勤めを始めても、小田急の車内やバス内に携帯や傘やら忘れることは経験済みで、

   「小田急で忘れ物をすると保管している駅までの【忘れ物取りに来ました切符】で電車に乗せてくれる」というトリヴィアを披露できてたりしたのですが。無事に傘を取り戻して終点から帰ってくるときは何で乗ったのか記憶にないのは詰めが甘いと自分でも思っています。ごめん。【忘れ物取りに来ました切符】、正しくはなんていうのかも忘れましたゴメンナサイ。どこでもそうなのかと思ってたらJRではそうでないらしく、とんでもないところで発見された旦那様のSuicaちゃんは、取りに行く交通費を考えて放棄したそうです。

   そう、わたしに限っては忘れ物は結構ちゃんちゃんと見つかるので、痛い目見てないから延々どこにでもモノを置き忘れるんだろうなあと。

   最近多い、ネットで外国の方が日本のことを過大評価(?)している事例で、

   「日本ではものをその辺に置いといてもかっぱらわれることがない、忘れ物はちゃんと届く!」ってのがありますが、結構真面目に画像付きで検証されたりしていて、そして、少数ながら、「そんなことないよ、先年私が日本に行ったときに失くした○○は返ってこなかった」なんてコメントもついてたりして、あんまり日本に夢を持たないでね~とか思いつつもなんとなく誇らしく見守っているのですが。

   実はこの大型連休で自分もそのジパング伝説を実感したので。

   4月25日、その日で通勤定期が切れるんですけど、今年は連休長いし、連休中仕事は当然ないし、そういうときのための臨時の手伝い仕事も入らなかったので、会社方向には出かける用事もないし、まあ次の定期は連休明けに買おうか、と帰宅してからかばんを玄関の上がり框にどさっとおいてそれっきり。わたしいつもこうです。玄関ホールはわたしの私物の山。

   26日はれいのレのつく医者に結果を聞きに行く日で、有休とって朝からのんびり支度して、午後もおやつの支度をするような時間になってからのんびり腰を上げて、今日はオフだから仕事にいくんじゃないかばんでお出かけしましょうとショルダーバッグに中身の移し替えをして、ちょっとトイレに立って、また帰ってきて、作業を再開……したら、その定期の入った定期入れがないじゃないですか。

   ウッソー!?

   散らかってるからよね、この際お掃除しましょとばかりにダイレクトメイルやら市の広報やらドラッグストアで買ってきたお風呂で使うものの詰め替えやらを整理したらまた空き袋とかが出てまた散らかって。

   ありませんでした。

   まさか。

   そういえば、一足先に連休突入って気が緩んでいたかも。バス乗るときに定期付きPASMO(首都圏の私鉄&バスに乗れるカード)をピッとして、そのあと無意識にショルダーバッグのポケットに入れたと思ったけど、もしかして落っことした? もしかしてバスの中で眠りに落ちてなかったっけ昨日? いやちゃんとしまって今朝ポケットから出してそこにおいて支度してたっていやどうだろう!?

   自分の記憶が信頼できない!?

   とりあえず、せっかく有休とったんだから検査結果聞きに行きました。お医者までは百円玉&十円玉でバス乗りました。

   お医者の結果は「レのつく医者に行こう」の項をどうぞ♪

   ちょっと焦っていただけよ、おうちに帰ればあるわよ、と、せっかく駅前まで行ったのに紛失についての手続きは何もせず、夕食のお買い物だけして帰りました。帰って、玄関ドア開けて、逆方向から散らかった玄関ホール見たけど……赤い定期入れはありませんでした。

   娘に話したらほんっと馬鹿にされましたけど。でも、虎ちゃんも春休み? いろいろ用事で出歩いてPASMOの入った定期入れ落っことしてたから、そんなに厳しくなかったです。ちなみにそれはバスの中のことだったから、すぐ小田急バスに連絡を入れたら、2,3日後に連絡入って、ところが、わたくしがこちらに来て少しの時にガラケーを落っことした時にはまだヴェスイクターアにあった営業所が、リストラでただの折り返し所に格下げになったので、ノイエ・リリエンベルク近辺の落とし物管理は統合されて、

   「登戸まで行ってきたわよコンチクショウ!」

   だそうです。リトはノイエ・リリエンベルクの4つ先。大変ねー。しかも、駅前じゃなくて結構バスか歩きかしたそうです。大変ねー。それがおかあさん見事に自分に返ってきたのね。

   でも虎ちゃんでも戻ってくるんだからまたおかあさんのも戻ってくるわよイイ人に拾われて、と思っていたのに。

   というわけで、旦那様の使ってないPASMOを貰って千円だけ入れて連休はスタート。あーあ。連休に帰省するからっていっぱいチャージして、定期は切れてたけどPASMOにはまだ5000円以上残ってたのに。

   まあとりあえずバスの運転手さんに小田急の落とし物受付の電話番号貰って電話して、ノイエ・リリエンベルクの交番へ出頭して、落とし物の届を出しておきました。

   「一応受け付けるけど、ここは入り組んでるから。拾ってくれた人が便利のいいところの警察に届けを出してくれるんだから、連絡が入ったらどこの警察かちゃんと聞いてくださいね。あと、連休で警察の事務の人も休みになるから、休み明けになると思って」

   はーい。

   なにせここは東京と神奈川の境目、うちで寝っ転がってて狩ったポケモンが「東京都ナーギ市」でゲットと登録されるような辺境。電車もいろいろ乗り入れてますから、相模原や町田、下手すると代々木や取手が提出先だったりするんですね。

   「出てきたら出てきたで取り下げの電話くださいね、連休明けでいいから」

   はーい。

   って、虎ちゃんと町田で帰省のお土産なんて買って、ついでに、どうせ出て来ないんだったらおかあさんみたいな人は紐付きの定期入れにしなさいよ、と、すてきな小間物を売ってる店に連れてってもらって、ちょうどここにおかあさんの好きそうなヴィヴィッドな赤い定期入れ今はやりの巻取り式のワイヤーのついたものが4割引きで売ってるからこれ買っちゃいなさいと示されて、買いました。

   「え? 母が払うの?」

   「自分のでしょ」

   だって虎ちゃん初任給出たとこだよね? まあ、そこでおかあさんにはいろいろお世話になってるからとすぐ言ってもらえないのは不徳の致すところよねと自分の財布を開きましたです。

   いろいろお出かけして、連休生まれのお兄ちゃんのバースディケイキ虎ちゃんに買わせてご帰宅、したら!

   「あるじゃん!」

   だから玄関にぽいっと置いたんだって! あー定期入れ無駄になったじゃん。でも五千円は助かったわあ。警察に連絡は連休明けでいいのよね、気を取り直して明日帰省よ! って、きれいなエナメルの赤い定期入れと元からの普通の革の定期入れ二つ持ちで帰省しました。

   金沢ではしっかりそのネタもお義母様に披露して、

   「気をつけなさいよ、でも、わたしの母は、そういうときは、降りかかるはずの災いをその失くしたものが代わりに負ってくれたのだと思うようにしましょうと言っていたわよ」なんて慰められたんでした。

   お義母さまのお母様はほんと昔の教養のある奥様で、心根も優しく、ものに拘泥しなくて、大切なのは生きているあなた、ということを常々おっしゃっておられた方でした。

   ごもっともでございます、以後気をつけて、何事もなく過ごせたことを感謝して日々を送るようにします、なんて言って無事帰ってきて。

   その間虎ちゃんは別行動。せっかくだから富士山麓に着任して一年のお兄ちゃんのアパート見に行くって旦那様誘って行っちゃって、母も行ったことないア、ア、ア、アウトレットモール? 冷やかして旦那様と各種ブランドでお見立てごっこしてたらしいです。お土産はそこのポケモンショップのぬいぐるみ。

   「おかあさんのお気に入りはダネちゃんだったね」って。

   納得いかん。いや、旦那様が愛ポケを覚えていてくれたことに愛を感じろよ。今フシギダネちゃんはわたしの枕元にいますが。いや、ほら、ブランドのアウトレットいっといてね、お土産がね、うーん。

   そして、東京駅についたとLINEを入れますと、

   「えーご飯一緒に食べよ。新宿駅で待ってる」

   お土産の五郎島金時が重いんだってば。あの日東京は夏日でしたよ。汗だくで新宿駅にたどり着いて、ちょっと違うところから中央線特快乗ったらぜんぜん違うところに出て、いつもの小田急改札遠くて迷って、違うところから出そうになって、定期入れに突っ込んである新幹線乗車券出して自動改札通って、もう頭ぐるぐるで虎美探して。

   ご飯食べて、さあ帰りましょうって小田急改札通ろうとしたら、

   定期入れがない! MAMMA MIA!

   「またなの!?」

   さすがに娘怒りました。紐のついた方はちゃんと旅行用リュックにつながっていましたが、前から使っていた方にまだPASMO入れっぱなしだったです。だって、PASMOを一つの定期入れに2枚入れると喧嘩して自動改札通れないから。そして、前からのPASMOの方が残高が多い……。そっちを落としたのです。

   東口まで戻って落とし物の届を出して、しょんぼり帰りました。

   「なんで紐のついた方に入れないの!?」

   だって、めんどくさかった? 旅行中だから、家帰ってからしようかなって。

   「出てきたとしてもすべてのチャージを使い切った後で地の果てで見つかる。俺はそうだった」

   旦那様は運が悪かったんだと思ってたんですけど……。生き馬の目を抜く大都会新宿駅で落としたものは……まあ帰ってこないだろうなあと諦めて、正真正銘新しい定期入れで連休明けが始まりました。定期もそちらのPASMOで登録して。巻取り式ワイヤー付き定期入れ便利です。

   ……と思ったら、新宿からお電話が入ってるじゃないですか。

   まさかね?

   連休中も2,3回は落とし物センターに電話を掛けてたんですが、いやつながらない。生き馬(略)新宿駅だから。

   しょうがないなと思ってたら、今度は、13日になって東京警視庁から電話が。なんじゃい!? と出てみたら、

   「あなたの落とし物ね、保管の期限が切れて新宿駅から回ってきました」

   WAO!

   「飯田橋にある遺失物センター、適当にネットで調べて取りに行って。番号はRH-プラスマイナスヌルα」だそうです。今は便利ですね。もうすぐネットで調べて最寄駅からアクセスまで見て、これがまた13日は人間ドックの再検査があったから有休をとってあったので、そのあとのこのこと行ってきました。

   また天気が良くて。

   飯田橋ならJRでよかったんですが、最寄り駅が「大江戸線Aいくつ出口」ってのが一番近そうだったので、そっちにしました。こんな暑い日に地上を徒歩10分って嫌だと思って。

   ……大江戸線深いですね。エスカレーター乗り継いで乗り継いで 

   「108番の方」

   言われた通りの番号を伝えて保険証を見せるとちゃんと出してきてくれました。赤い革の定期入れと、カルトン(金銭出納皿)に乗せたピン札の野口!

   そう、チャージが足りなくなったとき用に千円たたんで入れてあったんですよ。

   「こちらで?」

   「これです!」

   というわけで、ジパング伝説、「日本においては落とし物はちゃんと届けられる」というのは真実でした!

   皆さんのご厚意に応えるためにわたしも頑張ります!

 

 

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2019年5月19日 (日)

本日の手仕事ニッポン

   前の項に関連して。

   日ごろうちで穿いているリラックス用のパンツ(ウエストのゴムが緩くなったのを力技で入れなおしたと数年前ここに書いた)が、古びてボロボロになったので、そろそろ新しいのを買おうと思ったところが、この冬油断してとんでもなく太っていて、ウエストがちょっとすごい値になっていて、こんなサイズはユニクロにもないのでは、と大いに反省、意気消沈。でも、じゃあお裁縫大好きの実母に縫ってもらえばいいじゃん、いつもは趣味にお金をかけない主義で適当に古着をリサイクルしているからとんでもねえのができるのであって、自分が購入に立ち会い、材料費も出してついでに芯地やらゴム紐やら糸やらの小物も買ってあげれば、母の日の贈り物も悩んだ挙句に

「おかあさんこんなのいらないわ」

 と言われることもなくお互いストレスフリー! と、実家の老母をなだめすかしてお買い物に連れだしたら。

   「ここはいい服地がお安くてお気に入りなの」とばかりに金沢郊外の小さなお店に連れてゆかれ、なんかプレハブっぽい(失敬)大教室ほどの店内は所せましと服地を巻いたロールが立ってたり横に積んであったり。仙台だとマブチ、池袋だとキンカ堂、この辺だとユザワヤみたいに明るい店内に手芸材料から服地から初心者向けキットとか各種小物がきれいに展示されてるああいうお裁縫のテーマパークみたいの想像してただけに失望限りなし

   わたし、自分では何にもしないけど、ああいうお裁縫の品物見て歩くの好きなんですよねえ。チャコペンとか、ゴム紐通しとか今はこんなに便利になってる! とかちいさい感動があって。

   そういう自分の娯楽も込みのつもりだったから。

   いやそれは事前にすり合わせしておこうよ。(反省)

   とりあえず、端切れサーヴィス! ワゴンに載ってた茶色のちょっと厚手の布地をちょうど着分相当だったので買いました。

   「おかあさんは芯地を買うわね」

   薄手の布に張りを持たせたり透けないように(?)裏から貼る不織布を2メートルほど買ってました。こちらもお金出してあげようとすると断られました。趣味にはストイックな母です。うーんこまっちゃう。

   お買い物を済ませると、母問題発言。

   「じゃあこんど小枝さん(仮名)に持っていくね」

    ちょっとまってマザー!?

   「おかあさんが縫ってくれるんじゃないんですか?」

   「わたしも作れると思うけど、こういうのは小枝さんの方がちゃんとできると思う」

   「小枝さんってあの、おかあさんの妹の小枝フミコさん?」

   「おいね(そうよ)」

   「いままで小枝さんがお裁縫をなさるとはきいたことがないんですけど」

   「あのひとはちゃんと洋裁学校行ったよ」

    母が独学だったほうが初耳です。いやあの時代の人だから嗜みとして何でもできるんだと。母の実家は結構ちゃんとしたうちだったんで(4姉妹のうち3人私学の桜花:早乙女父が教鞭とってた女子高 に行かせるぐらい)お茶お花お習字地味にいろいろやってましたから。

   「小枝さんとは仲悪かったんじゃ?」

   「もうわたしたちも長くないからいがみ合ってもしょうがないと」

   「なにか向こうから詫びを入れてきたんですか?」

    小枝の叔母はなにかというと実母に張り合ってきて姉妹のうちでも暗躍して母をハブにしたりとかしてたと聞くのに。

   「わたしが自分で思ったの」

    ……いつもこんなひどいことを言われた云々グチをきかされるのはこちらなので、歩み寄ったつもりがまた泣かされたりしないだろうかとそっちを心配しました。

    母の一人遊びのネタを提供するのが6割ぐらいあるので、それで恩にきせられたり、菓子折り持ってったりとか負担になるんじゃ逆じゃないよう!

   「……おかあさんのよいようにしてください」

    やっぱりリサーチが足りなかったかしら。

    そしたら小枝さん張り切って寸法取りに来ちゃって‼ それがまた、往年も美人だったけど(ヨナイズミ町会の誇る美人姉妹マダムでした!)今もビシーッと化粧して、もとから母より目鼻立ちが派手でしたけど、ほんとまだまだ華でした。性格の悪さが顔に出て悲惨になってるんじゃなかったのマザー! あれは別の叔母のことだったかしら。

   「まいこさんもお久しぶりです。お元気そうで」

    いちばん親しかった叔母なんですが、かしこまっちゃって、まあ。リヴィング上がってもらってすぐのところでさっそくメジャー出して、ウェストからヒップ、着丈から股上、股下などいろいろお寸法とられました。

   「んまーあウェスト〇5センチ! ヒップ大台越え! これは既製服が入らないわけや!」

    おかあさん声が大きいです。  

   「バスト、バストも測って、それなりに大きくなったから!」

   「はいはい」

    ……などと姦しく巻き尺と戯れ、叔母さんはさっさと帰ってゆかれました。お茶も飲まないのか。わたしが出すべきだったのか。いや、勝手なことをして居座って母が不愉快な思いをしたら困るから出さない。

    そして連休が終わったころ、母より入電。

   「はーいまいこちゃんおかあさんやよー! 小枝さんがもう仮縫いできたから送るって。もうこちらには当分来れないと思うから、着た感じいろいろ測ってみて感想教えて」

   仕事が早い! さすが洋裁学校伊達に出てない!

   「仮縫いて、そんな本格的なことしなくてよかったのに」

   今まで母が作ってくれたリラックスパンツでそんな高尚なことをされたことなどなかったですよ。

   「まあまあ。とにかくありあわせの布で作ったから当ててみてね」

   少し前はまった仕立て屋さん漫画で、高級な布地の場合は先に仮縫い用に別の布で仕立ててみるってのあったかもだけど。そんないい品じゃありませんよ、サーヴィスの端切れ。

   ……送られてきたのはワインレッドに観葉植物の斑入りの葉が乱れ飛んでいるような柄でした。母がセレクトしなくても老女の好みってこうなるのか。サイズは実にぴったりで、ご機嫌でゴーサインを出したんですが。

   「それでこれは送り返せばいいの?」

   「ううん、これは仮縫い用だからプレゼント。このサイズでもらった布でこれから作るんよ」

   「いいの?」

   「要らんかったら返してもらってもいいけど」

   「もらうわ」

   ラッキーといって穿いてるんですが、2,3日も穿いていたら下がってきて、どうしたんだろう、やっぱりサイズ間違ってたかと思ったら、ウェストのゴムが結びが甘くてほどけていました。

   「おばちゃーん!」

    やっぱり母の手作りとは真剣さが違う、とここに書き記そうとしたら、そもそもこれは仮縫い用だったのでした。そんなもんその場しのぎでいいんだった。わたしがちゃんと入れなおせば済むこと。叔母さんごめんなさい。お中元は東京のオシャレなお菓子ご期待ください。 

 

 

 

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2019年5月18日 (土)

熟女はとってーも芋が好きっ♪

   連休は金沢に帰ってきました。虎美が東京に本社のある会社に就職、研修中は本社、ゆくゆくは金沢支店配属とのことで決めたんだそうですが、今まで同居してたおばあちゃんはすぐ帰って来てね、絶対帰って来てねと泣きの涙。

   「私生まれて初めて一人暮らしなの」って、そーか、昔の人だから、下宿とかありえないのか。新婚家庭でも核家族とかありえない、舅姑に仕えて云年、旦那様が独立しても超マイペースのおじいちゃんと暮らしてきたんだった。そのおじいちゃんも昨夏旅立ったことだし。

   「(親戚でご近所の)しゅうこさんのところは毎日娘さん家族から安否確認のお電話が入るんだって」との遠回しな定時連絡要請をおばあちゃん本人から受けてしまいまして。
    一応約束をしたんですが、誰もローテーションに参加せずわたくしもネタがなくて2,3日おきになっちゃって。……ごめん。

    というわけで、空前絶後の十連休、すぐさま荷物をまとめて金沢に帰りましたよ。

    おばあちゃん喜んでくれましたが、なにせ今年の連休、前半は天気に恵まれず、

    「エアコン使っていいからね」

    ……寒くて寝込んでました。金沢の連休ってもう初夏一直線、30度超えも珍しくないため、夏物ばっかり用意していったのに! 紫外線カットのために持って行ったユニクロのうっすいパーカー、着ていった春物カーディガンと重ね着してもまだ震えていました

    それで、娘の散らかしていった仏間の整理は全然できず、ネズミが荒らしたので封鎖された離れも一歩も足を踏み入れることなく、ただお墓参りと実家の母に家用のリラックスパンツを仕立ててもらうために(ある意味張り合いを持たせるための親孝行)、服地を一緒に見に行って材料費負担したりしただけというしょっぱい帰省でした。

    虎美にも聞いてたけど、

    「わたしがあなたたちにしてあげたいのよ!」と、訪れるたびに手作りの料理をテーブルに載せ切らないほど並べてくれたおばあちゃんが、「めんどくさいからピザ取りましょ」なんて言ってくるとは! 年を取るって大変なんだと痛感。胃袋で理解するなよケダモノ!

    ということで、混まないうちにと3日には金沢を出立しました。

    駅ではもうお土産と言ったら五郎島金時芋という金沢固有の? サツマイモ推しで、サブレからスィートポテトからみんなお土産はお芋系。まあ、昔ながらの長生殿とか持って帰ってもあんまりありがたがられないから、こっちも割り切ってゴルフボール半分大のスィートポテトが個別包装になってるのを選んで持って帰りましたけど。

    これがまた大うけ。繁忙期から20人くらい減ったとはいえ、あんまり話したこともない熟女が通るたびに、
    「早乙女さんご馳走様
    「早乙女さんて金沢? ありがとー」
    「まいどまいど買ってこなくていいってー」と声かけてくれるのです。
    あんまり好評だから自分でも食べてみたけど、うーん微妙。もう少し甘い方がいわたしはいいんだけど。

    熟女ってやっぱりお芋が好きなのかなと思ったんだけどね。

    ふと思い返せば、わたくしもこのチーム3年目に突入して、顔が知られてきたってことじゃないかと思いましたです。今まで、いろんな方がお土産とかおすそ分けとか(北海道が地元の奥様なんて、段ボールでインゲン送ってきて、ヴィニル袋横において、「おひとり様3本お持ち帰りください!」とかいうのまであった!)もらってて、おいしい、ラッキーとか思っても、あんまり話したことない方、名前だけ知ってても顔が浮かばない方とかの場合、わざわざお礼まで言いに行ったことなかったけど(人として最低)、「早乙女さんのお土産です」と立札付きでお土産置いといてくれたら「ああ、あのひとね」と解ってもらえるほどにはなったんだなあと。なんだかしみじみ。

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2019年5月 3日 (金)

訃報

  無駄のなき道を好みし君なれば

   疾くゆきにけり我を遺して 舞音

 

  大塚女子大学国文学科卒、紫の会の皆さま、訃報です。

  むっちゃんが4月20日旅立ちました。名簿をもとにご主人様より私やくしちゃんに連絡がありました。

  わたしはは帰省していたので手元に連絡先がなく、幹事さんにはくしちゃんにご連絡をお願いしています。

 

  わたしは結構彼女には借りがあったと思っていたのですが。

  そのうち返せるつもりでいたのになんというか勝ち逃げされたような心地。

  もっと腹を割って話していればよかったと。

  悔やまれてなりません。

  そんでもって、お電話ではご主人様から「まいこちゃん」と声をかけてもらって。彼女は今までもずっとわたしを「まいこちゃん」と呼んで常々語ってくれていたのだなと察せられました。

  ほんとスイマセン。

  わたしはくしちゃんのことを連絡先として娘にお願いしときましたので。どうぞ事あったときにはよろしく。

  落ち着いたら一緒にどこかへまた行きましょう。もちろん富山へも。

 

  つひにゆく道とはかねて聞きしかど

   きのふけふとはおもはざりしを

 

  早すぎると思います。

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2019年4月26日 (金)

レのつく医者に行こう

   ♪あなたーのむねのなーかーでレディーをーぬいでーババアになったーこのーはーるー

   曲は懐かしのtube「さよならイエスタデイ」でお願いします。   

   数年前、お勤め仲間の熟女から

   「早乙女さん、もう更年期なのにそんなに重いんだったらレディーの方のお医者に行った方がいいわよ」と言われて、行ってみたおかあさんでしたが。

   とりあえず子宮内膜症とかそういうやばい病気ではなく、「単に重い方」と診断が下り、適当に眩暈の薬なんか処方されてたんですが。

   去年の秋、会社の健康診断が終わって、病院から終了の連絡を入れたら、

   「もう帰っていいから」って言われて、じゃあ時間も余ったしついでに検診のはしごしちゃおっとばかりにまたそのレディーの医者に顔を出したら、

   「今年の分の川崎市の無料券使いましょうよ」ってまた細胞採られて。でも、眩暈の薬&命の母でなんとかしのいで結果も聞きにいかないでいたら、なんとこの春。

   「ノイエ・リリエンベルク・ダーメン・クリニークから親展でお手紙が来ている。おかあさんなにかの病気なんじゃ?」と豹太がぶるぶる震えながら封筒を持ってきました。

   「えーっなんだろそういえば結果聞きに行ってないわ」

    開けてみたら、

   「診断結果は必ずしも悪性のものではありませんでしたが、院長よりお話がありますので是非近いうちにお越しください

    え?

    まさかなーとか思いながら、なんか腫瘍でもどうせ4月になったら繁忙期終わるからその時入院すればいいだろなんて軽い気持ちで行ってきたら。

   「これは学会にはまだ出てない話なんだけどね、ぼく大学病院で20年診てきて自分なりのカンだけどね」と前置きして。

   「あなたの場合、九分九厘良性の腫瘍で、これはほっとくと自分で治ります。ただ、残り1%の人は、97%助からないの。だから、念のためもう一回診ましょう、ね?」

    そんでもってプローブ突っ込んでみたら、

    「うーん、生理がなくなった人ってここの内膜ぺったんこになるはずなんだけど、あなたまだ5ミリぐらいありますね」

    だからこないだまたあったって言ったやん。

    終わる終わる詐欺みたいね。そうしてまた細胞むしられました。

    こないだのオフでこれとむ影さんに相談したら、

   「学会で言ってないんだったらそれは与太。気にしちゃダメ」と言われましたが。

   「あのぉーそれでわたしって結局?」

    そのとき院長先生に勇気出して聞いてみたら。

   「うん、へけっ」

    ハム太郎かっ!

    ご機嫌で「さよならイエスタディ」なんか替え歌にして歌っちゃって。閉経ですか。長かった。

    バブルのころに、大同生命が女性向け保険のコマーシャルで「の命は結構長い」って言ってましたけどね。

    そんでもって、

   「18日以降結果が出ます。聞きに来てね」って言うから、18日、

   「今日お電話が少なく人が余ってるので先着5人早退をみとめます!」って告知がでたのをいいことに聞きに行ったんですが。

   「木曜午後は休診」の看板が!

    ……先着5名に滑り込むことばっかり考えて医者がやってるか、結果出てるかどうか確認しなかったよ。おかあさん詰めが甘い!

    そして本日また有休取って行ってきました!

   「ホルモンがなんかまだ出てるんだよね。終わった人ってホルモンはほとんど出てないはずなのに、範囲内だけど出てるんだよ」

   「はあ」

     どうもすいませんねーまだアブラっ気あってさーピクシヴとかでも背後注意のえっちな絵見てますよ悪い~?

   「でも、まあ範囲としてはもう終わった人とみていいから。また次7月にでも来てください」

    花のいのちはまだまだ続いてるみたいです。 

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2019年4月21日 (日)

春暁オフ ときわ路篇開催しました!

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    裏切られ信じられずに過ぎければ

    春とは偲ぶものと心得(こころう)     舞音

 

   日本全国春爛漫。平成最後の春を享受すべく、行ってまいりましたお花見! 諸般の事情で4月半ば過ぎになります日程上、桜に限らないお花を知性と教養とオタ心にあふれた熟女が楽しんでやろうというオフ会であります。

   事の起こりは昨年のスケジューリング。家族の出入りやら仕事の繁忙期やらで4月にならないと余裕がないというところから、様々な花の名所を首都圏に限らずリストアップしていったときに挙がったのが「ひたちなか海浜公園のネモフィラ」。

   「ブルー素敵ですね、ねもひらって知らない、見てみたい!」

    ひたちなか海浜公園って聞いたことない、土地勘ないから今年は無理だな、ってその時は足利フラワーパークに藤を見に行こうってなって、さらに異常な高温の春で開花が進みに進んで、お花は諦めてトロッコ乗りに行ったんでした(そうしてむっちゃ雨降った)。

   「ねもひらリヴェンジ!(T_T)

   おかあさん我を張りました。そして自分で調べました。って、ネットの経路検索かけてみただけだけど。

   「常磐線で品川から85分! 特急ときわがあります!」

   「ときわ路パスというのを使えばお得よ!」

    日本交通公社にまで出かけてカウンターで相談するする。

   「この切符はどちらかというと圏内の駅をいろいろ乗ったり下りたりして観光なさるための切符で、ぶっちゃけ水戸近辺のご旅行の便を考えているので、海の方へ行くのには向いてないです」

    お兄さん結構ハッキリ言います。

   「それに、これは首都圏ではお求めになれません。圏内の駅でないと。……一番近いところで取手?」

   「二人は小田急だから千代田線から直通でSuicaちゃんで入っちゃうつもりなんだけど。最寄り駅で出るときに精算してもらえないかしら?」

   「さあ、ちょっと……」

    確認してもらいましたが難しいみたいで。

    ……暗雲が垂れ込めてきました。

    おかあさん泣いて帰ってきてライングループに書き込んであとはお二人に投げちゃいました。無能。

    結局例によってとむ影さんと波多利郎さんに調べていただいていちばんお得で時間もかからない乗り継ぎを提案していただいて、特急券も買っていただいて、とむ影さんは上野から、おかあさんと波多利郎さんは小田急から千代田線経由で柏から乗って車内で合流となりました。

    どうよ毎度このあなた任せ。

    だってあれ以上どうしたらいいかわかんなかったんだもん。下手の考え休むに似たり!

    高度な判断は素人は手を出さず上手な人に任せることも大切ではないかと思うのです……。

 

    といって当日例によって「ノイエ・リリエンベルクで待ち合わせしましょう」というのに、いつもは波多利郎さん多摩急行で多摩センターから乗り入れ千代田線接続に乗っていらして、それをこちらはノイ・リリエン駅の上りホームで待って、すぐそれに乗って出発だったのに、嗚呼、去年の春の改正で多摩急行というジャンルはなくなってしまったのです!? あれそのあと最低2回は逢ってるのにじゃあなぜ合流できてた?

    とにかく、今日はいつもの上りホームではなく多摩線ホームへの到着だったのです!

    波:55分ごろノイ・リリ着きます

    ま:はーいお待ちしてます。いつもの新宿よりね?

    なんて余裕でラインでやり取りしてたんですが、

    (あっれー新宿行き急行54分発なのにおかしいなー波多利郎さんにしては時間がアバウト)

    波:ノイ・リリなう

    なんか気のせいか混んでます。波多利郎さんが見えません。こっちもホームに行列。乗らないと。あ、乗っちゃった、乗ってから探せばいいんだよね? 乗る電車間違ってないよね???

    ま:乗車します

    ……返事がないよパティ。 

    波:乗っちゃいました?

    ま:もしかして降りた?

    MAMMA MIA!     

    合流の時点で失敗です。そんでこの電車快速急行で登戸まで停まらねえ。

    ……というようなことがあってとても朝から汗をかきました。

    お天気自体は暑くもなく、むしろ勝田駅に着いた頃には海風? が冷たくてカーデ出して羽織ろうかと思ったくらい。

    そこからは入場券付きシャトルバスで1080円。ゆっくり坐って移動、お腹すいたからさっそく豚ハム串500円かじったり超ロングなソーセージ入り豚ドッグ(なんだこの命名)かじったりでお腹をなだめつつ目的のネモフィラの丘へ。

    すごかった。ゆっくり起伏のある丘をスイッチバック的に上がる遊歩道にびっしり植えられた薄青い花。グラウンドカヴァーっていうのかな、芝桜みたいなかんじで、500円玉ぐらいの花が時にまばらに、時にびっしり、白花の株も所々混じっていて、芝桜のようなベタ塗感がなくてかえって遠近感というか立体感があってよかったです。それが、手前に菜の花の黄色を排してあったり、山の向こうは開けた太平洋だったり、また、薄日の差すそらだったりで、先週ぐらいまでの真っ青で輝く空よりもかえって露出とかの具合もよくきれいに見えました。

    このへんって高い山ないんだ! 勝田の駅前もビルが低くてお空広かったけど(失敬)。

    ぐるりほぼ360°大パノラマで雄大でした。水平線がやや丸かったですよ! 

    あとはゆっくり順路を降りて、お腹すいたから本格的になにか食べよう! ネモフィラアイスってお花が入ってるの? それとも青い色付けただけ? 行列すごいし色だけだったらやめとこうか、といろいろ相談して、それぞれ自分の食べたい屋台の行列について、そしてまたわたしが迷子になって、ふらふらでなんとか合流して(ラインてほんと便利だわ)、ベンチで持参のお菓子やらおすすめ本やら交換して食べながらまたおしゃべり。

    それから遊園地のさまざまな絶叫マシン的アトラクションを素通りしてハーブの植わっているあたりやら海を見ながら一服できるカフェやら見て一周してきたときとは逆の出口からバスに乗って帰路。

    最近はもうお互い電子書籍に移行してあんまり貸し合ったりはできないけどいろいろ名作情報を交換。今流行の「なろう」小説ではなにがおすすめか、とか、アニメはどれが推しか、などなど。

    帰りの特急は席が分かれたので黙って仮眠したりして。ちょっと遠出だったので遅くに解散になりました。

    盛り上がりまた窪みあるネモフィラを

     海とこそ見めひたち野の春        舞音

    今回は帰りのバスで一首。ネモフィラは瑠璃唐草というそうですが、

    「歌に詠むときは『るりからくさの』または『るりからくさや』で7音が稼げるから詠みやすそう」

    「今は『ネモフィラ』でよいのでは?」と朝の時点でいろいろ考えていたのですぐまとまりました。

     

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